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サクシード Research Memo(4):福祉に関わる人材の紹介・派遣サービスを展開
配信日時:2024/12/17 12:04
配信元:FISCO
*12:04JST サクシード Research Memo(4):福祉に関わる人材の紹介・派遣サービスを展開
■サクシード<9256>の事業内容
2. 福祉人材支援事業
福祉人材支援事業では、保育園、幼稚園、学童保育施設などを運営する全国の法人や自治体に対して、保育士、栄養士、学童保育指導員、社会福祉士や介助員など福祉に関わる人材の紹介・派遣サービスを行っている。自社サイトを通じて登録のあった求職者に対して、教育人材支援事業と同様に詳細なカウンセリングを行い、クライアントの要望に応じたマッチングを行っている。
(1) 保育士・栄養士・管理栄養士
少子高齢化による労働力人口の減少が見込まれるなか、待機児童問題の解消や女性の就業を促進するため保育園の増設が進められてきた。しかし、施設数は増えたものの、運営に必要な一定以上の質の人員を確保できていない施設が多く、保育士などの人材不足はなかなか解消されていない。このため同社は、全国の保育園に対して保育士、栄養士、管理栄養士などの紹介・派遣を行っている。クライアントと求職者を同一のコーディネーターが担当し、双方のニーズを高い精度ですり合わせることで、きめ細かなマッチングを実現している。近年、紹介に比べて収益性は低いが安定している派遣の比重を高くしている。
(2) 学童保育スタッフ
子どもが小学校に上がると、保育園時代に比べて仕事と子育ての両立が困難になることが多い(「小1の壁」問題)。同社はこうした社会的課題を解決するために、地方自治体、社会福祉協議会、民間の学童運営企業などに対して、放課後児童支援員などの学童保育スタッフの紹介・派遣を行うサービスを展開している。学童保育スタッフの紹介・派遣においても、教員免許所持者など教育関連人材の登録者の多いことが同社の強みである。また、共働き世帯の増加とともに学童保育へのニーズが高まっていることを受け、同社直営の民間学童施設「ペンタスkids」(個別指導教室事業で展開)と併せて営業リソースを集中させるなどの対応を進めている。
(3) 放課後等デイサービス
障がい児支援を目的とした放課後等デイサービスは、2012年の児童福祉法による新たな支援策のため、現在、様々な企業などが運営に参画している。同社は、そうした企業などに対し、児童発達支援管理責任者や児童支援員の紹介・派遣を行っている。特に教育関連の人材に精通しているため、人員配置基準が定められ募集が難しいと言われる児童発達支援管理責任者の紹介・派遣は、競合他社に対して大きなアドバンテージである。
新興住宅地のあるエリアで「個別指導学院サクシード」を展開
3. 個別指導教室事業
学習塾・予備校市場における受講生の数は、2008年の「脱ゆとり」教育に向けた学習指導要領の改訂後、学習量が増加したことを要因に増加傾向となった。その後は少子化もあっておおむね横ばいで推移しているが、シックスポケットに象徴されるように子ども1人当たりの教育費は年々増加しており、中学受験者数も右肩上がりの状態にある。生徒の低年齢化や非受験生の増加といった新たな傾向も加わり、同社が展開している個別指導教室「個別指導学院サクシード」と学習塾付き学童クラブ「ペンタスkids」は人気となっている。
(1) 「個別指導学院サクシード」
個別指導教室事業では、個別指導の「個別指導学院サクシード」と学習塾付き学童クラブ「ペンタスkids」を展開している。「個別指導学院サクシード」は、神奈川県内に28教室、千葉県内に2教室を展開する地域密着型個別指導教室である(2024年9月末現在)。同社は個別指導の草分け的存在の1つで、「すべての子どもたちに質の高い教育を」というポリシーの下、小学校1年生から大学受験生までを対象に、学校の補習や受験対策、各種検定の対策など様々なニーズに応えた授業を提供している。同社は講師1人に生徒3人という授業スタイルを採用しているが、これは経済格差が教育格差になってはならないという起業当時の創業者の思いから構築した、授業の質を落とさずに授業料を低く抑えるための仕組みである。個別指導は、集団授業では手の届きにくい生徒一人ひとりの進路や学習状況に応じたカリキュラムを提供することで、集団指導に比べて客単価が高くなる傾向がある。
