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CRI・MW Research Memo(5):欧米ゲーム市場開拓加速、モビリティ分野はインドでの新たな市場開拓に期待
配信日時:2025/12/05 12:05
配信元:FISCO
*12:05JST CRI・MW Research Memo(5):欧米ゲーム市場開拓加速、モビリティ分野はインドでの新たな市場開拓に期待
■CRI・ミドルウェア<3698>の業績動向
3. トピックス
2025年9月期のトピックスは、ゲーム事業で欧米市場の開拓加速及び「CRI LipSync」の次世代バージョンの開発、エンタープライズ事業ではインドの二輪車市場への展開及びSDV体験のシミュレーション環境「MESH」開発への参画が挙げられる。
ゲーム事業では、同社を高く評価するドイツのDICOと、欧州及び米国向けの販売代理店契約を締結した。DICOはゲーム開発のほか、世界中のゲーム会社に対して開発支援やローカライズ、品質保証、パブリッシング支援など多岐にわたるサービスを提供しているため、DICOの持つ幅広いネットワークを利用して「CRIWARE」の導入を進められる。今後さらに、他の販売代理店との契約も検討するようだ。また、同社は東京ゲームショウ(2025年9月25日~26日)にて「CRI LipSync」次世代バージョンのデモなどを行った。解析精度の圧倒的向上や子音対応などを施した新しいリップシンク技術で、異言語にも対応できるため、今後、ゲームのみならず様々な場面で使われることが想定される。
エンタープライズ事業のモビリティ分野では、新市場となるインドでの「CRI Glassco」展開を目指し、萩原電気ホールディングス<7467>の子会社である萩原エレクトロニクス(株)のインド海外子会社とサポート体制の構築を進める。「CRI Glassco」はノーコード開発で開発コストが削減できるため、インドでの普及・拡大が期待されている。また、名古屋大学発の産学共創プロジェクト「Open SDV Initiative」が提唱するSDV体験のシミュレーション環境「MESH」の開発に参画した。「MESH」はSDVが創造する未来の移動体験を実感できるシミュレーション環境で、同社は開発者の多様なアイデアを体験できるシナリオやシナリオ全体のコントロール機能の開発、解説やステップの表示機器の制御、機器間連携のためのネットワーク構築などを担当する予定である。
初の中期経営計画初年度は増収増益予想
4. 2026年9月期の業績予想
2026年9月期の業績予想について、同社は売上高3,910百万円(前期比13.4%増)、営業利益600百万円(同8.2%増)、経常利益616百万円(同8.7%増)、親会社株主に帰属する当期純利益462百万円(同9.8%増)と増収増益を見込んでいる。初の中期経営計画初年度(後述)となるが、そのなかで全世界展開を見据えたモビリティの技術開発投資、グローバル対応の強化、新たな収益源に向けて「CRI TeleXus」など新製品・新技術開発投資を重点施策として注力していく。
日本経済は、緩和的な金融環境などが下支え要因として作用するものの、各国の通商政策などの影響を受けて海外経済が減速、日本企業の収益なども高水準ながら下押しされ、成長ペースが伸び悩むと考えられている。また、設備投資は、緩和的な金融環境が下支え要因として作用するなか、人手不足対応やデジタル関連の投資、成長分野・脱炭素化関連の研究開発投資、サプライチェーンの強靱化に向けた投資は継続されると見込まれるものの、海外経済減速の影響を受けて伸び率は鈍化すると見られている。こうした環境下、同社は引き続き今後の成長が見込める事業と市場を見据えた研究開発体制を整備するとともに、事業基盤の拡大、グループシナジーの創出に注力する。
売上高は、ミドルウェア/ツール分野、モビリティ分野を中心に引き続き拡大する見込みである。一方、営業利益は、前期にあった大型の一括許諾契約がなくなることや受託開発の増加に伴う収益性の低下に加え、前期を上回る研究開発投資など先行的費用により、増益ながら売上高の増加率を下回る見込みである。
セグメント別では、分野によって増減はあるが、ゲーム事業、エンタープライズ事業ともに2ケタ増収を見込んでいる。
