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クリアル Research Memo(1):高成長を続けるオンライン不動産投資市場のリーディングカンパニー
配信日時:2024/06/24 19:21
配信元:FISCO
*19:21JST クリアル Research Memo(1):高成長を続けるオンライン不動産投資市場のリーディングカンパニー
■要約
クリアル<2998>は、不動産投資クラウドファンディングのリーディングカンパニーとして、オンライン不動産投資市場で事業を展開している。「株式会社ブリッジ・シー」の社名で2011年に設立された。不動産特定共同事業法(以下、不特法)※が2017年に規制緩和されたことを契機に、インターネットを通じた不動産投資クラウドファンディングサービスの提供が可能になる第1号及び第2号不動産特定共同事業者許可(電子取引業務)を2018年10月に取得した。また同年11月に「CREAL」のブランド名で、インターネットを利用した不動産ファンドオンラインマーケットサービスを開始している。
※ 不動産投資家の利益の保護を目的に1994年に制定。2017年の法改正により、小規模不動産特定共同事業を創設するとともに、クラウドファンディングに対応した環境が整備された。
業界の閉鎖性や資金、専門知識の不足などを背景に、個人投資家にとってハードルが高いものであった不動産投資について、資産運用プロセスのデジタルトランスフォーメーション(DX)によって「情報の透明性」と「オンライン投資の利便性」を追求している。独自開発の人工知能(AI)を活用し、個人を含むすべての投資家に幅広く投資機会を提供することで高成長を遂げ、2022年4月に東京証券取引所(以下、東証)グロース市場へ上場を果たした。
1. 事業概要
事業構成は、資産運用プラットフォーム事業の単一セグメントとなっており、1) 1万円から資産運用ができる、クラウドファンディングを活用した、個人投資家向けの不動産ファンドオンラインマーケットサービス「CREAL」、2) 機関投資家及び超富裕層向けに大型不動産を対象とした資産運用サービス「CREAL PRO」、3) 個人投資家向けに実物不動産を対象とした、中長期の資産運用サービス「CREAL PB」※の3つを展開している。
※ 2023年4月1日付の吸収分割に伴い、「CREAL PARTNERS」から「CREAL PB」にサービス名を変更し、それまで行ってきた賃貸管理サービス「CREAL PARTNERS」はその他セグメントで継承して運営している。
2. 2024年3月期の業績動向
2024年3月期の連結業績は、売上高21,044百万円(前期比28.0%増)、売上総利益3,562百万円(同61.4%増)、営業利益980百万円(同79.1%増)、経常利益941百万円(同89.7%増)、親会社株主に帰属する当期純利益647百万円(同92.6%増)と、売上高は前期比3割弱の増収を見せ、各利益も大幅な増益を達成した。特に同社がKPIのなかでも最重要視している売上総利益は売上高の増加率を超える前期比6割強と大幅な利益伸長を見せた。これは、「CREAL」において一括バルク売却から個別売却へ転換し、利益率が大幅に向上したことが最大の要因であるほか、「CREAL PRO」の取引規模が2倍近くまで伸びたことによる。この結果、広告宣伝費や人件費といった積極的な成長投資を吸収し、各利益においても大幅な増益となった。KPIについても、累計投資家数は63,879人(同56.3%増)、累計GMV(流通取引総額)は476.2億円(同72.8%増)と順調な進捗を見せた。
3. 2025年3月期の業績見通し
2025年3月期の連結業績予想は、売上高43,600百万円(前期比107.2%増)、売上総利益4,750百万円(同33.3%増)、営業利益1,350百万円(同37.7%増)、経常利益1,250百万円(同32.8%増)、親会社株主に帰属する当期純利益850百万円(同31.3%増)を見込んでいる。販管費が大幅に増加するものの、主力の「CREAL」において豊富なパイプラインの蓄積を生かした売却活動を行う計画であり、大幅な増収増益を見込んでいる。
4. 成長戦略
同社では「CREAL」が全体の成長を牽引しており、今後もその役割に変化はなく、積極的なマーケティングとIT投資を継続する。また、SBIホールディングス<8473>との提携がより活発化する状況を踏まえ、中期目標(2027年3月期目標)として年間GMV800億円、累計投資家数18万人の達成を掲げた。
