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ハークスレイ Research Memo(7):2026年3月期は営業利益19億円予想。中間期進捗率約55%で上振れ期待
配信日時:2025/12/12 11:07
配信元:FISCO
*11:07JST ハークスレイ Research Memo(7):2026年3月期は営業利益19億円予想。中間期進捗率約55%で上振れ期待
■ハークスレイ<7561>の今後の見通し
2026年3月期は、期初予想を据え置き、売上高は前期比16.7%増の52,700百万円、営業利益が同1.6%減の1,900百万円、経常利益が同23.2%減の1,600百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同17.0%減の1,000百万円を見込んでいる。
引き続き物流・食品加工事業が成長をけん引する見込みである。ホソヤコーポレーションの年間を通じた売上及び利益の連結がプラス要因となる一方で、のれん償却、菓子原料のコスト上昇なども見込む。店舗アセット&ソリューション事業では、不動産管理テナント数を増加させるなどさらなるストック収入増を見込む。なお、期初予想では、不動産売却の売上高及び利益は織り込まなかったが、第2四半期に売却が成立したため予想が上振れる公算が高くなった。中食事業は、2025年3月期の下半期以降は黒字転換しており、カスタマイズ弁当のエリア拡大や万博でも注目されたワンハンドBENTOなど好材料もあり好調を維持する見込みである。
営業利益の中間期進捗率は54.6%(前期は42.0%)と通期目標に対して順調に推移している。3事業ともにオーガニックな成長力・収益力が向上しているため、弊社は通期予想の達成の可能性は高いと見ている。
■成長戦略
売上高・利益の成長性の高さに注目。3期後の当期純利益目標は25億円
1. 近年の売上高・利益の成長性の高さに注目
同社は、過去5年間(2022年3月期中間期〜2026年3月期中間期)の年平均成長率が売上高で16.3%、営業利益で34.1%、EBITDAで38.0%と高い成長を持続してきた。日本経済新聞(2025年9月4日)によると、成長力の高い中小型株として、2025年4〜6月期と3期前の同期間との売上高の増収率で順位11位にランクインした。売上高の増収のドライバーとしては、M&Aの効果が大きく、ホソヤコーポレーション(2024年12月)の連結子会社化が大きく寄与した。また、内部成長においても、物流・食品加工事業のカミッサリー部門が、小売業の人手不足問題を背景にOEM受託を増やした。利益面に関しては、店舗アセット&ソリューション事業の利益貢献と安定成長が顕著である。稼働店舗数(店舗リース、不動産管理)は3年前の900店舗(2022年9月末)から1,021店(2025年9月末)に着実に増やし、ストック型の利益成長を実現している。また、所有不動産の稼働建物棟数は17棟となっており、適切なタイミングで売却することでフロー型の利益が得られている。また、中食事業及び物流・食品加工事業では主に外部環境の影響により収益力が低下した時期もあったが、大胆な経営改革・改善により収益力を早期に回復させており、その手腕は高く評価できる。
2. 中期経営目標の概要
同社は、2025年3月期~2028年3月期の4ヶ年の中期経営目標に向けて取り組んでいる。これまで以上に積極的な成長投資を実行することで事業領域を拡大し、事業の成長と収益拡大により企業価値を高めて持続的成長を目指す。成長投資は、物流・食品加工事業を中心に178億円(M&A120億円、設備投資58億円)規模の投資を見込んでおり、食品製造、冷凍食品製造、菓子製造、農産物・水産物・畜産物の生産や加工業などの新領域のM&Aにも挑戦する。経営目標は、2028年3月期にROE8.3%(2024年3月期比1.4ポイント上昇)、年間配当金35.0円、DOE2.1%、売上高720億円(同54.1%増)、EBITDA56億円(同47.4%増)、親会社株主に帰属する当期純利益25億円(同56.3%増)としている。業績の拡大とともに株主還元の充実を目指す内容となっている。初年度の2025年3月期は、ホソヤコーポレーションの連結子会社化を完了し、物流・食品加工事業は同社最大の売上セグメントとなった。
3. 中食事業:Z世代を対象にしたカスタマイズ弁当が好調。SNS戦略でブランド価値向上
「ほっかほっか亭」では、Z世代の顧客獲得や顧客満足を目的に、メニュー開発やSNS活用などを行っており、その成果が現れてきた。同社が産学連携で行ったワークショップでは、“自分だけのオリジナル弁当があればいいのに”という声があった。これを形にしたのが「カスタマイズ弁当」である。モバイルオーダー限定で、自分の“好き”を詰め込んだお弁当をオーダーできるこの取り組みは、2025年5月に近畿エリアの一部店舗で開始され、6月から西日本、9月からは東日本エリアに拡大している。つくる楽しみや、調整できる使い勝手などが好評だという。また、同社にとっても、客単価の向上につながるメリットがある。
