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Jトラスト Research Memo(3):日本金融事業及び韓国金融事業が連結業績をけん引
配信日時:2025/12/09 12:03
配信元:FISCO
*12:03JST Jトラスト Research Memo(3):日本金融事業及び韓国金融事業が連結業績をけん引
■Jトラスト<8508>の業績動向
2. 事業セグメント別動向
(1) 日本金融事業
主力事業である日本金融事業の営業収益は13,745百万円(前年同期比14.7%増)、営業利益は5,567百万円(同12.5%増)であり、営業利益は計画比6億円の上振れとなった。(株)日本保証における債務保証残高は、2025年9月末には2,794億円へ増加し、2025年12月末計画の2,714億円を既に達成している。
アパートローン・海外不動産担保ローン・有価証券担保ローンの保証が好調で、保証残高は順調に増加している。2025年10月には、第一地銀では初となる山陰合同銀行<8381>と不動産購入ローンに関する包括保証契約を締結した。サービサー(債権回収)事業では、パルティール債権回収(株)の請求債権残高は2025年9月末には10,906億円へと増加し、債権買取、回収は順調だ。債権回収事業においては、多様な債権回収事業会社出身者のノウハウを結集した国内トップクラスの回収力があり、保証業務と並び日本金融事業の利益の柱となっている。また、Nexus Card(株)では割賦事業の好調により、2025年9月末の割賦売掛金残高は242億円で、2025年12月末計画の235億円を達成した。Jトラストグローバル証券(株)(旧 エイチ・エス証券(株))では、好調な株式市場の影響もあり、預かり資産は2025年9月末には4,754億円に達し、2025年12月末には5,000億円を目指し手数料収益の増加を計画している。2025年10月より、欧州株の新規取り扱いを業界最低水準の国内委託手数料で開始した。
(2) 韓国金融事業
営業収益は33,009百万円(前年同期比4.1%減)、営業利益は1,595百万円(前年同期は141百万円の損失)となった。営業収益は、貯蓄銀行業において為替が円高に振れたことで、円換算後の貸出金利息収入が減少したことなどにより減収となった。営業利益は、為替の影響による円換算後の預金利息費用の減少や、NPL債権(不良債権)の売却により債権の健全性が改善したことなどにより増益となった。計画よりも前倒しで黒字転換を果たし、計画比11億円の上振れとなっている。
JT親愛貯蓄銀行(株)の貸出残高は2025年9月末には2,423億円となった。前年9月末で底を打ち、安定的に増加している。貸倒引当金を控除したネット不良債権比率は2.21%と低位であった。また、JT貯蓄銀行(株)の貸出残高も2025年9月末には2,059億円と、2025年6月末以降は小幅増加している。債権の質の良化を重視し、貸出残高をコントロールしており、ネット不良債権比率は3.55%であった。JT貯蓄銀行ではネット不良債権比率は高いものの、大半が担保で保全されている。
(3) 東南アジア金融事業
営業収益は34,640百万円(前年同期比2.6%減)、営業利益は1,055百万円(同54.3%減)となった。営業収益は、貸出金の減少と為替の影響で円換算後の貸出金利息収入が減少したことにより、減収となった。営業利益は、貸倒関連費用の増加等により大幅減益となり、計画を10億円下回った。現状は調整局面にあるが、不良債権の回収を進めることで徐々に改善する見通しだ。
Jトラスト銀行インドネシア(PT Bank JTrust Indonesia Tbk.)では、2025年9月末の貸出残高は2,436億円で、ネット不良債権比率は1.81%の低位で推移している。自己資本比率を踏まえて、貸出残高及びポートフォリオの中身をコントロールしている。2025年12月期から2027年12月期までの3期で、毎期30億円増資する計画だが、2025年12月期の増資については約20億円を見込んでおり、資本増強により収益確保を図る。増資は業績予想には織り込んでいないことから、増資が実現すれば、業績の上振れ要因となる。一方、当局の指示により、これまでより厳しい基準で貸倒引当金の積み増しを実施している。また、米国関税の影響により輸出企業の一部が苦戦しており、こうした規制や経済環境は当面、収益圧迫要因となりそうだ。
カンボジアのJトラストロイヤル銀行(J Trust Royal Bank Plc.)では、2026年度から導入予定であるカンボジア中央銀行による自己資本比率規制の遵守体制を見据え、貸出残高とポートフォリオの中身を調整している。2025年9月末の貸出残高は1,508億円と小幅に減少しているが、ネット不良債権比率は0.62%の低位である。経済停滞に伴い不良債権の回収が遅れているが、回収強化を図る。カンボジアでも、規制や経済停滞の影響は徐々に落ち着くと見られる。
(4) 不動産事業
不動産事業については、主にJグランド(株)、(株)グローベルス及び(株)ライブレントが行っている。米国ハワイ州のProspect Asset Managementについては、2025年12月期中間期に解散し、非継続事業に分類した。同事業では、販売予定であった物件の建築確認に時間を要し、売却が後倒しになったことから、営業収益は10,552百万円(前年同期比28.2%減)、営業利益は189百万円(同71.9%減)となった。
(5) 投資事業
投資事業については、主にJトラストアジア(JTRUST ASIA PTE.LTD.)が行っている。営業収益は145百万円(前年同期は5百万円)、営業損失は570百万円(前年同期は1,221百万円の損失)となった。Group Lease Public Company Limited(以下、Group Lease PCL)に関わる訴訟の判決により同社からの回収金を計上したことや、訴訟費用の圧縮などから損失額が減少した。同社では当該金銭債権に対して既に全額貸倒引当金を計上しており、将来の回収金はその他収益に計上される。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 国重 希)
