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日本たばこ産業:強固なブランド力と価格戦略で過去最高益を更新へ、大幅増配、配当利回り4%超
配信日時:2026/01/22 15:04
配信元:FISCO
*15:04JST 日本たばこ産業:強固なブランド力と価格戦略で過去最高益を更新へ、大幅増配、配当利回り4%超
日本たばこ産業<2914>は日本専売公社を前身として、1985年に設立されたたばこ事業及び加工食品事業を展開するグローバル企業である。コミュニケーション・ネームは「JT」で、1994年に株式を上場した。JT Group Purposeとして「心の豊かさを、もっと。」を掲げている。主力のたばこ事業は世界130カ国以上に展開し、販売数量で世界第3位の規模を有する。同事業は売上の9割以上を占める中核事業である。同社の強みは、WinstonやCamelといった強力なブランドを多数保有し、広範なグローバルリーチを持つ点にある。海外市場では、Philip MorrisやBritish American Tabaccoなどの大手グローバル企業と競合している。
たばこ市場は、従来型の燃焼性紙巻きたばこ(Combustibles)の需要は縮小傾向にある一方、健康リスクを低減する可能性のある製品(RRP)のうち、特に加熱式たばこ(HTS)への移行が進んでいる。日本市場では、HTSのシェアが40%を超える水準まで拡大しており、同社でも次世代の利益成長の柱と位置づけ、積極的な投資を行っている。日本市場において2025年5月に、HTSの新商品「Ploom AURA(プルーム・オーラ)」を展開し、キャッチアップを図っている。世界のたばこ総需要は、2035年までに年平均1%程度減少する一方、各社の価格戦略等により売上ベースで年平均3%程度の成長を見込んでいる。
加工食品事業には1998年に参入し、自律的な成長に加えてM&Aや資本提携により規模を拡大してきた。売上構成比は5%程度にとどまるものの、売上規模は1,500億円超と一定の存在感を有する。「テーブルマーク」ブランドを中心に、冷凍うどん、パックごはん、冷凍お好み焼きなどの冷食・常温食品事業を展開している。なお、売上の約3%占めていた医薬事業は、2025年12月に塩野義製薬<4507>へ譲渡した。
2024年12月期は、売上収益3,149,759百万円(前期比10.9%増)、営業利益323,461百万円(同51.9%減)、親会社の所有者に帰属する当期利益179,240百万円(同62.8%減)であった。売上収益は、たばこ事業における総販売数量の増加及びプライシング効果に加え、加工食品事業の成長も寄与し、過去最高を更新した。利益面では、カナダにおける訴訟の和解に伴い訴訟損失引当金375,636百万円を一括計上したことから、営業利益以下は減益となった。
2025年12月期第3四半期は、売上収益2,634,028百万円(前年同期比13.2%増)、営業利益762,935百万円(同20.8%増)、親会社の所有者に帰属する四半期利益511,749百万円(同15.7%増)であった。売上収益は、たばこ事業のオーガニックな成長に加えて、Vector Group(VGR)の買収効果が寄与し、2ケタ成長を達成した。利益面では、同買収に伴う無形固定資産の償却費の増加があったものの、フィリピン、ロシア、英国などにおけるプライシング効果により増益を確保した。加工食品事業についても、価格改定施策の遂行により原材料費高騰の影響を吸収し、収益水準を維持した。
2025年12月期通期では、売上収益3,456,000百万円(前期比13.1%増)、営業利益845,000百万円(同168.9%増)、親会社の所有者に帰属する当期利益562,000百万円(同213.5%増)を予想している。売上収益は、たばこ事業における販売数量の堅調な推移とプライシング効果の継続を背景に、上方修正された。利益面では、前期に計上した訴訟関連損失の反動で大幅な増益を見込み、各利益段階で過去最高を更新する見通しである。加えて、対主要通貨での円安進行も、プラスに影響するとしている。
2025年からスタートした3ヶ年の中期経営計画では、為替影響を除いた調整後営業利益について、年平均で「High single digit(1ケタ後半)成長」を目標として掲げている。持続的な利益成長に向け、HTSへの経営資源の最優先投入を基本方針とする。2028年末までに日本やイタリアなどの主要市場において、HTSカテゴリ内シェアを10%台半ばまで引き上げるとともに、RRPビジネスの黒字化を目指す。また、VGRの統合を通じて、収益性の高い米国市場でのプレゼンスを高め、通貨構成のバランス最適化も図る方針である。
株主還元については、中長期の利益成長に応じた還元の向上を目指し、配当性向75.0%を目安に、プラスマイナス5%程度の範囲で判断することを基本方針としている。2024年12月期の年間配当金は194.0円(配当性向192.2%)を実施したが、訴訟関連損失引当の影響を除いた場合の配当性向は74.3%だった。2025年12月期は前期比40.0円増配に上方修正し、年間234円(同73.9%)を予定している。継続事業の利益ベースの配当性向は74.9%となる見込みである。自己株式の取得については、各年度の財務状況や資金需要を踏まえて実施の是非を検討する方針であるが、安定的な配当の増加を株主還元の主軸に据えている。