同社では、Z世代向けにSNS戦略も強化している。ほっかほっか亭SNS運用チームは、戦略的なSNS活用でX(旧Twitter)の表示回数を飛躍的に伸ばし、テレビ・雑誌にも取り上げられるなど大きな成果を挙げている。今後もSNS戦略に注力し、さらなるブランド価値向上による売上・利益の増加を図っていく。
4. 店舗アセット&ソリューション事業:2026年夏「TRUNK大森」が竣工予定。人材ソリューション事業が好調
同社のTRNグループは、用地仕入・企画・設計・施工・テナント誘致・管理まで一貫して行うデベロッパー機能を有しており、「TRUNK」ブランドで展開している。6棟目となる秋葉原の商業ビル「TRUNK秋葉原」(JR秋葉原駅徒歩5分)は、2025年8月グランドオープンした。いずれの所有物件も駅から徒歩圏内の立地にあり、商業上の価値が高い。自社物件であるため、相対的に高い賃料収入に加え、稼働率が向上した時点での売却により、高い売却益も期待できる。7棟目となる「TRUNK大森」はJR大森駅徒歩2分の好立地であり、2026年夏の竣工(予定)に向けて、地域ニーズに応じた飲食・物販・サービスのテナント誘致を推進中である。
人材採用ソリューション部門は、旺盛な需要を背景に好調に推移している。2025年6月には、転職サイト「ビズリーチ」が主催する、2024年度に活躍したヘッドハンターを表彰する「JAPAN HEADHUNTER AWARDS 2025」にて、TRN Grobal Careerのキャリアコンサルタント松林祐輝氏(現 取締役)が「コンサルティング部門MVP」を受賞した。
5. 物流・食品加工事業:ホソヤコーポレーションのポストM&Aが順調、大手小売業向けPB冷凍焼売を共同開発・全国販売へ
当中間期決算では、2024年12月にグループ化したホソヤコーポレーションの連結により売上高が増加(36億円)した。大手流通小売店のPB商品(チルド中華惣菜)を開発し、関西・中部・四国で2025年10月上旬から販売を開始している。全国の店舗への導入も目指している。このようなダイナミックな取り組みは、ハークスレイ傘下で協業することによる相乗効果と言える。ポストM&Aの経験とノウハウの蓄積は、同社の強みと言えるだろう。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田 秀夫)
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2026年3月期は、期初予想を据え置き、売上高は前期比16.7%増の52,700百万円、営業利益が同1.6%減の1,900百万円、経常利益が同23.2%減の1,600百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同17.0%減の1,000百万円を見込んでいる。
引き続き物流・食品加工事業が成長をけん引する見込みである。ホソヤコーポレーションの年間を通じた売上及び利益の連結がプラス要因となる一方で、のれん償却、菓子原料のコスト上昇なども見込む。店舗アセット&ソリューション事業では、不動産管理テナント数を増加させるなどさらなるストック収入増を見込む。なお、期初予想では、不動産売却の売上高及び利益は織り込まなかったが、第2四半期に売却が成立したため予想が上振れる公算が高くなった。中食事業は、2025年3月期の下半期以降は黒字転換しており、カスタマイズ弁当のエリア拡大や万博でも注目されたワンハンドBENTOなど好材料もあり好調を維持する見込みである。
営業利益の中間期進捗率は54.6%(前期は42.0%)と通期目標に対して順調に推移している。3事業ともにオーガニックな成長力・収益力が向上しているため、弊社は通期予想の達成の可能性は高いと見ている。
■成長戦略
売上高・利益の成長性の高さに注目。3期後の当期純利益目標は25億円
1. 近年の売上高・利益の成長性の高さに注目
同社は、過去5年間(2022年3月期中間期〜2026年3月期中間期)の年平均成長率が売上高で16.3%、営業利益で34.1%、EBITDAで38.0%と高い成長を持続してきた。日本経済新聞(2025年9月4日)によると、成長力の高い中小型株として、2025年4〜6月期と3期前の同期間との売上高の増収率で順位11位にランクインした。売上高の増収のドライバーとしては、M&Aの効果が大きく、ホソヤコーポレーション(2024年12月)の連結子会社化が大きく寄与した。また、内部成長においても、物流・食品加工事業のカミッサリー部門が、小売業の人手不足問題を背景にOEM受託を増やした。利益面に関しては、店舗アセット&ソリューション事業の利益貢献と安定成長が顕著である。稼働店舗数(店舗リース、不動産管理)は3年前の900店舗(2022年9月末)から1,021店(2025年9月末)に着実に増やし、ストック型の利益成長を実現している。また、所有不動産の稼働建物棟数は17棟となっており、適切なタイミングで売却することでフロー型の利益が得られている。また、中食事業及び物流・食品加工事業では主に外部環境の影響により収益力が低下した時期もあったが、大胆な経営改革・改善により収益力を早期に回復させており、その手腕は高く評価できる。
