注目トピックス 市況・概況
欧州為替:ドル・円はもみ合い継続、米大幅株高に期待も
配信日時:2024/11/06 19:10
配信元:FISCO
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カナダとメキシコは通貨安に拍車も【フィスコ・コラム】
*09:00JST カナダとメキシコは通貨安に拍車も【フィスコ・コラム】
カナダドルとメキシコペソがドルに対し年初来安値圏に落ち込んでいます。背景にあるのは両国の緩和的な金融政策と米次期政権の関税問題で、対米関係が悪化すれば一段安の可能性があります。カナダ、メキシコ両国の政治情勢を懸念した売りにも警戒が必要です。11月最終週のカナダドルは1.4170カナダドル台に、メキシコペソは20.82ペソにそれぞれ下落し、いずれも年初来安値を更新しました。トランプ米次期大統領が中国からの輸入品に10%、カナダやメキシコには25%の追加関税を課す方針を表明したためです。トランプ氏が自ら創設したアメリカ・メキシコ・カナダ協定(USMCA)が防波堤になるとの期待はもろくも崩れ去りました。もう1つは両国中銀の緩和的な政策スタンスです。カナダ銀行(中銀)は6月から利下げサイクルに入り、10月23日には下げ幅を0.50%に拡大。さらに追加利下げの方針のためカナダドル売りが強まりました。メキシコ中銀は11月14日に3会合連続の利下げを決定。もっとも、両国ともインフレ指標は再加速が示され、今後の追加的な政策金利の引き下げを見込んだ通貨売りは抑制されていました。米次期政権による隣国への関税強化は、成長の減速による政治情勢への影響も想定されます。メキシコ紙が実施した世論調査によると、10月に同国初の女性リーダーに就任したばかりのシャインバウム大統領は支持率70%台と、上々のスタートを切りました。ただ、薬物流入の問題を背景とした米次期政権による関税率引き上げはメキシコ経済を圧迫しかねず、人気も急降下しかねません。一方、カナダのトルドー首相は11月29日にトランプ氏と会談した際、関税強化について言及すると、トランプ氏は「嫌ならアメリカの51番目の州になれば」と笑えないジョークで切り返したと言います。来年10月までに行われるカナダの総選挙ではすでに野党・保守党への政権交代は織り込み済みですが、次の首相が「アメリカ・ファースト」に押し切られるようだと、やはり政権運営は困難でしょう。関税問題についてはアメリカから見た経常赤字国の上位であるドイツや日本、韓国などもアメリカの対応に身構えることになるでしょう。2025年は貿易面で主要各国の対米従属が避けられそうにないことが、ドル選好地合いを強める要因となりそうです。カナダドルとメキシコペソの軟調地合いは、その先行事例として注目されます。(吉池 威)※あくまでも筆者の個人的な見解であり、弊社の見解を代表するものではありません。
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2024/12/08 09:00
注目トピックス 市況・概況
来週の相場で注目すべき3つのポイント:米CPI、メジャーSQ、日銀短観
*15:45JST 来週の相場で注目すべき3つのポイント:米CPI、メジャーSQ、日銀短観
■株式相場見通し予想レンジ:上限39500円-下限38000円6日の米国株式市場はまちまち。ダウ平均は前日比123.19ドル安の44462.52ドル、ナスダックは同159.05ポイント高の19859.77で取引を終了した。大証ナイト・セッションの日経225先物は、日中終値比320円高の39350円で取引を終えた。11月雇用統計は、非農業部門雇用者数は10月から予想以上に改善したが、失業率が予想外に上昇し、ハリケーンやストライキで悪化した10月からの改善は不十分との見方。12月連邦公開市場委員会(FOMC)での追加利下げ予想確率が上昇し、長期金利低下に伴うドル売りが優勢となり、為替市場では一時1ドル149円30銭台まで円高ドル安が進む場面も見られたが、その後に発表された12月ミシガン大学消費者態度指数速報値が予想を上回ったことなどを受け、終値時点では150円台まで値を戻した。来週の日経平均は、注目された11月米雇用統計を通過し、週末に12月オプション・先物取引特別清算(SQ)値が算出されることから、需給面を意識した展開となりそうだ。