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相場のモメンタムは企業利益へシフト (2) 【シルバーブラットの「S&P500」月例レポート】
配信日時:2025/11/14 11:40
配信元:MINKABU
●インデックスの動き
○10月は企業業績、関税、そして月末に実施が予想されていた今年2回目の0.25%の利下げ(実際、10月29日にFOMCは0.25%の利下げを決定しました)に対する確信の高まり、さらには今年3回目となる12月の利下げが金融面のニュースと市場での最大の関心事となりましたが、12月の利下げに関しては疑念が生じ始めました(パウエルFRB議長の発言がきっかけでした)。企業利益は引き続き予想を上回り(S&P500指数構成企業の70%が業績発表を終え、そのうちの81%が事前予想を上回りました)、第4四半期の業績見通しも概ね良好です(小売企業はまだ見通しを示していません)。こうした良い流れは2026年第1四半期の業績見通しにも引き継がれています。また、2025年第3四半期の利益は過去最高(5990億ドル)を記録する見通しで、2025年第4四半期、2026年第1四半期も同様に過去最高の更新が見込まれています。第2四半期に過去最高を記録した売上高は、第3四半期は当初減収が予想されていましたが、実際のところ予想を大きく上回り、第3四半期は過去最高の更新が見込まれる(4兆4900億ドル)との期待感から見通しも引き上げられています。関税の企業利益への影響は全体として限定的で、企業は関税コストの一部を吸収してきましたが、顧客にコストの更に多くを転嫁し始めています。しかしながら、生産コストは上昇したものの売上高が過去最高を更新する見通しであることから、営業利益率も13.35%と極めて高い水準を維持しています(過去の平均は8.74%)。
○10月にS&P500指数 は6ヵ月連続の上昇を記録しました(累積で22.82%上昇)。月間での連続の上昇が始まった5月以前は、1月は2.70%上昇したものの、2月、3月、4月は累積で7.80%下落しました。10月にS&P500指数は2.27%上昇(配当込みのトータルリターンはプラス2.34%)、9月は3.53%上昇(同プラス3.65%)、8月は1.91%上昇(同プラス2.03%)、7月は2.17%上昇(同プラス2.24%)でした。過去3ヵ月では7.90%上昇(同プラス8.23%)、年初来では16.30%上昇(同プラス17.52%)、2025年10月末までの過去1年間では19.89%上昇(同プラス21.45%)でした。2024年通年では23.31%上昇(同プラス25.02%)、2023年は24.23%上昇(同プラス26.29%)、2022年は19.44%下落(同マイナス18.11%)でした。
○マグニフィセント・セブン (エヌビディア、マイクロソフト、アップル、アルファベット、アマゾン・ドット・コム、メタ・プラットフォームズ、テスラで構成され、S&P 500指数の時価総額の35.7%を占める)のパフォーマンスは指数全体をアウトパフォームしました。これら7銘柄は10月の指数のトータルリターンの81.2%を占め、7銘柄を除くと同指数のトータルリターン(2.34%)は0.44%でした。2025年4月8日に付けた直近安値からのトータルリターンでは指数全体の49.9%を占め、7銘柄を除くと同指数のトータルリターン(38.23%)は19.16%、また年初来では46.7%を占め、7銘柄を除くと同指数のトータルリターン(17.52%)は9.34%となりました。10月はマグニフィセント・セブンのうち5銘柄が上昇したものの、メタ・プラットフォームズは11.71%下落(年初来では10.73%上昇)、マイクロソフトは0.03%下落(同22.85%上昇)しました。
○10月の市場は終値での最高値を8回更新しましたが(終値での最高値更新は年初来で36回、2024年11月5日の米大統領選挙以降では46回)、値下がり銘柄数が増加して引き続き値上がり銘柄数を上回りました。10月は204銘柄が値上がりし、298銘柄が値下がりしました(9月は248銘柄が値上がりして255銘柄が値下がり、8月は337銘柄が値上がりして168銘柄が値下がり)。年初来では278銘柄が値上がりして224銘柄が値下がりしました(2024年は332銘柄が値上がりして169銘柄が値下がり)。10月は23営業日のうち15営業日で値上がりし(9月は21営業日のうち13営業日で値上がり)、3営業日で1%以上変動しました(2営業日が上昇、1営業日が下落)。9月は1%以上変動した日はありませんでした。年初来では46営業日で1%以上変動し(23営業日が上昇、23営業日が下落)、2024年は50営業日で1%以上変動しました(31営業日が上昇、19営業日が下落)。10月はまた、11セクターのうち6セクターが上昇しました(9月は7セクターが上昇)。
