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ベルシス24 Research Memo(4):2026年2月期中間期は収益改善施策により大幅増益(1)
配信日時:2025/11/12 11:04
配信元:FISCO
*11:04JST ベルシス24 Research Memo(4):2026年2月期中間期は収益改善施策により大幅増益(1)
■ベルシステム24ホールディングス<6183>の業績動向
1. 2026年2月期中間期の業績概要
2026年2月期中間期における日本経済は、米国の通商政策等による影響が一部に見られたが、雇用・所得環境の改善や各種施策の効果もあり、個人消費や設備投資の持ち直しが続いていることから緩やかに景気が回復した。先行きについては、物価上昇の継続が消費者マインドの下振れを通じて個人消費に及ぼす影響などが我が国の景気の下振れリスクとなっている。このような環境の下、同社グループの主力事業であるCRM事業においては、生成AIなどの新技術を活用し、高い利益率が見込めるソリューションモデルへの変革が重要となっている。
こうした経営環境を踏まえて、同社グループでは中期経営計画の推進により、持続的な成長の実現を目指した。その結果、2026年2月期中間期の連結業績は、売上収益73,143百万円(前年同期比1.5%増)、売上総利益13,565百万円(同6.5%増)、営業利益5,914百万円(同22.9%増)、税引前利益5,767百万円(同23.6%増)、親会社の所有者に帰属する中間利益3,823百万円(同26.5%増)と、増収増益となった。
売上収益は前年同期比1,103百万円増であった。前期からの大口クライアント案件減少の影響は落ち着き、他方で新規に中規模の案件が積み上がっている。売上総利益は、選挙業務や公共系案件の増収効果に加え、クライアントへの請求単価の引き上げ、拠点整理や人員配置の適正化等による収益改善施策の効果により、同832百万円増となった。売上総利益率は、2023年2月期までは高収益のコロナ等国策関連業務の拡大により20%台で推移したものの、コロナ禍で拡大した設備や人員整理の遅れによって2025年2月期には17%台に低下したが、2026年2月期に入り、収益改善策の効果が表れ始めた。また、設備関係費(拠点整理関連費用)を中心に拠点の席数やフロアーの減少など幅広くコストを削減した結果、販管費が同260百万円減となったことで、営業利益は同1,104百万円増と大きく伸長した。親会社の所有者に帰属する中間利益は、営業利益の増益に加えて、持分法による投資損益の同148百万円増により、同799百万円増となった。持分法による投資損益は、CTCファーストコンタクトの連結子会社から持分法適用会社への移行に加え、TBネクストコミュニケーションズやタイのTrue Touchの堅調な業績も貢献した。一方、金融収益・費用は、市場金利上昇に伴う借入金利息の増加等により150百万円の減益要因となったが、市場金利の上昇は計画の範囲であった。
以上の結果、中間期の売上収益及び各段階利益の通期予想に対する進捗率は約50%と、想定どおりの順調な決算であった。また、営業利益率は8.1%(同1.4ポイント上昇)と2025年3月期東証プライム市場サービス業平均の営業利益率6.2%を上回っており、同社の収益性は引き続き高いと弊社では評価している。
2. セグメント別動向
2026年2月期中間期のCRM事業の売上収益は72,967百万円(前年同期比1.6%増)、税引前中間利益は5,719百万円(同24.3%増)で、税引前利益率は7.8%(同1.4ポイント上昇)となった。また、CRM事業の全社業績に占める構成比は、売上収益の99.8%(同0.1ポイント上昇)、税引前中間利益の99.2%(同0.5ポイント上昇)であった。
2026年2月期より、CRM事業の売上収益内訳区分を、従来の基礎業務とコロナ等国策関連業務から、今後の注力分野を示すスマートコンタクトセンター業務とスマートビジネスサポート業務に変更している。スマートコンタクトセンター業務はクライアント企業とエンドユーザー間のコミュニケーション関連領域にかかる業務で、スマートビジネスサポート業務はクライアント企業の社内業務の支援にかかる業務である。2025年2月期までにコロナ等国策関連業務が大きく縮小したことに伴い、今後は同社の注力分野である次世代コンタクトセンター業務とクライアント企業のバックヤード支援業務を、それぞれ独立した区分として示すことで同社のビジネスの進捗をより明確にできることから区分を変更した。