ゲーム事業のミドルウェア/ツール分野では、国内は、次世代バージョンの「CRI LipSync」を市場に投入し、新たな収益源とする考えである。また、営業を強化して一括契約を進めることで、多くのタイトルで「CRIWARE」が採用される状況をつくり、シェアの拡大につなげる方針である。海外は、欧米、中国ともに今後の飛躍に向けて足場固めを行う予定で、中国ではテンセントやネットイースなど大手ゲームメーカーとの関係を強化し、一括契約やソリューションの提供を進める。欧米では代理店のDICOの営業力と出張ベースの直販を組み合わせるが、特に欧州は代理店中心に新規顧客獲得に注力、既存顧客を抱える北米は直販中心に顧客との関係深化を図る。音響制作分野では、2025年9月期に続いて中国企業の旺盛な需要を着実に取り込み、中国ビジネスの拡大に注力する。そのため、CRI Chinaとの連携を強化、日本からの訪問を増やして顧客との関係構築に努め、音響監督による仕切りなどサービス品質の高さを訴求する。
エンタープライズ事業のモビリティ分野では、将来の全世界展開に向けて製品のグローバル化を推進する計画である。特に「CRI ADXAT」と「CRI Glassco」を中心に成長を持続、そのため「CRI ADXAT」は国内外でメーカー・車種の採用実績を積み上げ、「CRI Glassco」は国内メーカーに加えてインド市場での実績作りに注力する。また、SDVへの対応や品質の均一性を強みに、自動車メーカーとの関係構築にも努める。組込み分野では、高音質と省電力・低発熱が強みの「D-Amp Driver × GaN」を2026年1月のCESに出展、また事業領域の拡大に向けて次世代の映像ソリューションの開発にも着手する予定だ。継続して許諾売上を含めた受託案件の獲得にも注力するが、カラオケの一括許諾がなくなるため減収予想となった。クラウドソリューション分野では、前期より開発してきた「LiveAct/SmartJPEG」の次世代新製品を下期に市場投入する予定で、R&Dフェーズから受託フェーズへ転換する見込みである。これにより許諾売上や保守運用を含め、継続して受託案件が積み上がり始めるが、その時期は2026年9月期の終盤になるため、本格回復は2027年9月期となる見込みである。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田 仁光)
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3. トピックス
2025年9月期のトピックスは、ゲーム事業で欧米市場の開拓加速及び「CRI LipSync」の次世代バージョンの開発、エンタープライズ事業ではインドの二輪車市場への展開及びSDV体験のシミュレーション環境「MESH」開発への参画が挙げられる。
ゲーム事業では、同社を高く評価するドイツのDICOと、欧州及び米国向けの販売代理店契約を締結した。DICOはゲーム開発のほか、世界中のゲーム会社に対して開発支援やローカライズ、品質保証、パブリッシング支援など多岐にわたるサービスを提供しているため、DICOの持つ幅広いネットワークを利用して「CRIWARE」の導入を進められる。今後さらに、他の販売代理店との契約も検討するようだ。また、同社は東京ゲームショウ(2025年9月25日~26日)にて「CRI LipSync」次世代バージョンのデモなどを行った。解析精度の圧倒的向上や子音対応などを施した新しいリップシンク技術で、異言語にも対応できるため、今後、ゲームのみならず様々な場面で使われることが想定される。
エンタープライズ事業のモビリティ分野では、新市場となるインドでの「CRI Glassco」展開を目指し、萩原電気ホールディングス<7467>の子会社である萩原エレクトロニクス(株)のインド海外子会社とサポート体制の構築を進める。「CRI Glassco」はノーコード開発で開発コストが削減できるため、インドでの普及・拡大が期待されている。また、名古屋大学発の産学共創プロジェクト「Open SDV Initiative」が提唱するSDV体験のシミュレーション環境「MESH」の開発に参画した。「MESH」はSDVが創造する未来の移動体験を実感できるシミュレーション環境で、同社は開発者の多様なアイデアを体験できるシナリオやシナリオ全体のコントロール機能の開発、解説やステップの表示機器の制御、機器間連携のためのネットワーク構築などを担当する予定である。