11月SQ値は39901.35円だが、11月8日に算出されて以降、日経平均は一度もSQ値を付けていないため、来週はこの水準を意識した思惑的な売買が先物を中心に入る可能性はある。東京エレクトロン<8035>や、ファーストリテ<9983>など値がさ株の動向が注目されよう。一方、18-19日の日本銀行による金融政策決定会合での利上げ実施観測は、11月末の植田和男日銀総裁の発言時点よりは下がっているが、来週発表される第3四半期実質GDP(二次速報値)などの経済データ次第で、再燃する余地は十分ある。また、日銀会合前の17-18日にFOMCが開催されることから、11月の消費者物価指数など米経済指標への関心も高まろう。今週は韓国情勢の急変によってリスク回避の円買いが強まったが、来週は日米中銀会合への思惑でドル・円が上下に振れる展開を想定する。日経平均採用銘柄では、自動車など輸出関連銘柄や円高メリット銘柄などが上昇・下落ランキングの上位に顔を出しそうだ。足下の日経平均は、75日移動平均線(75MA:38349円)、200日移動平均線(200MA:38677円)、25日移動平均線(25MA:38736円)水準をそろって上回っている。これは11月12日以来のことで、日経平均の短期的なトレンドは悪くないと言えよう。一方、12月プライム市場の売買代金は、3日に5兆円台をつけた以外は4兆円前後にとどまっており、週末6日はわずか3.5兆円ほどとなった。来週末のメジャーSQを通過すると、海外投資家の多くはクリスマス休暇入りすることから、プライム市場の売買代金も減少する見通しだ。メジャーSQに絡んだ思惑的な売買で、日経平均が瞬間的に4万円台を付ける可能性はあるが、4万円台を維持して、さらに一段高を狙うような商いを伴った強い展開は、来年2025年相場に持ち越しとなろう。■為替市場見通し来週のドル・円は底堅い値動きか。日米中央銀行の金融政策決定を翌週(12月第三週)に控え、両国のインフレ関連指標を注視する展開となりそうだ。市場予想を上回った場合、ドルは相対的に下げづらくなりそうだ。12月11日に発表される11月国内企業物価指数は上昇トレンドを維持しており、前回(10月)の前年比+3.4%を上回れば、今月の日銀金融政策決定会合で追加利上げ決定の支援材料となる可能性がある。日本銀行の中村審議委員は5日の講演で日本の消費者物価指数(CPI)コア指数が来年以降、目標の前年比+2%を下回る可能性に言及したが、利上げに反対しているわけではなく、あくまでデータ次第と説明している。一方、11月米消費者物価コア指数(CPI)は前年比+3.3%程度と予想されており、上昇率は10月実績と同水準となる見込み。インフレ緩和のペースは減速し、パウエル連邦準備制度理事会(FRB)議長は追加利下げを急ぐべきではないとの見解を表明しているため、市場予想と一致した場合、ドルは売りづらい。ただ、日銀、FRBとも金融政策の方針に関しては当局者内で意見が分かれ、方向性は明確に定まっていないとみられている。そのため、有力な売買材料が提供されない場合、米ドル・円は150円を挟んだ水準でのもみ合いが続く可能性がある。■来週の注目スケジュール12月9日(月):GDP改定値(7-9月)、国際収支(経常収支)(10月)、米・卸売在庫(10月)、米・NY連銀1年インフレ期待(11月)、中・生産者物価指数(11月)、中・消費者物価指数(11月)など12月10日(火):工作機械受注(11月)、米・非農業部門労働生産性(7-9月)、中・貿易収支(11月)、独・CPI(11月)、豪・オーストラリア準備銀行(中央銀行)が政策金利発表など12月11日(水):景況判断BSI大企業全産業(10-12月)、景況判断BSI大企業製造業(10-12月)、国内企業物価指数(11月)、米・消費者物価コア指数(11月)、米・財政収支(11月)、加・カナダ銀行(中央銀行)が政策金利発表、石油輸出国機構(OPEC)月報など12月12日(木):米・新規失業保険申請件数(先週)、米・生産者物価コア指数(11月)、欧・欧州中央銀行(ECB)が政策金利発表、ラガルド総裁が記者会見、豪・失業率(11月)、スイス・中央銀行が政策金利発表など12月13日(金):日銀短観(大企業製造業DI(12月)、メジャーSQ、鉱工業生産(10月)、米・輸入物価指数(11月)、英・鉱工業生産(10月)、英・商品貿易収支(10月)、欧・ユーロ圏鉱工業生産指数(10月)など