○S&P500指数の時価総額は1兆2900億ドル増加して(9月は2兆2690億ドル増加)、58兆3370億ドルとなり、年初来では8兆5320億ドルの増加となりました。2024年に時価総額は9兆7660億ドル増加、2023年は7兆9060億ドル増加、2022年は8兆2240億ドル減少しました。
○10月の日中ボラティリティ(日中の値幅を安値で除して算出)は1.00%となり、9月の0.69%と8月の0.77%から上昇しました(7月は0.63%、6月は0.83%、5月は1.09%、4月は3.21%、3月は1.71%、2月は1.09%、1月は0.91%)。年初来では1.21%となりました。2024年通年は0.91%、2023年は1.04%、2022年は1.83%、2021年は0.97%、2020年は1.51%でした(長期平均は1.41%)。
○10月のS&P500指数の出来高は前月比4%増加(営業日数調整後)しました。9月は同15%増加でした。10月は前年同月比では57%増加しました。2025年10月末までの12ヵ月間では前年同期比29%増加しました。2024年通年では前年比2%減、2023年は同1%減、2022年は同6%増でした。
○10月は23営業日中で1%以上変動した日は4営業日でした(3営業日が上昇、1営業日が下落)。9月は21営業日中で1%以上変動した日はなく、8月は21営業日中4営業日で1%以上変動しました(3営業日が上昇、1営業日が下落)。年初来では1%以上変動した日は209営業日中47営業日(24営業日が上昇、23営業日が下落)、2%以上変動した日が13営業日(6営業日が上昇、7営業日が下落)となりました。2024年通年では1%以上変動した日は50営業日(31営業日が上昇、19営業日が下落)、2%以上変動した日は7営業日(3営業日が上昇、4営業日が下落)でした。
○10月は23営業日中7日で日中の変動率が1%以上となり、1日だけ日中変動率が2%以上(3.23%)となりました。9月は21営業日中2日で日中変動率が1%以上となりましたが、2%以上変動した日はありませんでした。8月は21営業日中4日で変動率が1%以上となりましたが、2%以上変動した日はありませんでした。年初来では日中変動率が1%以上となったのは92日、2%以上となったのは23日、3%以上となったのは7日でした(2025年3月9日には日中変動率が7%を超えました)。2024年通年では、日中変動率が1%以上となったのは83日、2%以上となったのは11日でした。2023年は日中変動率が1%以上となったのは113日、2%以上となったのは13日でした。
過去の実績を見ると、10月は56.7%の確率で上昇し、上昇した月の平均上昇率は4.25%、下落した月の平均下落率は4.52%、全体の平均騰落率は0.50%の上昇となっています。2025年10月のS&P500指数は2.27%の上昇でした。
11月は61.9%の確率で上昇し、上昇した月の平均上昇率は4.13%、下落した月の平均下落率は4.16%、全体の平均騰落率は1.01%の上昇となっています。
ダウ・ジョーンズ工業株価平均(ダウ平均)は4万7562.87ドルで月を終えました。同指数が4万7000ドルを超えたのは史上初めてで、4万8000ドルを上回る場面もありました。10月には終値での最高値を7回更新し(年初来で15回、取引時間中の最高値は4万8040.60ドル、終値では4万7706.37ドル)、9月の終値4万6397.89ドルから2.51%上昇(配当込みのトータルリターンはプラス2.59%)しました。9月は終値での最高値を6回更新し、8月の終値4万5544.88ドル(3.20%上昇、配当込みのトータルリターンはプラス3.42%)からは1.87%上昇(配当込みのトータルリターンはプラス2.00%)しています。過去3ヵ月間では7.78%上昇(同プラス8.23%)、年初来では11.80%上昇(同プラス13.34%)、過去1年間では13.89%上昇(同プラス15.84%)しました。2024年通年では12.88%上昇(同プラス14.99%)、2023年は13.70%上昇(同プラス16.18%)、2022年は8.78%下落(同マイナス6.86%)でした。
※「相場のモメンタムは企業利益へシフト (3)」へ続く
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