初の中期経営計画初年度は増収増益予想
4. 2026年9月期の業績予想
2026年9月期の業績予想について、同社は売上高3,910百万円(前期比13.4%増)、営業利益600百万円(同8.2%増)、経常利益616百万円(同8.7%増)、親会社株主に帰属する当期純利益462百万円(同9.8%増)と増収増益を見込んでいる。初の中期経営計画初年度(後述)となるが、そのなかで全世界展開を見据えたモビリティの技術開発投資、グローバル対応の強化、新たな収益源に向けて「CRI TeleXus」など新製品・新技術開発投資を重点施策として注力していく。
日本経済は、緩和的な金融環境などが下支え要因として作用するものの、各国の通商政策などの影響を受けて海外経済が減速、日本企業の収益なども高水準ながら下押しされ、成長ペースが伸び悩むと考えられている。また、設備投資は、緩和的な金融環境が下支え要因として作用するなか、人手不足対応やデジタル関連の投資、成長分野・脱炭素化関連の研究開発投資、サプライチェーンの強靱化に向けた投資は継続されると見込まれるものの、海外経済減速の影響を受けて伸び率は鈍化すると見られている。こうした環境下、同社は引き続き今後の成長が見込める事業と市場を見据えた研究開発体制を整備するとともに、事業基盤の拡大、グループシナジーの創出に注力する。
売上高は、ミドルウェア/ツール分野、モビリティ分野を中心に引き続き拡大する見込みである。一方、営業利益は、前期にあった大型の一括許諾契約がなくなることや受託開発の増加に伴う収益性の低下に加え、前期を上回る研究開発投資など先行的費用により、増益ながら売上高の増加率を下回る見込みである。
セグメント別では、分野によって増減はあるが、ゲーム事業、エンタープライズ事業ともに2ケタ増収を見込んでいる。
ゲーム事業のミドルウェア/ツール分野では、国内は、次世代バージョンの「CRI LipSync」を市場に投入し、新たな収益源とする考えである。また、営業を強化して一括契約を進めることで、多くのタイトルで「CRIWARE」が採用される状況をつくり、シェアの拡大につなげる方針である。海外は、欧米、中国ともに今後の飛躍に向けて足場固めを行う予定で、中国ではテンセントやネットイースなど大手ゲームメーカーとの関係を強化し、一括契約やソリューションの提供を進める。欧米では代理店のDICOの営業力と出張ベースの直販を組み合わせるが、特に欧州は代理店中心に新規顧客獲得に注力、既存顧客を抱える北米は直販中心に顧客との関係深化を図る。音響制作分野では、2025年9月期に続いて中国企業の旺盛な需要を着実に取り込み、中国ビジネスの拡大に注力する。そのため、CRI Chinaとの連携を強化、日本からの訪問を増やして顧客との関係構築に努め、音響監督による仕切りなどサービス品質の高さを訴求する。
エンタープライズ事業のモビリティ分野では、将来の全世界展開に向けて製品のグローバル化を推進する計画である。特に「CRI ADXAT」と「CRI Glassco」を中心に成長を持続、そのため「CRI ADXAT」は国内外でメーカー・車種の採用実績を積み上げ、「CRI Glassco」は国内メーカーに加えてインド市場での実績作りに注力する。また、SDVへの対応や品質の均一性を強みに、自動車メーカーとの関係構築にも努める。組込み分野では、高音質と省電力・低発熱が強みの「D-Amp Driver × GaN」を2026年1月のCESに出展、また事業領域の拡大に向けて次世代の映像ソリューションの開発にも着手する予定だ。継続して許諾売上を含めた受託案件の獲得にも注力するが、カラオケの一括許諾がなくなるため減収予想となった。クラウドソリューション分野では、前期より開発してきた「LiveAct/SmartJPEG」の次世代新製品を下期に市場投入する予定で、R&Dフェーズから受託フェーズへ転換する見込みである。これにより許諾売上や保守運用を含め、継続して受託案件が積み上がり始めるが、その時期は2026年9月期の終盤になるため、本格回復は2027年9月期となる見込みである。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田 仁光)
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