注目トピックス 市況・概況
国内株式市場見通し:金融政策決定会合を受けた2026年の日銀の利上げペースを探る動きが中心に
配信日時:2025/12/13 14:18
配信元:FISCO
*14:18JST 国内株式市場見通し:金融政策決定会合を受けた2026年の日銀の利上げペースを探る動きが中心に
■日経平均は小幅続伸、米FOMC後に出尽くし感強まらず
今週の日経平均は週間で344.68円高(+0.7%)の50836.55円で取引を終了。週を通して方向感に欠ける展開となっている。米連邦公開市場委員会(FOMC)、さらには週末のメジャーSQを控えて週前半は小動きに終始。10日に開催されたFOMCでは、市場想定通りに0.25%の利下げ実施が決定されたほか、パウエル連邦準備制度理事会(FRB)議長会見も、思ったほどタカ派よりではないとの見方が広がった。
米国株高を受けて11日の東京市場も買い先行となったが、決算を発表した米オラクルの株価が時間外取引で下落したため、同日のその後は日本株にも売りが優勢の状況となった。ただ、週末は幅広い銘柄に買いが先行。FOMC後の米国株の出尽くし売り懸念が後退したことで、安心感も広がったもよう。
なお、12月第1週の投資主体別売買動向によると、外国人投資家は現物を489億円買い越したほか、先物は3405億円買い越し、合計3894億円の買い越しとなった。4週連続の買い越しとなっている。個人投資家も現物を1635億円買い越すなど、合計で1759億円の買い越しだった。一方、信託が8008億円の売り越し、生・損保も1312億円の売り越しだった。
■日銀金融政策決定会合で26年の利上げペースを探る流れに
今週末の米国株式市場は下落。ダウ平均は前日比245.96ドル安の48458.05ドル、ナスダックは同398.69ポイント安の23195.17で取引を終了した。225ナイト・セッションは日中終値比760円安の50000円。好決算を発表したブロードコムが急落し、他のAI・半導体関連株にも売りが波及、ハイテク主導での下落となった。SOX指数は5%超の下落となっている。
来週は18日から19日にかけて開催される日銀金融政策決定会合が最注目イベントとなろう。12月1日に行われた植田総裁の講演では、「利上げの是非について、適切に判断したい」との発言があり、12月の利上げ実施を市場では一気に織り込む形になっている。0.25%の追加利上げ実施は確実視される一方、今回は2026年の利上げペースを探る動きが焦点となってきそうだ。植田総裁は講演後の会見で、中立金利について「もう少しはっきりと明示させていただければと思います」と述べており、これまで「1.0%から2.5%」としているレンジ水準の下限が切り上げられる可能性もある。この場合、現在1回程度の2026年利上げ回数見通しが引きあがることにつながり、株式市場にとってネガティブな流れとなろう。とりわけ、日銀会合前の週前半は、様子見ムードが強まる展開となりそうだ。
今週のFOMC直後も、米国株式市場で出尽くし感は広がっていない。ただ、ドットチャートは9月FOMCで公表されたものから変化はなく、当面は利下げの停止が見込まれる状況にはなっている。ここまで利下げ期待が米国株高を支えていたとみられることから、今後の反動安リスクには依然として警戒を保っておきたい。また、今週のオラクルの決算発表後の株価の動きからは、AI関連株に対する過熱警戒感があらためて強まった印象。AI需要の押し上げによる好決算を11日に発表したブロードコムも週末は急落する展開となっており、国内の半導体・AI関連株の上値追いは手控えられそうな雰囲気にある。
■日中対立激化や節税対策売りなどにも注意
今週発表された一部小売企業の月次動向などからは、足下の日中対立激化の影響は感じられていない。ただ、11日には中国が、青森県沖で発生した地震を踏まえて、あらためて日本への渡航自粛を呼び掛けている。少なくとも、訪日中国人観光客の減少によるインバウンド需要への影響は来年初めにかけて強まる可能性があるだろう。
来週は日銀のみならず、欧州中央銀行(ECB)でも政策決定会合が開催される。こちらは無風の公算が大きいが、新たに2028年の経済見通しが示されることから、利上げのタイミングが早まるとの意識につながる可能性はあろう。あわせて、ドイツの複数の景況感指数なども注目される。
需給面では、年末にかけての節税対策売りに注意が必要となる。足下で株価の調整が続いているような銘柄には、押し目買いも入りにくくなるだろう。
■18-19日にかけて日銀金融政策決定会合が開催
来週、国内では、15日に12月日銀短観、10月第3次産業活動指数、16日に12月S&Pグローバル製造業PMI、17日に11月貿易統計、10月機械受注、11月訪日外客数、19日に11月消費者物価などが公表される。なお、18日から19日にかけて日銀金融政策決定会合が開催され、19日には植田日銀総裁の会見が行われる。
海外では、15日に中・11月小売売上高、11月鉱工業生産、11月都市部固定資産投資、欧・10月ユーロ圏鉱工業生産、米・12月NY連銀製造業景気指数、12月住宅市場指数、16日に欧・12月ユーロ圏製造業・サービス業PMI、独・12月ZEW景況感指数、米・11月雇用統計、10月小売売上高、12月NY連銀ビジネスリーダーズサーベイ、12月S&Pグローバル製造業・サービス業PMI、17日に独・12月Ifo景況感指数、18日に米・11月消費者物価、12月フィラデルフィア連銀製造業景気指数、10月対米証券投資、新規失業保険申請件数、19日に米・11月中古住宅販売件数などが発表予定。なお、欧州では17日から18日にかけてECB理事会が開催され、18日には英国で金融政策委員会が開催される。
