注目トピックス 日本株
富士紡HD Research Memo(6):半導体需要の本格的回復などで、2025年3月期は大幅な増収増益予想(1)
配信日時:2024/12/09 12:06
配信元:FISCO
*12:06JST 富士紡HD Research Memo(6):半導体需要の本格的回復などで、2025年3月期は大幅な増収増益予想(1)
■富士紡ホールディングス<3104>の今後の見通し
1. 2025年3月期の業績見通し
2025年3月期の業績は、売上高が43,700百万円(前期比7,592百万円増)、営業利益が6,000百万円(同3,182百万円増)、経常利益が6,200百万円(同2,924百万円増)、親会社株主に帰属する当期純利益が4,100百万円(同1,983百万円増)と見込んでいる。
2025年3月期の業績予想は、期初計画から2度計画修正され、2025年3月期第2四半期決算発表にて公表された。売上高43,700百万円(同年7月31日時点から10億円上積み)、営業利益6,000百万円(同6億円上積み)となっている。修正理由として、中核事業である研磨材事業が想定を上回る受注急増(特にCMP用途)にあるようだ。研磨材事業では上期実績の上振れ分も加味し、下期売上高・営業利益とも上方修正された。一方、生活衣料事業では円安の影響による仕入れコスト増により下期営業利益が下方修正されている。
半導体需要動向は、現在生成AIなどの最先端半導体分野は好調であるが、スマホ、パソコン向け汎用半導体分野はまだ回復途上で、2025年3月期は緩やかに回復し、2026年3月期には成長軌道に乗ると見ている。これに伴い、研磨材の受注状況も2025年3月期上期はCMP用途中心に好調に推移し、下期はシリコンウエハー用途も回復、2026年3月期にはレガシー半導体(アナログデバイス、ディスクリートデバイスやセンサーなど)分野も需要回復し、研磨材事業全体が伸びていくと予想している。
2. セグメント別業績見通し
(1) 研磨材事業
売上高18,400百万円(前期比37.1%増)、営業利益4,200百万円(同286.4%増、営業利益率22.8%)を予想している。研磨材事業の主力市場であるCMP用途市場は2024年3月期下期から受注は回復局面に転じ2025年3月期上期は受注急増しており、2025年3月期下期も好調に推移するものと思われる。特に、同社の研磨材(ソフトパッド)は、ロジック半導体製造プロセスにおいて高いシェアを占めており、生成AIやIoT分野で使用されるロジック半導体の高成長が、同社の受注拡大をけん引している。また、シリコンウエハー用途では、ロジック系半導体拡大にけん引されて、先端品向けシリコンウエハーにも使われており、2025年3月期下期は受注拡大が期待できる。ハードディスク用途も、データセンター向けが2025年3月期上期より、いち早く受注が回復しており、下期も好調をキープすると思われる。
一方で、新用途市場として、「SiCウエハー」と「半導体の微細化と積層化」に大きな期待が寄せられている。SiCウエハー(パワー半導体)市場は、自動車のEV化が進展するなか、将来的には再生可能エネルギー(太陽光発電や風力発電など)も含め大規模市場(CMP用途に次ぐ“第2の柱”)になると期待されており、この分野の研究開発はアクセルを緩めず優先的に取り組んでいる。また、メモリー半導体分野においては、AI向けHBM用途などで同社のソフトパッド需要につながる可能性がある。既にNANDフラッシュメモリ分野中心にソフトパッドが使われ始めている。
(2) 化学工業品事業
売上高15,000百万円(前期比19.8%増)、営業利益1,200百万円(同35.1%増、営業利益率8.0%)を予想している。半導体関連を中心とした電子材料は引き続き堅調に推移すると見込む。機能性材料では、2021年より大手化学メーカーと新しい素材開発・試作を進めてきたが、2025年3月期には一部量産化がスタートする。特に、新規顧客や新規受注獲得への取り組みに注力しようとしている。さらに、機能性材料は中長期的には受注拡大が見込まれることから、国内2工場(柳井工場、武生工場)の連携強化を一層進め、新プラント設備に向けた付帯設備関連の投資に着手する。2026年4月より稼働し、2027年3月期の売上高・営業利益への貢献が見込まれ、次期中期経営計画の化学工業品事業における収益拡大基盤となる。
(3) 生活衣料事業
売上高7,000百万円(前期比0.7%増)、営業利益600百万円(同23.3%減、営業利益率8.6%)を予想している。事業戦略として、主力品「B.V.D.」のEC化と「アングル」の拡販の両輪で売上拡大と収益強化を図る。成長分野(高級肌着)である「アングル」が2023年3月期中から販売好調で、中国などの海外富裕層から注文が増えている。2025年3月期は「アングル」をECなどを活用して拡販する。また、主力品「B.V.D.」のEC化促進に向けて、SNSなどを活用したダイレクトマーケティングにより、Eコマース型ビジネスモデルへの転換を進めている。
(4) その他(化成品)事業
売上高3,300百万円(前期比2.5%増)、営業利益0百万円(同59百万円減)を予想している。自動車金型は2025年3月期上期は苦戦したが、下期に向けて業績は改善される見込みだ。事務機金型も2025年3月期上期は苦戦したが、下期は事業の立て直しを図り、2026年3月期には利益が出せる体制に持っていく。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 清水啓司)
