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ミタチ産業:基盤事業の強化とデジタル技術活用で新たな成長フェーズへ
配信日時:2025/11/12 11:18
配信元:FISCO
*11:18JST ミタチ産業:基盤事業の強化とデジタル技術活用で新たな成長フェーズへ
ミタチ産業<3321>は、電子デバイス専門のエレクトロニクス商社であり、国内外で電子部品や半導体を供給している。創業以来、電子部品の卸売りを中心に事業を拡大し、現在は700社を超えるメーカーを取り扱う。主力分野は自動車向け半導体や産業機器、アミューズメント機器であり、名古屋本社を拠点に国内外へ販売網を展開する。単なる商社機能にとどまらず、設計・開発・製造まで一貫して担うEMS(電子機器製造受託サービス)も手掛けており、上流の設計から下流のモノづくりまでを包括的に支援できる体制を整えている点が大きな特徴である。
2026年5月期第1四半期の連結業績は、売上高277億円(前年同期比3.0倍)、営業利益7億円(同2.8倍)と大幅な増収増益となった。とりわけ国内事業の伸びが顕著であり、自動車部品メーカー向けの車載半導体販売が業績を押し上げた。前期第2四半期から開始したメガサプライヤー経由の半導体取引が寄与し、国内事業の売上高は231億円(前年同期比4.3倍)、セグメント利益は6億円(同2.3倍)と急拡大した。一方、海外事業も堅調で、フィリピンやインドネシアを中心に東南アジアでのOA機器・産業機器向けEMSの受注が増加。売上高45億円(同18.4%増)、セグメント利益2億6千万円(同2.1倍)を記録し、地域バランスの取れた成長を実現した。原材料価格や物流コスト、人件費の上昇が続くなかでも、顧客との価格交渉や在庫管理の効率化を進め、収益性を維持している。
2026年5月期の通期業績見通しは、売上高1,050億円(前期比7.0%増)、営業利益22.5億円(同4.7%増)と、増収増益を計画している。自動車向け半導体の需要は、EVの普及を背景に引き続き強く、国内では生産回復が追い風となっている。自動車分野は、米国の通商政策の影響が不透明ではあるものの、底堅い受注を見込んでおり、民生分野とアミューズメント分野については、顧客の生産回復などを受けて堅調な推移を見込んでいる。
同社の最大の特徴は「商社でありながらモノづくりができる」点にある。設計・開発人員を自社で抱え、試作から量産までワンストップで対応できることから、取引先からの信頼が厚く、代替されにくい関係性を構築している。また、電子機器、液晶パネル、樹脂といった異なる素材領域をカバーし、専門の営業・技術者が顧客課題に「面」で対応できる体制を整えていることも強みである。加えて、センサー技術を活かした新規事業にも踏み出しており、複数の自治体で積雪量を自動推定するシステムが採用されるなど、公共領域への応用展開も進む。従来のBtoB商社ビジネスに加え、DX支援やデータ活用を通じて顧客の生産性向上を後押しする事業構造へと進化している。
中期経営計画2026(2024年度~2026年度)では、最終年度に売上高1,000億円、営業利益30億円の達成を目標としている。成長の柱は、主力の自動車・産業機器・アミューズメント事業の深化に加え、DX・効率化支援による付加価値向上としている。顧客のデジタル化を支援するため、IoT・センサー技術を活用したスマート工場向け提案を強化しており、2025年も「名古屋スマート工場EXPO」などを通じた情報発信を継続している。また、グローバル展開としては、2024年に米国、2025年にインドへ新拠点を設立し、パートナー企業への生産指導や現地販売を強化。地域に応じた事業展開でリスク分散と成長機会の両立を図っている。
株主還元では、安定配当を基本方針としており、2026年5月期の年間配当は前期と同額の60円を予定している。配当性向は30%を目安とし、利益成長に応じた持続的な還元を目指す方針だ。現在の株価水準における配当利回りは約3.5%。また、PBR0.87倍、PER7.9倍と依然割安な水準にあり、財務基盤の健全性と収益性を両立している。資本コストの低減を重視しつつ、IR活動の拡充にも力を入れている。名証IR EXPOへの出展を通じて個人投資家層への認知向上も図っており、企業価値向上への積極姿勢がうかがえる。