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今週の日経平均は週間で344.68円高(+0.7%)の50836.55円で取引を終了。週を通して方向感に欠ける展開となっている。米連邦公開市場委員会(FOMC)、さらには週末のメジャーSQを控えて週前半は小動きに終始。10日に開催されたFOMCでは、市場想定通りに0.25%の利下げ実施が決定されたほか、パウエル連邦準備制度理事会(FRB)議長会見も、思ったほどタカ派よりではないとの見方が広がった。
米国株高を受けて11日の東京市場も買い先行となったが、決算を発表した米オラクルの株価が時間外取引で下落したため、同日のその後は日本株にも売りが優勢の状況となった。ただ、週末は幅広い銘柄に買いが先行。FOMC後の米国株の出尽くし売り懸念が後退したことで、安心感も広がったもよう。
なお、12月第1週の投資主体別売買動向によると、外国人投資家は現物を489億円買い越したほか、先物は3405億円買い越し、合計3894億円の買い越しとなった。4週連続の買い越しとなっている。個人投資家も現物を1635億円買い越すなど、合計で1759億円の買い越しだった。一方、信託が8008億円の売り越し、生・損保も1312億円の売り越しだった。
■日銀金融政策決定会合で26年の利上げペースを探る流れに
今週末の米国株式市場は下落。ダウ平均は前日比245.96ドル安の48458.05ドル、ナスダックは同398.69ポイント安の23195.17で取引を終了した。225ナイト・セッションは日中終値比760円安の50000円。好決算を発表したブロードコムが急落し、他のAI・半導体関連株にも売りが波及、ハイテク主導での下落となった。SOX指数は5%超の下落となっている。
来週は18日から19日にかけて開催される日銀金融政策決定会合が最注目イベントとなろう。12月1日に行われた植田総裁の講演では、「利上げの是非について、適切に判断したい」との発言があり、12月の利上げ実施を市場では一気に織り込む形になっている。0.25%の追加利上げ実施は確実視される一方、今回は2026年の利上げペースを探る動きが焦点となってきそうだ。植田総裁は講演後の会見で、中立金利について「もう少しはっきりと明示させていただければと思います」と述べており、これまで「1.0%から2.5%」としているレンジ水準の下限が切り上げられる可能性もある。この場合、現在1回程度の2026年利上げ回数見通しが引きあがることにつながり、株式市場にとってネガティブな流れとなろう。とりわけ、日銀会合前の週前半は、様子見ムードが強まる展開となりそうだ。
今週のFOMC直後も、米国株式市場で出尽くし感は広がっていない。ただ、ドットチャートは9月FOMCで公表されたものから変化はなく、当面は利下げの停止が見込まれる状況にはなっている。ここまで利下げ期待が米国株高を支えていたとみられることから、今後の反動安リスクには依然として警戒を保っておきたい。また、今週のオラクルの決算発表後の株価の動きからは、AI関連株に対する過熱警戒感があらためて強まった印象。AI需要の押し上げによる好決算を11日に発表したブロードコムも週末は急落する展開となっており、国内の半導体・AI関連株の上値追いは手控えられそうな雰囲気にある。
■日中対立激化や節税対策売りなどにも注意
今週発表された一部小売企業の月次動向などからは、足下の日中対立激化の影響は感じられていない。ただ、11日には中国が、青森県沖で発生した地震を踏まえて、あらためて日本への渡航自粛を呼び掛けている。少なくとも、訪日中国人観光客の減少によるインバウンド需要への影響は来年初めにかけて強まる可能性があるだろう。
来週は日銀のみならず、欧州中央銀行(ECB)でも政策決定会合が開催される。こちらは無風の公算が大きいが、新たに2028年の経済見通しが示されることから、利上げのタイミングが早まるとの意識につながる可能性はあろう。あわせて、ドイツの複数の景況感指数なども注目される。
需給面では、年末にかけての節税対策売りに注意が必要となる。足下で株価の調整が続いているような銘柄には、押し目買いも入りにくくなるだろう。
■18-19日にかけて日銀金融政策決定会合が開催
来週、国内では、15日に12月日銀短観、10月第3次産業活動指数、16日に12月S&Pグローバル製造業PMI、17日に11月貿易統計、10月機械受注、11月訪日外客数、19日に11月消費者物価などが公表される。なお、18日から19日にかけて日銀金融政策決定会合が開催され、19日には植田日銀総裁の会見が行われる。
海外では、15日に中・11月小売売上高、11月鉱工業生産、11月都市部固定資産投資、欧・10月ユーロ圏鉱工業生産、米・12月NY連銀製造業景気指数、12月住宅市場指数、16日に欧・12月ユーロ圏製造業・サービス業PMI、独・12月ZEW景況感指数、米・11月雇用統計、10月小売売上高、12月NY連銀ビジネスリーダーズサーベイ、12月S&Pグローバル製造業・サービス業PMI、17日に独・12月Ifo景況感指数、18日に米・11月消費者物価、12月フィラデルフィア連銀製造業景気指数、10月対米証券投資、新規失業保険申請件数、19日に米・11月中古住宅販売件数などが発表予定。なお、欧州では17日から18日にかけてECB理事会が開催され、18日には英国で金融政策委員会が開催される。
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