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2024/12/07 15:45
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英ポンド週間見通し:伸び悩みか、英国経済の不透明感深まる
*14:43JST 英ポンド週間見通し:伸び悩みか、英国経済の不透明感深まる
■下げ渋り、英中銀の利下げ継続を想定したポンド売りは一巡今週のポンド・円は下げ渋り。日本銀行による年内追加利上げの可能性は残されているものの、英中央銀行による利下げ継続を想定したリスク回避のポンド売りは一巡した。米ドル安・円高の流れは週末前に一服したことも影響し、対円でポンドは下げ渋った。取引レンジ:188円02銭-192円36銭。■伸び悩みか、英国経済の不透明感深まる来週のポンド・円は伸び悩みか。英中央銀行総裁は来年の利下げ回数を4回と想定していることが引き続き意識されそうだ。欧州経済の停滞や米貿易政策の変化などの影響で英国経済の不透明感はやや深まるとみられ、リスク選好的なポンド買い・円売りがただちに拡大する可能性は低いとみられる。○発表予定の英主要経済指標・注目イベント・13日:10月鉱工業生産(9月:前月比-0.5%)・13日:10月商品貿易収支(9月:-163.21億ポンド)予想レンジ:189円00銭-193円00銭
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2024/12/07 14:43
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豪ドル週間見通し:■底堅い展開か、豪政策金利は据え置きの公算
*14:42JST 豪ドル週間見通し:■底堅い展開か、豪政策金利は据え置きの公算
■軟調推移、成長減速で豪ドル売り強まる今週の豪ドル・円は弱含み。12月3日に韓国で非常戒厳が宣布され、リスク回避の円買いが急速に広がった。韓国国会で戒厳解除を求める決議案が可決され、円買いは後退した。しかしながら、4日発表の7-9月期国内総生産(GDP)成長率は市場予想を下回ったことから、週後半はリスク回避の豪ドル売り・円買いが優勢となった。取引レンジ:95円52銭-97円99銭。■底堅い展開か、豪政策金利は据え置きの公算来週の豪ドル・円は底堅い展開か。豪準備銀行(中央銀行)理事会が注目される。政策金利は9会合連続で据え置きとなる公算だが、「基調的インフレ率はなお高過ぎる」との見解は維持されるとみられ、政策金利が長期間据え置きとなる可能性が浮上した場合は豪ドルの下支えになる。○発表予定の豪主要経済指標・注目イベント・10日:豪準備銀行が政策金利発表(4.35%に据え置き予想)・12日:11月雇用統計(10月:失業率4.1%、雇用者数+1.59万人)予想レンジ:95円50銭-98円50銭
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2024/12/07 14:42
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ユーロ週間見通し:伸び悩みか、ECBは追加利下げの公算
*14:41JST ユーロ週間見通し:伸び悩みか、ECBは追加利下げの公算
■下げ渋り、仏政治不安緩和でユーロ売りは縮小今週のユーロ・ドルは下げ渋り。フランス下院で内閣不信任が可決されるとの見方で週初にリスク回避のユーロ売り・米ドル買いが活発となった。12月5日に内閣不信任が可決されたが、マクロン仏大統領は任期満了まで職務を全うする姿勢を見せたことでフランスの政局不安は緩和され、週後半はユーロを買い戻す動きがみられた。取引レンジ:1.0461ドル-1.0630ドル。■弱含みか、欧米中銀の異なる政策方針で下押しも来週のユーロ・ドルは弱含みか。低調なユーロ圏経済指標を背景に欧州中央銀行(ECB)の理事会メンバーからら追加利下げに前向きな見解が相次ぎ、ユーロ売りは継続しそうだ。