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明日の株式相場に向けて=SQ週に防衛関連株がスクランブル発進
配信日時:2025/12/08 17:30
配信元:MINKABU
週明け8日の東京株式市場は、日経平均株価が前営業日比90円高の5万0581円と反発。前週末の米株高を引き継ぎ、朝方こそ高く始まったが、それも一瞬で値を消しマイナス圏に沈んだ。5分足でみれば最初の一本目で特大陰線を引いており、先物を絡めた揺さぶりの激しさを物語る。ファンダメンタルズから離れたいろいろな力が働いていることを暗示しているが、その後はバランスを取り戻した。なお、TOPIXは朝方に乱れたが、その後は漸次上値指向を強め、結局ほぼ高値引けとなった。
前週後半に3営業日で3600円あまり水準を切り上げたソフトバンクグループ<9984.T>が、足もとで利食われ日経平均を押し下げる側に回ったが、それでも日経平均は小幅ながらプラス圏で引けた。実態はそれだけ強気に傾いた地合いといえなくもない。今週末のメジャーSQ算出に向け、今週は荒れ模様となることも予想されるのだが、「日経平均はボラティリティの高まっているソフトバンクGなどの株価を振り回せば上下いずれかに誘導することが可能で、大口が結託というと表現は悪いがやや恣意的に動かせる面は否定できない」(中堅証券ストラテジスト)という声もある。とすると、やはり明後日10日までの日程で行われるFOMCがイベントドリブンとして注目される。
今回のFOMCでFRBが3会合連続で25ベーシスの利下げに動くことはほぼ確実視されているが、マーケットはここまでは完全に織り込んでいるものの、問題は来年以降の見通し、いわゆるガイダンスに焦点が絞られる。パウエルFRB議長の記者会見では、データ重視の姿勢を貫くなか、そのデータが足もとまともに開示されていない以上、ハト派ともタカ派ともいえないような曖昧な発言にとどめるよりなく、少なくとも今回で利下げ期待は一巡する公算が大きい。FOMCメンバーによるドットチャートについても同様のことが言える。とすると、株式市場からの目線では出尽くし的なムードとなる可能性は当然考えられるところである。
しかし、「米国での政策金利のターミナルレートは今のところ3.0%近傍がコンセンサス」(生保系エコノミスト)とみられ、言い換えると今週のFOMCで利下げを実施したとして3.5~3.75%になるため、来年は年間で1回、再来年も1回(この時点で3.0%が下限)というのがコンセンサスとして横たわっている。ここからの過度な利下げ期待は生じていないという見方もできるため、その分波乱要素には乏しい。あとは来年5月で任期が終了するパウエル議長の後任に有力視されているケビン・ハセット国家経済会議(NEC)委員長の存在。トランプ大統領の腹心ともいわれ、緩和的な金融環境が維持されるとの思惑がターミナルレート低下につながりそうで、どの程度マーケットに楽観をもたらすかがカギを握ることになりそうだ。
片や国内では来週末19日に判明する日銀金融政策決定会合の結果がどうなるかだが、利上げに動く可能性が濃厚というのが今の見方で、マーケットも概ね織り込んでいる。そうしたなか、国内新発10年債利回りは急ピッチの上昇が続いており、きょうは1.965%まで上昇、18年半ぶりの高い水準となった。これは、日銀の利上げが単発では終わらないことを示唆している。「来年は(利上げについて)しばらくお預けということにはなりそうもない」(中堅証券ストラテジスト)という見方が強い。しかし、売り崩したい向きが手ぐすねを引いている状況も透けて見える。足もとの金利動向を横にらみに、きょうの株価が寄り後に崩れず、頑強さを保ったのはショート筋にとっては気持ちの悪いところかもしれない。
個別株は防衛関連株に順番が回ってきた。6日には中国軍の戦闘機が自衛隊の戦闘機にレーダー照射するなどで、日中関係の緊張が続いている。加えて、ヘグセス米国防長官が同日の演説で、日本などの同盟国に国防費をGDP比5%まで引き上げる目標を導入するよう改めて求めたことも伝わり、三菱重工業<7011.T>を中心に物色の矛先が向いた。この日は東京計器<7721.T>、日本アビオニクス<6946.T>なども大幅高に買われたが、このほかマークしておきたい銘柄としてIMV<7760.T>、石川製作所<6208.T>、日本ギア工業<6356.T>、カーリット<4275.T>、理経<8226.T>などに目を向けてみたい。
あすのスケジュールでは、11月のマネーストックが朝方取引開始前に日銀から開示されるほか、前場取引時間中に6カ月物国庫短期証券の入札と5年物国債の入札が行われる。また、後場取引終盤(午後3時)に11月の工作機械受注が発表される予定で、市場の関心が向かいそうだ。なお、この日の夕刻には植田和男日銀総裁が英フィナンシャル・タイムズのイベントで登壇する見通しで、ここでの発言内容にもマーケットの耳目が集まる。海外では豪中銀が政策金利を発表するほか、米国では9、10月の雇用動態調査(JOLTS)に注目度が高い。また、翌10日までの日程でFOMCが開催される。米10年物国債の入札も予定されている。(銀)
出所:MINKABU PRESS
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