このため近年、集団指導をメインとする学習塾でも、個別指導塾に鞍替えしたり個別指導コースを新設したりするケースが多くなっている。ただし、単に個別指導にしたからといって、生徒も学習塾もメリットを簡単に享受できるわけではない。実際に生徒の学力が伸びなければならず、そのためには優秀な講師が必要で、人手不足のなかこれはどの学習塾も抱えている大きな課題である。同社の場合、人材サービスで教育関連の登録者を幅広く確保、他社学習塾や私立学校、公立学校などの自治体向けに講師や教員を紹介・派遣している。このため、「個別指導学院サクシード」では自社内の登録者を活用し、ローコストで優秀な講師を多く採用している。また、全教室が同社直営で、授業カリキュラムや講師のクオリティ、教室運営などを均一化できるため、どの教室でも生徒や保護者が満足するサービスレベルの維持が可能となっている。このため、サービスレベルの維持に苦労する他社学習塾を横目に、より高単価の中学受験コースの生徒を増やしている状況である。
出店はドミナントエリアの神奈川県はもちろん、首都圏で生徒人口が増加している新興住宅地を抱えるエリアなどを新たにドミナントする方針で、2024年3月期に千葉県での出店を開始した。短中期的には首都圏、長期的に全国展開を計画しているが、教育に関する理念を共有できる企業との提携によるフランチャイズ展開も検討している。なお、「個別指導学院サクシード」の出店コストは、内装費などに多額の費用がかからないため、40ブース程度(1教室当たり在籍生徒数100~150人)の標準的なモデルであれば、一般の小売や飲食店に比べて圧倒的に低い。プロモーションは、新規エリアについては進出当初は認知向上のため強めに打つが、それ以降はWebマーケティングを中心に神奈川県エリアと変わらない低い水準となる。このようにローコストのうえ、生徒数は出店から2~3年にわたって徐々に伸び、その後は安定するため、一旦黒字化すると高い収益性を継続する傾向がある。
(2) 「ペンタスkids」
同社は「ペンタスkids」ブランドで、学童保育に学習や習い事をパッケージしたハイブリッド型の学童クラブを、神奈川県内で3教室運営している(2024年9月末現在)。料金はやや高めだが、毎日の学習カリキュラムのほか英会話、プログラミング、体操、思考・表現ワークショップといった習い事がオールインワンで含まれている。母体が学習塾であることから経験豊富な講師陣や個別指導教室による指導ノウハウを活用できるため、教育意識が高く放課後の時間を有効に使いたい保護者から高い評価を受けている。共働き世帯の増加とともに急速に学童保育へのニーズが高まっており、今後も、「個別指導学院サクシード」出店エリアを中心に、「ペンタスkids」の出店を拡大する方針である。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)
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2. 福祉人材支援事業
福祉人材支援事業では、保育園、幼稚園、学童保育施設などを運営する全国の法人や自治体に対して、保育士、栄養士、学童保育指導員、社会福祉士や介助員など福祉に関わる人材の紹介・派遣サービスを行っている。自社サイトを通じて登録のあった求職者に対して、教育人材支援事業と同様に詳細なカウンセリングを行い、クライアントの要望に応じたマッチングを行っている。
(1) 保育士・栄養士・管理栄養士
少子高齢化による労働力人口の減少が見込まれるなか、待機児童問題の解消や女性の就業を促進するため保育園の増設が進められてきた。しかし、施設数は増えたものの、運営に必要な一定以上の質の人員を確保できていない施設が多く、保育士などの人材不足はなかなか解消されていない。このため同社は、全国の保育園に対して保育士、栄養士、管理栄養士などの紹介・派遣を行っている。クライアントと求職者を同一のコーディネーターが担当し、双方のニーズを高い精度ですり合わせることで、きめ細かなマッチングを実現している。近年、紹介に比べて収益性は低いが安定している派遣の比重を高くしている。
(2) 学童保育スタッフ
子どもが小学校に上がると、保育園時代に比べて仕事と子育ての両立が困難になることが多い(「小1の壁」問題)。同社はこうした社会的課題を解決するために、地方自治体、社会福祉協議会、民間の学童運営企業などに対して、放課後児童支援員などの学童保育スタッフの紹介・派遣を行うサービスを展開している。学童保育スタッフの紹介・派遣においても、教員免許所持者など教育関連人材の登録者の多いことが同社の強みである。また、共働き世帯の増加とともに学童保育へのニーズが高まっていることを受け、同社直営の民間学童施設「ペンタスkids」(個別指導教室事業で展開)と併せて営業リソースを集中させるなどの対応を進めている。
(3) 放課後等デイサービス
障がい児支援を目的とした放課後等デイサービスは、2012年の児童福祉法による新たな支援策のため、現在、様々な企業などが運営に参画している。同社は、そうした企業などに対し、児童発達支援管理責任者や児童支援員の紹介・派遣を行っている。特に教育関連の人材に精通しているため、人員配置基準が定められ募集が難しいと言われる児童発達支援管理責任者の紹介・派遣は、競合他社に対して大きなアドバンテージである。