対米貿易関係の不透明感もユーロ売りを支援。一方、米インフレ指標が市場予想と一致、または上回った場合、追加的な緩和措置への思惑は後退し、ユーロ売り・米ドル買いが強まりそうだ。予想レンジ:1.0400ドル-1.0700ドル■下げ渋り、フランス政治不安を懸念したユーロ売りは縮小今週のユーロ・円は下げ渋り。フランスの政治不安を懸念したユーロ売り・円買いが一時活発となった。12月5日に内閣不信任が可決されたが、マクロン仏大統領は任期満了まで職務を全うする姿勢を見せたことを受けてリスク回避のユーロ売りは縮小。米ドル売り・円買いも一服したことから、ユーロ・円は一時159円台半ばまで戻した。取引レンジ:156円17銭-159円57銭。■伸び悩みか、ECBは追加利下げの公算来週のユーロ・円は伸び悩みか。ユーロ圏のさえない経済指標を受けて欧州中央銀行(ECB)当局者から追加利下げに前向きな見解が相次いでおり、追加利下げは確定的。米次期政権による関税強化計画も、ユーロ売りを後押ししよう。日本銀行による12月利上げの可能性は消えていないこともユーロ・円相場を圧迫する一因となる。○発表予定のユーロ圏主要経済指標・注目イベント・12日(木):欧州中央銀行(ECB)政策金利発表予想レンジ:157円00銭-160円00銭
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2024/12/07 14:41
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為替週間見通し:ドルは底堅い値動きか、日米インフレ関連指標を注視する展開
*14:40JST 為替週間見通し:ドルは底堅い値動きか、日米インフレ関連指標を注視する展開
【今週の概況】■ドルはやや強含み、リスク回避の円買いは縮小今週の米ドル・円はやや強含み。日本銀行による12月利上げの可能性があること、フランスや韓国の政治不安を意識して12月3日の欧米市場で米ドル・円は一時148円台後半まで下落した。しかしながら、フランスと韓国の政治的な混乱は短期間で収束するとの見方が広がり、リスク回避の円買いは縮小した。日銀による12月利上げの可能性は消えていないものの、米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長は4日、「米国経済は9月に予想していたよりも好調」との見方を伝えたことを受けて一部でリスク選好的な米ドル買い・円売りが観測された。6日のニューヨーク外為市場で米ドル・円は150円台後半から149円37銭まで下落したが、ドル売りは拡大せず、後半にかけて150円台に戻した。この日発表された11月雇用統計で非農業部門雇用者数は市場予想を上回ったが、失業率の上昇を受けて12月の追加利下げ確率は上昇し、ドル売りが一時優勢となった。ただ、その後発表された12月ミシガン大学消費者信頼感指数速報値は市場予想を上回ったこと、ボウマンFRB理事が「注意深く、段階的な利下げを支持する」との見方を伝えたことから、リスク回避の米ドル売り・円買いは縮小し、150円04銭でこの週の取引を終えた。米ドル・円の取引レンジ:148円65銭-151円23銭。【来週の見通し】■ドルは底堅い値動きか、日米インフレ関連指標を注視する展開来週のドル・円は底堅い値動きか。日米中央銀行の金融政策決定を翌週(12月第三週)に控え、両国のインフレ関連指標を注視する展開となりそうだ。市場予想を上回った場合、ドルは相対的に下げづらくなりそうだ。12月11日に発表される11月国内企業物価指数は上昇トレンドを維持しており、前回(10月)の前年比+3.4%を上回れば、今月の日銀金融政策決定会合で追加利上げ決定の支援材料となる可能性がある。日本銀行の中村審議委員は5日の講演で日本の消費者物価指数(CPI)コア指数が来年以降、目標の前年比+2%を下回る可能性に言及したが、利上げに反対しているわけではなく、あくまでデータ次第と説明している。一方、11月米消費者物価コア指数(CPI)は前年比+3.3%程度と予想されており、上昇率は10月実績と同水準となる見込み。インフレ緩和のペースは減速し、パウエル連邦準備制度理事会(FRB)議長は追加利下げを急ぐべきではないとの見解を表明しているため、市場予想と一致した場合、ドルは売りづらい。