スマートコンタクトセンター業務は前年同期比6.2億円増(同1.0%増)の626.0億円であった。保険関連業務は前年同期の大型スポット案件の反動があったが、人材不足に伴うアウトソーシング需要が根強いなかで、自治体・公共系案件や、新料金プランによる通信キャリア案件が拡大し、さらに参院選の出口調査等の選挙業務も加わって増収となった。スマートビジネスサポート業務は同5.3億円増(同5.4%増)の103.7億円であった。営業支援の一部業務が減少したものの、書類審査等のバックヤード業務のほか、子会社Horizon Oneにおける人事・経理業務が増加した。
その他の事業の全社業績に占めるシェアは小さい。2026年2月期中間期には、コンテンツ販売収入が減少したため、売上収益は176百万円(前年同期比21.0%減)、税引前中間利益は48百万円(同22.8%減)となった。
売上収益における「伊藤忠シナジー」については、同社の筆頭株主である伊藤忠商事のネットワークを活用して、伊藤忠グループ関連の案件をはじめとする新規案件獲得を継続することで拡大している。同社が定義する「伊藤忠シナジー」には伊藤忠商事の子会社や関連会社だけでなく、その取引先も含むため、対象とする開拓先は数多くある。これら伊藤忠グループ案件による売上収益は、2023年2月期には169.9億円へと年々増加し続けてきた。しかし、2024年2月期はキャンペーンなどの大口案件がなかった影響で160.3億円(前期比9.6億円減)にとどまった。また、2025年2月期も、上期は前年の一部大口案件の業務終了等により76.1億円に減少し、下期は既存クライアントからの受注拡大等により77.8億円へと増加に転じたものの、通期で153.9億円(同6.4億円減)にとどまった。しかし、2026年2月期上期には86.4億円へと、通信キャリアを中心に大きく増加した。今後については、新技術活用における連携(出資、提携など)や海外事業展開など、伊藤忠のデジタル事業群戦略における連携によって、「伊藤忠シナジー」は長期的に拡大する見通しである。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 国重 希)
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1. 2026年2月期中間期の業績概要
2026年2月期中間期における日本経済は、米国の通商政策等による影響が一部に見られたが、雇用・所得環境の改善や各種施策の効果もあり、個人消費や設備投資の持ち直しが続いていることから緩やかに景気が回復した。先行きについては、物価上昇の継続が消費者マインドの下振れを通じて個人消費に及ぼす影響などが我が国の景気の下振れリスクとなっている。このような環境の下、同社グループの主力事業であるCRM事業においては、生成AIなどの新技術を活用し、高い利益率が見込めるソリューションモデルへの変革が重要となっている。
こうした経営環境を踏まえて、同社グループでは中期経営計画の推進により、持続的な成長の実現を目指した。その結果、2026年2月期中間期の連結業績は、売上収益73,143百万円(前年同期比1.5%増)、売上総利益13,565百万円(同6.5%増)、営業利益5,914百万円(同22.9%増)、税引前利益5,767百万円(同23.6%増)、親会社の所有者に帰属する中間利益3,823百万円(同26.5%増)と、増収増益となった。
売上収益は前年同期比1,103百万円増であった。前期からの大口クライアント案件減少の影響は落ち着き、他方で新規に中規模の案件が積み上がっている。売上総利益は、選挙業務や公共系案件の増収効果に加え、クライアントへの請求単価の引き上げ、拠点整理や人員配置の適正化等による収益改善施策の効果により、同832百万円増となった。売上総利益率は、2023年2月期までは高収益のコロナ等国策関連業務の拡大により20%台で推移したものの、コロナ禍で拡大した設備や人員整理の遅れによって2025年2月期には17%台に低下したが、2026年2月期に入り、収益改善策の効果が表れ始めた。また、設備関係費(拠点整理関連費用)を中心に拠点の席数やフロアーの減少など幅広くコストを削減した結果、販管費が同260百万円減となったことで、営業利益は同1,104百万円増と大きく伸長した。親会社の所有者に帰属する中間利益は、営業利益の増益に加えて、持分法による投資損益の同148百万円増により、同799百万円増となった。持分法による投資損益は、CTCファーストコンタクトの連結子会社から持分法適用会社への移行に加え、TBネクストコミュニケーションズやタイのTrue Touchの堅調な業績も貢献した。一方、金融収益・費用は、市場金利上昇に伴う借入金利息の増加等により150百万円の減益要因となったが、市場金利の上昇は計画の範囲であった。