新興住宅地のあるエリアで「個別指導学院サクシード」を展開
3. 個別指導教室事業
学習塾・予備校市場における受講生の数は、2008年の「脱ゆとり」教育に向けた学習指導要領の改訂後、学習量が増加したことを要因に増加傾向となった。その後は少子化もあっておおむね横ばいで推移しているが、シックスポケットに象徴されるように子ども1人当たりの教育費は年々増加しており、中学受験者数も右肩上がりの状態にある。生徒の低年齢化や非受験生の増加といった新たな傾向も加わり、同社が展開している個別指導教室「個別指導学院サクシード」と学習塾付き学童クラブ「ペンタスkids」は人気となっている。
(1) 「個別指導学院サクシード」
個別指導教室事業では、個別指導の「個別指導学院サクシード」と学習塾付き学童クラブ「ペンタスkids」を展開している。「個別指導学院サクシード」は、神奈川県内に28教室、千葉県内に2教室を展開する地域密着型個別指導教室である(2024年9月末現在)。同社は個別指導の草分け的存在の1つで、「すべての子どもたちに質の高い教育を」というポリシーの下、小学校1年生から大学受験生までを対象に、学校の補習や受験対策、各種検定の対策など様々なニーズに応えた授業を提供している。同社は講師1人に生徒3人という授業スタイルを採用しているが、これは経済格差が教育格差になってはならないという起業当時の創業者の思いから構築した、授業の質を落とさずに授業料を低く抑えるための仕組みである。個別指導は、集団授業では手の届きにくい生徒一人ひとりの進路や学習状況に応じたカリキュラムを提供することで、集団指導に比べて客単価が高くなる傾向がある。
このため近年、集団指導をメインとする学習塾でも、個別指導塾に鞍替えしたり個別指導コースを新設したりするケースが多くなっている。ただし、単に個別指導にしたからといって、生徒も学習塾もメリットを簡単に享受できるわけではない。実際に生徒の学力が伸びなければならず、そのためには優秀な講師が必要で、人手不足のなかこれはどの学習塾も抱えている大きな課題である。同社の場合、人材サービスで教育関連の登録者を幅広く確保、他社学習塾や私立学校、公立学校などの自治体向けに講師や教員を紹介・派遣している。このため、「個別指導学院サクシード」では自社内の登録者を活用し、ローコストで優秀な講師を多く採用している。また、全教室が同社直営で、授業カリキュラムや講師のクオリティ、教室運営などを均一化できるため、どの教室でも生徒や保護者が満足するサービスレベルの維持が可能となっている。このため、サービスレベルの維持に苦労する他社学習塾を横目に、より高単価の中学受験コースの生徒を増やしている状況である。
出店はドミナントエリアの神奈川県はもちろん、首都圏で生徒人口が増加している新興住宅地を抱えるエリアなどを新たにドミナントする方針で、2024年3月期に千葉県での出店を開始した。短中期的には首都圏、長期的に全国展開を計画しているが、教育に関する理念を共有できる企業との提携によるフランチャイズ展開も検討している。なお、「個別指導学院サクシード」の出店コストは、内装費などに多額の費用がかからないため、40ブース程度(1教室当たり在籍生徒数100~150人)の標準的なモデルであれば、一般の小売や飲食店に比べて圧倒的に低い。プロモーションは、新規エリアについては進出当初は認知向上のため強めに打つが、それ以降はWebマーケティングを中心に神奈川県エリアと変わらない低い水準となる。このようにローコストのうえ、生徒数は出店から2~3年にわたって徐々に伸び、その後は安定するため、一旦黒字化すると高い収益性を継続する傾向がある。
(2) 「ペンタスkids」
同社は「ペンタスkids」ブランドで、学童保育に学習や習い事をパッケージしたハイブリッド型の学童クラブを、神奈川県内で3教室運営している(2024年9月末現在)。料金はやや高めだが、毎日の学習カリキュラムのほか英会話、プログラミング、体操、思考・表現ワークショップといった習い事がオールインワンで含まれている。母体が学習塾であることから経験豊富な講師陣や個別指導教室による指導ノウハウを活用できるため、教育意識が高く放課後の時間を有効に使いたい保護者から高い評価を受けている。共働き世帯の増加とともに急速に学童保育へのニーズが高まっており、今後も、「個別指導学院サクシード」出店エリアを中心に、「ペンタスkids」の出店を拡大する方針である。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)
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