総じて、同社は商社とメーカーの両機能を併せ持つ独自のビジネスモデルを確立し、安定的な収益構造と成長性を兼ね備えた企業へと進化している。国内では車載半導体が成長を牽引し、海外ではEMSの受注拡大が続く。さらにDX支援やセンサー技術を活かした新事業が加わることで、中長期的な成長シナリオが描けよう。PBR1倍割れ・PER7倍台と割安感が残る中、着実な業績拡大と配当利回りの高さを背景に、今後は市場からの再評価が進む可能性が高い。中期経営計画の達成に向けた取り組みが順調に進展すれば、収益性と資本効率の両面で持続的な企業価値向上が期待される。
<HM>
2026年5月期第1四半期の連結業績は、売上高277億円(前年同期比3.0倍)、営業利益7億円(同2.8倍)と大幅な増収増益となった。とりわけ国内事業の伸びが顕著であり、自動車部品メーカー向けの車載半導体販売が業績を押し上げた。前期第2四半期から開始したメガサプライヤー経由の半導体取引が寄与し、国内事業の売上高は231億円(前年同期比4.3倍)、セグメント利益は6億円(同2.3倍)と急拡大した。一方、海外事業も堅調で、フィリピンやインドネシアを中心に東南アジアでのOA機器・産業機器向けEMSの受注が増加。売上高45億円(同18.4%増)、セグメント利益2億6千万円(同2.1倍)を記録し、地域バランスの取れた成長を実現した。原材料価格や物流コスト、人件費の上昇が続くなかでも、顧客との価格交渉や在庫管理の効率化を進め、収益性を維持している。
2026年5月期の通期業績見通しは、売上高1,050億円(前期比7.0%増)、営業利益22.5億円(同4.7%増)と、増収増益を計画している。自動車向け半導体の需要は、EVの普及を背景に引き続き強く、国内では生産回復が追い風となっている。自動車分野は、米国の通商政策の影響が不透明ではあるものの、底堅い受注を見込んでおり、民生分野とアミューズメント分野については、顧客の生産回復などを受けて堅調な推移を見込んでいる。
同社の最大の特徴は「商社でありながらモノづくりができる」点にある。設計・開発人員を自社で抱え、試作から量産までワンストップで対応できることから、取引先からの信頼が厚く、代替されにくい関係性を構築している。また、電子機器、液晶パネル、樹脂といった異なる素材領域をカバーし、専門の営業・技術者が顧客課題に「面」で対応できる体制を整えていることも強みである。加えて、センサー技術を活かした新規事業にも踏み出しており、複数の自治体で積雪量を自動推定するシステムが採用されるなど、公共領域への応用展開も進む。従来のBtoB商社ビジネスに加え、DX支援やデータ活用を通じて顧客の生産性向上を後押しする事業構造へと進化している。
中期経営計画2026(2024年度~2026年度)では、最終年度に売上高1,000億円、営業利益30億円の達成を目標としている。成長の柱は、主力の自動車・産業機器・アミューズメント事業の深化に加え、DX・効率化支援による付加価値向上としている。顧客のデジタル化を支援するため、IoT・センサー技術を活用したスマート工場向け提案を強化しており、2025年も「名古屋スマート工場EXPO」などを通じた情報発信を継続している。また、グローバル展開としては、2024年に米国、2025年にインドへ新拠点を設立し、パートナー企業への生産指導や現地販売を強化。地域に応じた事業展開でリスク分散と成長機会の両立を図っている。
株主還元では、安定配当を基本方針としており、2026年5月期の年間配当は前期と同額の60円を予定している。配当性向は30%を目安とし、利益成長に応じた持続的な還元を目指す方針だ。現在の株価水準における配当利回りは約3.5%。また、PBR0.87倍、PER7.9倍と依然割安な水準にあり、財務基盤の健全性と収益性を両立している。資本コストの低減を重視しつつ、IR活動の拡充にも力を入れている。名証IR EXPOへの出展を通じて個人投資家層への認知向上も図っており、企業価値向上への積極姿勢がうかがえる。
総じて、同社は商社とメーカーの両機能を併せ持つ独自のビジネスモデルを確立し、安定的な収益構造と成長性を兼ね備えた企業へと進化している。国内では車載半導体が成長を牽引し、海外ではEMSの受注拡大が続く。さらにDX支援やセンサー技術を活かした新事業が加わることで、中長期的な成長シナリオが描けよう。PBR1倍割れ・PER7倍台と割安感が残る中、着実な業績拡大と配当利回りの高さを背景に、今後は市場からの再評価が進む可能性が高い。中期経営計画の達成に向けた取り組みが順調に進展すれば、収益性と資本効率の両面で持続的な企業価値向上が期待される。
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