以上の結果、中間期の売上収益及び各段階利益の通期予想に対する進捗率は約50%と、想定どおりの順調な決算であった。また、営業利益率は8.1%(同1.4ポイント上昇)と2025年3月期東証プライム市場サービス業平均の営業利益率6.2%を上回っており、同社の収益性は引き続き高いと弊社では評価している。
2. セグメント別動向
2026年2月期中間期のCRM事業の売上収益は72,967百万円(前年同期比1.6%増)、税引前中間利益は5,719百万円(同24.3%増)で、税引前利益率は7.8%(同1.4ポイント上昇)となった。また、CRM事業の全社業績に占める構成比は、売上収益の99.8%(同0.1ポイント上昇)、税引前中間利益の99.2%(同0.5ポイント上昇)であった。
2026年2月期より、CRM事業の売上収益内訳区分を、従来の基礎業務とコロナ等国策関連業務から、今後の注力分野を示すスマートコンタクトセンター業務とスマートビジネスサポート業務に変更している。スマートコンタクトセンター業務はクライアント企業とエンドユーザー間のコミュニケーション関連領域にかかる業務で、スマートビジネスサポート業務はクライアント企業の社内業務の支援にかかる業務である。2025年2月期までにコロナ等国策関連業務が大きく縮小したことに伴い、今後は同社の注力分野である次世代コンタクトセンター業務とクライアント企業のバックヤード支援業務を、それぞれ独立した区分として示すことで同社のビジネスの進捗をより明確にできることから区分を変更した。
スマートコンタクトセンター業務は前年同期比6.2億円増(同1.0%増)の626.0億円であった。保険関連業務は前年同期の大型スポット案件の反動があったが、人材不足に伴うアウトソーシング需要が根強いなかで、自治体・公共系案件や、新料金プランによる通信キャリア案件が拡大し、さらに参院選の出口調査等の選挙業務も加わって増収となった。スマートビジネスサポート業務は同5.3億円増(同5.4%増)の103.7億円であった。営業支援の一部業務が減少したものの、書類審査等のバックヤード業務のほか、子会社Horizon Oneにおける人事・経理業務が増加した。
その他の事業の全社業績に占めるシェアは小さい。2026年2月期中間期には、コンテンツ販売収入が減少したため、売上収益は176百万円(前年同期比21.0%減)、税引前中間利益は48百万円(同22.8%減)となった。
売上収益における「伊藤忠シナジー」については、同社の筆頭株主である伊藤忠商事のネットワークを活用して、伊藤忠グループ関連の案件をはじめとする新規案件獲得を継続することで拡大している。同社が定義する「伊藤忠シナジー」には伊藤忠商事の子会社や関連会社だけでなく、その取引先も含むため、対象とする開拓先は数多くある。これら伊藤忠グループ案件による売上収益は、2023年2月期には169.9億円へと年々増加し続けてきた。しかし、2024年2月期はキャンペーンなどの大口案件がなかった影響で160.3億円(前期比9.6億円減)にとどまった。また、2025年2月期も、上期は前年の一部大口案件の業務終了等により76.1億円に減少し、下期は既存クライアントからの受注拡大等により77.8億円へと増加に転じたものの、通期で153.9億円(同6.4億円減)にとどまった。しかし、2026年2月期上期には86.4億円へと、通信キャリアを中心に大きく増加した。今後については、新技術活用における連携(出資、提携など)や海外事業展開など、伊藤忠のデジタル事業群戦略における連携によって、「伊藤忠シナジー」は長期的に拡大する見通しである。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 国重 希)
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