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1. 2025年3月期の業績見通し
2025年3月期の業績は、売上高が43,700百万円(前期比7,592百万円増)、営業利益が6,000百万円(同3,182百万円増)、経常利益が6,200百万円(同2,924百万円増)、親会社株主に帰属する当期純利益が4,100百万円(同1,983百万円増)と見込んでいる。
2025年3月期の業績予想は、期初計画から2度計画修正され、2025年3月期第2四半期決算発表にて公表された。売上高43,700百万円(同年7月31日時点から10億円上積み)、営業利益6,000百万円(同6億円上積み)となっている。修正理由として、中核事業である研磨材事業が想定を上回る受注急増(特にCMP用途)にあるようだ。研磨材事業では上期実績の上振れ分も加味し、下期売上高・営業利益とも上方修正された。一方、生活衣料事業では円安の影響による仕入れコスト増により下期営業利益が下方修正されている。
半導体需要動向は、現在生成AIなどの最先端半導体分野は好調であるが、スマホ、パソコン向け汎用半導体分野はまだ回復途上で、2025年3月期は緩やかに回復し、2026年3月期には成長軌道に乗ると見ている。これに伴い、研磨材の受注状況も2025年3月期上期はCMP用途中心に好調に推移し、下期はシリコンウエハー用途も回復、2026年3月期にはレガシー半導体(アナログデバイス、ディスクリートデバイスやセンサーなど)分野も需要回復し、研磨材事業全体が伸びていくと予想している。
2. セグメント別業績見通し
(1) 研磨材事業
売上高18,400百万円(前期比37.1%増)、営業利益4,200百万円(同286.4%増、営業利益率22.8%)を予想している。研磨材事業の主力市場であるCMP用途市場は2024年3月期下期から受注は回復局面に転じ2025年3月期上期は受注急増しており、2025年3月期下期も好調に推移するものと思われる。特に、同社の研磨材(ソフトパッド)は、ロジック半導体製造プロセスにおいて高いシェアを占めており、生成AIやIoT分野で使用されるロジック半導体の高成長が、同社の受注拡大をけん引している。また、シリコンウエハー用途では、ロジック系半導体拡大にけん引されて、先端品向けシリコンウエハーにも使われており、2025年3月期下期は受注拡大が期待できる。ハードディスク用途も、データセンター向けが2025年3月期上期より、いち早く受注が回復しており、下期も好調をキープすると思われる。
一方で、新用途市場として、「SiCウエハー」と「半導体の微細化と積層化」に大きな期待が寄せられている。SiCウエハー(パワー半導体)市場は、自動車のEV化が進展するなか、将来的には再生可能エネルギー(太陽光発電や風力発電など)も含め大規模市場(CMP用途に次ぐ“第2の柱”)になると期待されており、この分野の研究開発はアクセルを緩めず優先的に取り組んでいる。また、メモリー半導体分野においては、AI向けHBM用途などで同社のソフトパッド需要につながる可能性がある。既にNANDフラッシュメモリ分野中心にソフトパッドが使われ始めている。
(2) 化学工業品事業
売上高15,000百万円(前期比19.8%増)、営業利益1,200百万円(同35.1%増、営業利益率8.0%)を予想している。半導体関連を中心とした電子材料は引き続き堅調に推移すると見込む。機能性材料では、2021年より大手化学メーカーと新しい素材開発・試作を進めてきたが、2025年3月期には一部量産化がスタートする。特に、新規顧客や新規受注獲得への取り組みに注力しようとしている。さらに、機能性材料は中長期的には受注拡大が見込まれることから、国内2工場(柳井工場、武生工場)の連携強化を一層進め、新プラント設備に向けた付帯設備関連の投資に着手する。2026年4月より稼働し、2027年3月期の売上高・営業利益への貢献が見込まれ、次期中期経営計画の化学工業品事業における収益拡大基盤となる。
(3) 生活衣料事業
売上高7,000百万円(前期比0.7%増)、営業利益600百万円(同23.3%減、営業利益率8.6%)を予想している。事業戦略として、主力品「B.V.D.」のEC化と「アングル」の拡販の両輪で売上拡大と収益強化を図る。成長分野(高級肌着)である「アングル」が2023年3月期中から販売好調で、中国などの海外富裕層から注文が増えている。2025年3月期は「アングル」をECなどを活用して拡販する。また、主力品「B.V.D.」のEC化促進に向けて、SNSなどを活用したダイレクトマーケティングにより、Eコマース型ビジネスモデルへの転換を進めている。
(4) その他(化成品)事業
売上高3,300百万円(前期比2.5%増)、営業利益0百万円(同59百万円減)を予想している。自動車金型は2025年3月期上期は苦戦したが、下期に向けて業績は改善される見込みだ。事務機金型も2025年3月期上期は苦戦したが、下期は事業の立て直しを図り、2026年3月期には利益が出せる体制に持っていく。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 清水啓司)
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