2. 中期経営目標の概要
同社は、2025年3月期~2028年3月期の4ヶ年の中期経営目標に向けて取り組んでいる。これまで以上に積極的な成長投資を実行することで事業領域を拡大し、事業の成長と収益拡大により企業価値を高めて持続的成長を目指す。成長投資は、物流・食品加工事業を中心に178億円(M&A120億円、設備投資58億円)規模の投資を見込んでおり、食品製造、冷凍食品製造、菓子製造、農産物・水産物・畜産物の生産や加工業などの新領域のM&Aにも挑戦する。経営目標は、2028年3月期にROE8.3%(2024年3月期比1.4ポイント上昇)、年間配当金35.0円、DOE2.1%、売上高720億円(同54.1%増)、EBITDA56億円(同47.4%増)、親会社株主に帰属する当期純利益25億円(同56.3%増)としている。業績の拡大とともに株主還元の充実を目指す内容となっている。初年度の2025年3月期は、ホソヤコーポレーションの連結子会社化を完了し、物流・食品加工事業は同社最大の売上セグメントとなった。
3. 中食事業:Z世代を対象にしたカスタマイズ弁当が好調。SNS戦略でブランド価値向上
「ほっかほっか亭」では、Z世代の顧客獲得や顧客満足を目的に、メニュー開発やSNS活用などを行っており、その成果が現れてきた。同社が産学連携で行ったワークショップでは、“自分だけのオリジナル弁当があればいいのに”という声があった。これを形にしたのが「カスタマイズ弁当」である。モバイルオーダー限定で、自分の“好き”を詰め込んだお弁当をオーダーできるこの取り組みは、2025年5月に近畿エリアの一部店舗で開始され、6月から西日本、9月からは東日本エリアに拡大している。つくる楽しみや、調整できる使い勝手などが好評だという。また、同社にとっても、客単価の向上につながるメリットがある。
同社では、Z世代向けにSNS戦略も強化している。ほっかほっか亭SNS運用チームは、戦略的なSNS活用でX(旧Twitter)の表示回数を飛躍的に伸ばし、テレビ・雑誌にも取り上げられるなど大きな成果を挙げている。今後もSNS戦略に注力し、さらなるブランド価値向上による売上・利益の増加を図っていく。
4. 店舗アセット&ソリューション事業:2026年夏「TRUNK大森」が竣工予定。人材ソリューション事業が好調
同社のTRNグループは、用地仕入・企画・設計・施工・テナント誘致・管理まで一貫して行うデベロッパー機能を有しており、「TRUNK」ブランドで展開している。6棟目となる秋葉原の商業ビル「TRUNK秋葉原」(JR秋葉原駅徒歩5分)は、2025年8月グランドオープンした。いずれの所有物件も駅から徒歩圏内の立地にあり、商業上の価値が高い。自社物件であるため、相対的に高い賃料収入に加え、稼働率が向上した時点での売却により、高い売却益も期待できる。7棟目となる「TRUNK大森」はJR大森駅徒歩2分の好立地であり、2026年夏の竣工(予定)に向けて、地域ニーズに応じた飲食・物販・サービスのテナント誘致を推進中である。
人材採用ソリューション部門は、旺盛な需要を背景に好調に推移している。2025年6月には、転職サイト「ビズリーチ」が主催する、2024年度に活躍したヘッドハンターを表彰する「JAPAN HEADHUNTER AWARDS 2025」にて、TRN Grobal Careerのキャリアコンサルタント松林祐輝氏(現 取締役)が「コンサルティング部門MVP」を受賞した。
5. 物流・食品加工事業:ホソヤコーポレーションのポストM&Aが順調、大手小売業向けPB冷凍焼売を共同開発・全国販売へ
当中間期決算では、2024年12月にグループ化したホソヤコーポレーションの連結により売上高が増加(36億円)した。大手流通小売店のPB商品(チルド中華惣菜)を開発し、関西・中部・四国で2025年10月上旬から販売を開始している。全国の店舗への導入も目指している。このようなダイナミックな取り組みは、ハークスレイ傘下で協業することによる相乗効果と言える。ポストM&Aの経験とノウハウの蓄積は、同社の強みと言えるだろう。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田 秀夫)
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