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2. 事業セグメント別動向
(1) 日本金融事業
主力事業である日本金融事業の営業収益は13,745百万円(前年同期比14.7%増)、営業利益は5,567百万円(同12.5%増)であり、営業利益は計画比6億円の上振れとなった。(株)日本保証における債務保証残高は、2025年9月末には2,794億円へ増加し、2025年12月末計画の2,714億円を既に達成している。
アパートローン・海外不動産担保ローン・有価証券担保ローンの保証が好調で、保証残高は順調に増加している。2025年10月には、第一地銀では初となる山陰合同銀行<8381>と不動産購入ローンに関する包括保証契約を締結した。サービサー(債権回収)事業では、パルティール債権回収(株)の請求債権残高は2025年9月末には10,906億円へと増加し、債権買取、回収は順調だ。債権回収事業においては、多様な債権回収事業会社出身者のノウハウを結集した国内トップクラスの回収力があり、保証業務と並び日本金融事業の利益の柱となっている。また、Nexus Card(株)では割賦事業の好調により、2025年9月末の割賦売掛金残高は242億円で、2025年12月末計画の235億円を達成した。Jトラストグローバル証券(株)(旧 エイチ・エス証券(株))では、好調な株式市場の影響もあり、預かり資産は2025年9月末には4,754億円に達し、2025年12月末には5,000億円を目指し手数料収益の増加を計画している。2025年10月より、欧州株の新規取り扱いを業界最低水準の国内委託手数料で開始した。
(2) 韓国金融事業
営業収益は33,009百万円(前年同期比4.1%減)、営業利益は1,595百万円(前年同期は141百万円の損失)となった。営業収益は、貯蓄銀行業において為替が円高に振れたことで、円換算後の貸出金利息収入が減少したことなどにより減収となった。営業利益は、為替の影響による円換算後の預金利息費用の減少や、NPL債権(不良債権)の売却により債権の健全性が改善したことなどにより増益となった。計画よりも前倒しで黒字転換を果たし、計画比11億円の上振れとなっている。
JT親愛貯蓄銀行(株)の貸出残高は2025年9月末には2,423億円となった。前年9月末で底を打ち、安定的に増加している。貸倒引当金を控除したネット不良債権比率は2.21%と低位であった。また、JT貯蓄銀行(株)の貸出残高も2025年9月末には2,059億円と、2025年6月末以降は小幅増加している。債権の質の良化を重視し、貸出残高をコントロールしており、ネット不良債権比率は3.55%であった。JT貯蓄銀行ではネット不良債権比率は高いものの、大半が担保で保全されている。
(3) 東南アジア金融事業
営業収益は34,640百万円(前年同期比2.6%減)、営業利益は1,055百万円(同54.3%減)となった。営業収益は、貸出金の減少と為替の影響で円換算後の貸出金利息収入が減少したことにより、減収となった。営業利益は、貸倒関連費用の増加等により大幅減益となり、計画を10億円下回った。現状は調整局面にあるが、不良債権の回収を進めることで徐々に改善する見通しだ。
Jトラスト銀行インドネシア(PT Bank JTrust Indonesia Tbk.)では、2025年9月末の貸出残高は2,436億円で、ネット不良債権比率は1.81%の低位で推移している。自己資本比率を踏まえて、貸出残高及びポートフォリオの中身をコントロールしている。2025年12月期から2027年12月期までの3期で、毎期30億円増資する計画だが、2025年12月期の増資については約20億円を見込んでおり、資本増強により収益確保を図る。増資は業績予想には織り込んでいないことから、増資が実現すれば、業績の上振れ要因となる。一方、当局の指示により、これまでより厳しい基準で貸倒引当金の積み増しを実施している。また、米国関税の影響により輸出企業の一部が苦戦しており、こうした規制や経済環境は当面、収益圧迫要因となりそうだ。
カンボジアのJトラストロイヤル銀行(J Trust Royal Bank Plc.)では、2026年度から導入予定であるカンボジア中央銀行による自己資本比率規制の遵守体制を見据え、貸出残高とポートフォリオの中身を調整している。2025年9月末の貸出残高は1,508億円と小幅に減少しているが、ネット不良債権比率は0.62%の低位である。経済停滞に伴い不良債権の回収が遅れているが、回収強化を図る。カンボジアでも、規制や経済停滞の影響は徐々に落ち着くと見られる。
(4) 不動産事業
不動産事業については、主にJグランド(株)、(株)グローベルス及び(株)ライブレントが行っている。米国ハワイ州のProspect Asset Managementについては、2025年12月期中間期に解散し、非継続事業に分類した。同事業では、販売予定であった物件の建築確認に時間を要し、売却が後倒しになったことから、営業収益は10,552百万円(前年同期比28.2%減)、営業利益は189百万円(同71.9%減)となった。
(5) 投資事業
投資事業については、主にJトラストアジア(JTRUST ASIA PTE.LTD.)が行っている。営業収益は145百万円(前年同期は5百万円)、営業損失は570百万円(前年同期は1,221百万円の損失)となった。Group Lease Public Company Limited(以下、Group Lease PCL)に関わる訴訟の判決により同社からの回収金を計上したことや、訴訟費用の圧縮などから損失額が減少した。同社では当該金銭債権に対して既に全額貸倒引当金を計上しており、将来の回収金はその他収益に計上される。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 国重 希)
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