ただ、日銀、FRBとも金融政策の方針に関しては当局者内で意見が分かれ、方向性は明確に定まっていないとみられている。そのため、有力な売買材料が提供されない場合、米ドル・円は150円を挟んだ水準でのもみ合いが続く可能性がある。【日・11月国内企業物価指数】(11日発表予定)11日発表の国内企業物価指数は前回実績の前年比+3.4%を上回るか注目される。市場予想と一致、または上回った場合、12月の追加利上げを見込んだ円買いを強める要因となる。【米・11月消費者物価コア指数(CPI)】(11日発表予定)11日発表の米11月消費者物コア指数(CPI)は前年比+3.30%と予想されている。市場予想と一致してもインフレの高止まりを示唆するデータとなり、ドル買い要因となろう。ドル・円の予想レンジ:148円50銭-152円00銭
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2024/12/07 14:40
注目トピックス 市況・概況
国内株式市場見通し:週末のメジャーSQを意識した思惑先行の売買に
*13:33JST 国内株式市場見通し:週末のメジャーSQを意識した思惑先行の売買に
■GPIF報道を材料に外国人投資家の買い観測高まる今週の日経平均は週間で883.14円高(+2.31%)の39091.17円と上昇。週初から4日続伸するなど、週を通してしっかりとした推移となった。2日、厚生労働省が、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)の来年度からの運用計画で、実質的な運用利回りの目標を現状の1.7%から1.9%に引き上げる案を示したことが材料視され、海外投資家を中心とした買いを観測し、3日に39000円台を回復した。3日深夜から4日未明にかけて、ユン・ソンニョル韓国大統領が突如「非常戒厳」を宣布し、数時間後に解除を表明したことで、為替市場ではリスク回避の円買いが入り1ドル148円台まで円高ドル安が進行。為替の円高進行は自動車株などの重しとなったが、三菱重工<7011>や川崎重工<7012>など防衛関連銘柄の一角に思惑買いが入ったほか、配当金の再投資観測や堅調な米国株なども意識され、日経平均は11月12日以来の39600円水準まで買われた。週末こそ4連騰の影響や11月米雇用統計の発表などを控えていたことから、日経平均は反落したが、週を通して39000円水準での堅調推移となった。なお、11月第4週の投資主体別売買動向によると、外国人投資家は現物を1930億円売り越したほか、TOPIX先物を521億円売り越し、225先物を701億円売り越したことから、合計3152億円の売り越しとなった。一方、個人投資家は現物を1518億円買い越すなど合計で1977億円買い越し。信託は現物を860億円買い越し、事業法人は2931億円買い越し、22週連続で買い越した。■12月メジャーSQ控え需給面先行の売買か6日の米国株式市場はまちまち。ダウ平均は前日比123.19ドル安の44462.52ドル、ナスダックは同159.05ポイント高の19859.77で取引を終了した。大証ナイト・セッションの日経225先物は、日中終値比320円高の39350円で取引を終えた。11月雇用統計は、非農業部門雇用者数は10月から予想以上に改善したが、失業率が予想外に上昇し、ハリケーンやストライキで悪化した10月からの改善は不十分との見方。12月連邦公開市場委員会(FOMC)での追加利下げ予想確率が上昇し、長期金利低下に伴うドル売りが優勢となり、為替市場では一時1ドル149円30銭台まで円高ドル安が進む場面も見られたが、その後に発表された12月ミシガン大学消費者態度指数速報値が予想を上回ったことなどを受け、終値時点では150円台まで値を戻した。来週の日経平均は、注目された11月米雇用統計を通過し、週末に12月オプション・先物取引特別清算(SQ)値が算出されることから、需給面を意識した展開となりそうだ。11月SQ値は39901.35円だが、11月8日に算出されて以降、日経平均は一度もSQ値を付けていないため、来週はこの水準を意識した思惑的な売買が先物を中心に入る可能性はある。