株価水準を見ると、PBRは約2.5倍、配当利回りは4.0%を超える水準で推移している。グローバルなFMCG(※)企業をベンチマークとした明確な還元方針を打ち出しており、還元姿勢は積極的である。
(※)Fast-Moving Consumer Goodsの略で、日用品、消費財、食品・飲料を展開する企業のこと。
<NH>
たばこ市場は、従来型の燃焼性紙巻きたばこ(Combustibles)の需要は縮小傾向にある一方、健康リスクを低減する可能性のある製品(RRP)のうち、特に加熱式たばこ(HTS)への移行が進んでいる。日本市場では、HTSのシェアが40%を超える水準まで拡大しており、同社でも次世代の利益成長の柱と位置づけ、積極的な投資を行っている。日本市場において2025年5月に、HTSの新商品「Ploom AURA(プルーム・オーラ)」を展開し、キャッチアップを図っている。世界のたばこ総需要は、2035年までに年平均1%程度減少する一方、各社の価格戦略等により売上ベースで年平均3%程度の成長を見込んでいる。
加工食品事業には1998年に参入し、自律的な成長に加えてM&Aや資本提携により規模を拡大してきた。売上構成比は5%程度にとどまるものの、売上規模は1,500億円超と一定の存在感を有する。「テーブルマーク」ブランドを中心に、冷凍うどん、パックごはん、冷凍お好み焼きなどの冷食・常温食品事業を展開している。なお、売上の約3%占めていた医薬事業は、2025年12月に塩野義製薬<4507>へ譲渡した。
2024年12月期は、売上収益3,149,759百万円(前期比10.9%増)、営業利益323,461百万円(同51.9%減)、親会社の所有者に帰属する当期利益179,240百万円(同62.8%減)であった。売上収益は、たばこ事業における総販売数量の増加及びプライシング効果に加え、加工食品事業の成長も寄与し、過去最高を更新した。利益面では、カナダにおける訴訟の和解に伴い訴訟損失引当金375,636百万円を一括計上したことから、営業利益以下は減益となった。
2025年12月期第3四半期は、売上収益2,634,028百万円(前年同期比13.2%増)、営業利益762,935百万円(同20.8%増)、親会社の所有者に帰属する四半期利益511,749百万円(同15.7%増)であった。売上収益は、たばこ事業のオーガニックな成長に加えて、Vector Group(VGR)の買収効果が寄与し、2ケタ成長を達成した。利益面では、同買収に伴う無形固定資産の償却費の増加があったものの、フィリピン、ロシア、英国などにおけるプライシング効果により増益を確保した。加工食品事業についても、価格改定施策の遂行により原材料費高騰の影響を吸収し、収益水準を維持した。
2025年12月期通期では、売上収益3,456,000百万円(前期比13.1%増)、営業利益845,000百万円(同168.9%増)、親会社の所有者に帰属する当期利益562,000百万円(同213.5%増)を予想している。売上収益は、たばこ事業における販売数量の堅調な推移とプライシング効果の継続を背景に、上方修正された。利益面では、前期に計上した訴訟関連損失の反動で大幅な増益を見込み、各利益段階で過去最高を更新する見通しである。加えて、対主要通貨での円安進行も、プラスに影響するとしている。
2025年からスタートした3ヶ年の中期経営計画では、為替影響を除いた調整後営業利益について、年平均で「High single digit(1ケタ後半)成長」を目標として掲げている。持続的な利益成長に向け、HTSへの経営資源の最優先投入を基本方針とする。2028年末までに日本やイタリアなどの主要市場において、HTSカテゴリ内シェアを10%台半ばまで引き上げるとともに、RRPビジネスの黒字化を目指す。また、VGRの統合を通じて、収益性の高い米国市場でのプレゼンスを高め、通貨構成のバランス最適化も図る方針である。
株主還元については、中長期の利益成長に応じた還元の向上を目指し、配当性向75.0%を目安に、プラスマイナス5%程度の範囲で判断することを基本方針としている。2024年12月期の年間配当金は194.0円(配当性向192.2%)を実施したが、訴訟関連損失引当の影響を除いた場合の配当性向は74.3%だった。2025年12月期は前期比40.0円増配に上方修正し、年間234円(同73.9%)を予定している。継続事業の利益ベースの配当性向は74.9%となる見込みである。自己株式の取得については、各年度の財務状況や資金需要を踏まえて実施の是非を検討する方針であるが、安定的な配当の増加を株主還元の主軸に据えている。
株価水準を見ると、PBRは約2.5倍、配当利回りは4.0%を超える水準で推移している。グローバルなFMCG(※)企業をベンチマークとした明確な還元方針を打ち出しており、還元姿勢は積極的である。
(※)Fast-Moving Consumer Goodsの略で、日用品、消費財、食品・飲料を展開する企業のこと。
<NH>
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