東京エレクトロン<8035>や、ファーストリテ<9983>など値がさ株の動向が注目されよう。一方、18-19日の日本銀行による金融政策決定会合での利上げ実施観測は、11月末の植田和男日銀総裁の発言時点よりは下がっているが、来週発表される第3四半期実質GDP(二次速報値)などの経済データ次第で、再燃する余地は十分ある。また、日銀会合前の17-18日にFOMCが開催されることから、11月の米消費者物価指数など米経済指標への関心も高まろう。今週は韓国情勢の急変によってリスク回避の円買いが強まったが、来週は日米中銀会合への思惑でドル・円が上下に振れる展開を想定する。日経平均採用銘柄では、自動車など輸出関連銘柄や円高メリット銘柄などが上昇・下落ランキングの上位に顔を出しそうだ。■プライム市場の売買代金はSQ日以降減少へ足下の日経平均は、75日移動平均線(75MA:38349円)、200日移動平均線(200MA:38677円)、25日移動平均線(25MA:38736円)水準をそろって上回っている。これは11月12日以来のことで、日経平均の短期的なトレンドは悪くないと言えよう。一方、12月プライム市場の売買代金は、3日に5兆円台をつけた以外は4兆円前後にとどまっており、週末6日はわずか3.5兆円ほどとなった。来週末のメジャーSQを通過すると、海外投資家の多くはクリスマス休暇入りすることから、プライム市場の売買代金も減少する見通しだ。メジャーSQに絡んだ思惑的な売買で、日経平均が瞬間的に4万円台を付ける可能性はあるが、4万円台を維持して、さらに一段高を狙うような商いを伴った強い展開は、来年2025年相場に持ち越しとなろう。■12日にECB政策金利発表来週、日本では9日に11月景気ウォッチャー調査、第3四半期実質GDP(二次速報値)、10月国際収支、10日に11月マネーストックM2、11日に第4四半期景況判断BSI、11月国内企業物価、13日に12月日銀短観、10月鉱工業生産(確報値)などが予定されている。海外では、9日に中・11月生産者物価指数、消費者物価指数、米・10月卸売在庫、10日に豪・中銀政策金利、独・11月消費者物価指数(確報)、11日に南ア・11月消費者物価指数、10月小売売上高、米・11月消費者物価指数、週次原油在庫、12日に豪・11月雇用統計、欧・ECB政策金利、米・週次新規失業保険申請件数、11月生産者物価指数、13日に英・10月GDP、鉱工業生産指数、製造業生産高、貿易収支、欧・10月ユーロ圏鉱工業生産指数、米・11月輸入物価指数などが予定されている。
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2024/12/07 13:33
注目トピックス 市況・概況
新興市場見通し:関心はプライム市場に向かい、新興市場は静かな相場展開に
*13:32JST 新興市場見通し:関心はプライム市場に向かい、新興市場は静かな相場展開に
■プライム市場の大型株が買われ売り優勢の展開今週の新興市場は下落。同時期の騰落率は、日経平均が+2.31%だったのに対して、グロース市場指数は-1.59%、グロース市場250指数は-1.05%と新興市場の弱さが目立った。年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)の来年度からの運用計画に絡んだ外国人投資家による買い観測で、プライム市場の大型株が買われた一方、幕間つなぎの買いで上昇していたグロース市場は、売り優勢の展開となった。75日移動平均線(75MA)を下回ったグロース市場250指数は、週末、25日移動平均線(25MA)水準まで下落した。時価総額上位銘柄では、11月末の急騰後、売りが続いたQPS研究所<5595>は9月以来の水準まで下落したほか、アストロスケールHD<186A>も弱く、宇宙関連銘柄の下げが目立った。一方、三菱UFJ<8306>によるTOB実施を受けて、ウェルスナビ<7342>がTOB価格1950円にさや寄せ。証券会社のポジティブなレポートを材料に、Buysell Tech<7685>が買われた。4日にグロース市場と福岡Qボードに上場したTMH<280A>の初値は、公開価格を41.9%上回る2128円となった。■新興市場に関心は向かいにくいか来週は、12月の先物・オプション特別清算(SQ)値が週末に算出されることから、プライム市場中心の相場展開となり、新興市場に関心は向かいにくく、商いは減少しそうだ。売買代金は今週末にかけて減少しており、1000億円ほどにとどまっている。SQ通過後は、海外投資家の多くがクリスマス休暇入りするため、個人投資家中心の相場展開となり、新興市場に投資資金が向かう可能性はあるが、来週は我慢といったところか。売買代金が膨らまないことから、物色の対象は今週物色された銘柄や材料のある銘柄に限定されよう。年初来高値に迫っているBuysell Techは、高値更新すれば需給面を材料視した買いも期待できる。週末に、海外マネーが流入している銘柄として同社が取り上げられたことも好材料。同記事で、GENDA<9166>、Finatext HD<4419>、シェアリングテクノロジー<3989>、AnyMind<5027>、ステラファーマ<4888>、セルシード<7776>も取り上げられていることから、これらの銘柄にも注目したい。来週は、9日にエネルギーデータをAIで解析する事業を手掛けるインフォメティス<281A>、12日に医療法人の経営支援を手掛けるユカリア<286A>、13日にブランドバッグのサブスクリプション型シュエアリング事業を手掛けるラクサス・テクノロジーズ<288A>が、それぞれグロース市場に上場する。12月は18社の上場が予定されていたが、17日上場予定だったファイントゥデイHD<289A>が上場中止となったことから17社上場となる。
<FA>
2024/12/07 13:32
注目トピックス 市況・概況
米国株式市場見通し:CPI想定線となれば、主要3指数の史上最高値更新は継続か
*13:31JST 米国株式市場見通し:CPI想定線となれば、主要3指数の史上最高値更新は継続か
来週の米国株は、11月消費者物価指数(CPI)に関心が向かおう。今週末、ボウマンFRB理事が「注意深く、段階的な利下げを支持する」「インフレデータが金利決定判断を支援」と発言したこともあり、市場の関心は高い。来週11日に発表される結果次第で、12月FOMCの市場コンセンサスはほぼ固まると見られている。11月に発表された10月CPIは、前年同月比2.6%上昇(前月2.4%上昇)と加速。一方、変動の大きいエネルギーと食料品を除いたコア指数は、同3.3%上昇と前月比変わらずの足踏み状態とまちまちだった。11月CPIの予想は、同2.7%上昇と前月比ではやや加速、コアは同3.3%上昇と前月比変わらずと見込まれている。ともに前年同月と同じ、もしくは市場予想通りだった場合は、12月FOMCでの0.25%利下げ実施の支援材料となろう。10年債利回りは6日の雇用統計発表後、10月21日以来の4.12%水準まで低下しており、ハイテク株上昇の原動力となった。VIX指数は7月以来の12ポイント台まで低下しており、市場の楽観ムードはより強まっている。11月CPIが市場の想定線で無風通過となれば、主要3指数の史上最高値更新の強い流れは続くと考える。個別では、金利低下を原動力にアマゾンやアップル、メタが強いほか、マイクロソフト、アルファベットが盛り返している。エヌビディアは上値が重くなっているが、GAFAMが主要3指数を押し上げている構図だ。来週はミーム株のゲームストップの決算発表も控えており、大型株から中小型株など幅広い銘柄に物色が広がると想定する。引き続きトランプ次期大統領の発言など一挙手一投足に多少振らされる可能性はあるが、楽観的なムードは強く、トランプ次期政権の「良い処取り」の相場展開は続きそうだ。経済指標は、9日に10月卸売在庫、11日に11月消費者物価指数、週次原油在庫、12日に週次新規失業保険申請件数、11月生産者物価指数、13日に11月輸入物価指数などが予定されている。主要企業決算は、9日にオラクル、10日にゲームストップ、アドビ・バイオサービシズ、11日にメーシーズ、アドビ、12日にシエナ、ベル、ブロードコム、コストコ・ホールセールなどが予定されている。
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2024/12/07 13:31
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