同社の特長である「CREAL」のプラットフォームを最大限に活用して、それぞれの事業の増収増益を図る。将来的には、投資エントリー層、投資経験層、資産形成層、富裕層、機関投資家といったあらゆる顧客層の投資家ニーズに応える資産運用会社として、DXプラットフォームを通じて効率的に提供・運営を行い、不動産を中心としたオルタナティブアセット全般、例えば飛行機や船舶、太陽光発電システムなどを資産運用の対象に加え、ニーズに応えることとしている。不動産関係の将来的な商品ラインナップについては、現在取り扱っている不特法1号及び2号型商品のほか、不特法3号及び4号型商品を用意する予定である。
また、インバウンドニーズを捉えるべく、ホテル運営事業への参入を決定し、「CREAL HOTELS」を展開する。良質なホテルの供給によって、「CREAL」や「CREAL PRO」とのシナジーを生み出し、ビジネスチャンスを広げる。ホテルを取り込むことにより、「CREAL」では個人投資家への小口売却、「CREAL PRO」では機関投資家へのファンド販売など、継続的なアセットマネジメントを実現し、収益の拡大が期待できる。ホテル運営事業は、既存事業とのシナジーにより同社の第4の柱となりうる事業と考えられ、同社の成長拡大に寄与すると弊社ではみている。
■Key Points
・資産運用プロセスのDX推進と独自開発のAI活用により、個人投資家に不動産投資の機会を創出
・2024年3月期は前期比で売上高は3割弱の増収、各利益は大幅な増益を達成
・2025年3月期は売上高で前期比100%超、各段階利益では同30%超と加速度的な成長を計画
・「CREAL」を経営戦略の中核に位置付け、2027年3月期に年間GMV800億円の達成を計画
(執筆:フィスコアナリスト 村瀬智一)
<HN>
クリアル<2998>は、不動産投資クラウドファンディングのリーディングカンパニーとして、オンライン不動産投資市場で事業を展開している。「株式会社ブリッジ・シー」の社名で2011年に設立された。不動産特定共同事業法(以下、不特法)※が2017年に規制緩和されたことを契機に、インターネットを通じた不動産投資クラウドファンディングサービスの提供が可能になる第1号及び第2号不動産特定共同事業者許可(電子取引業務)を2018年10月に取得した。また同年11月に「CREAL」のブランド名で、インターネットを利用した不動産ファンドオンラインマーケットサービスを開始している。
※ 不動産投資家の利益の保護を目的に1994年に制定。2017年の法改正により、小規模不動産特定共同事業を創設するとともに、クラウドファンディングに対応した環境が整備された。
業界の閉鎖性や資金、専門知識の不足などを背景に、個人投資家にとってハードルが高いものであった不動産投資について、資産運用プロセスのデジタルトランスフォーメーション(DX)によって「情報の透明性」と「オンライン投資の利便性」を追求している。独自開発の人工知能(AI)を活用し、個人を含むすべての投資家に幅広く投資機会を提供することで高成長を遂げ、2022年4月に東京証券取引所(以下、東証)グロース市場へ上場を果たした。
1. 事業概要
事業構成は、資産運用プラットフォーム事業の単一セグメントとなっており、1) 1万円から資産運用ができる、クラウドファンディングを活用した、個人投資家向けの不動産ファンドオンラインマーケットサービス「CREAL」、2) 機関投資家及び超富裕層向けに大型不動産を対象とした資産運用サービス「CREAL PRO」、3) 個人投資家向けに実物不動産を対象とした、中長期の資産運用サービス「CREAL PB」※の3つを展開している。
※ 2023年4月1日付の吸収分割に伴い、「CREAL PARTNERS」から「CREAL PB」にサービス名を変更し、それまで行ってきた賃貸管理サービス「CREAL PARTNERS」はその他セグメントで継承して運営している。
2. 2024年3月期の業績動向
2024年3月期の連結業績は、売上高21,044百万円(前期比28.0%増)、売上総利益3,562百万円(同61.4%増)、営業利益980百万円(同79.1%増)、経常利益941百万円(同89.7%増)、親会社株主に帰属する当期純利益647百万円(同92.6%増)と、売上高は前期比3割弱の増収を見せ、各利益も大幅な増益を達成した。特に同社がKPIのなかでも最重要視している売上総利益は売上高の増加率を超える前期比6割強と大幅な利益伸長を見せた。これは、「CREAL」において一括バルク売却から個別売却へ転換し、利益率が大幅に向上したことが最大の要因であるほか、「CREAL PRO」の取引規模が2倍近くまで伸びたことによる。この結果、広告宣伝費や人件費といった積極的な成長投資を吸収し、各利益においても大幅な増益となった。KPIについても、累計投資家数は63,879人(同56.3%増)、累計GMV(流通取引総額)は476.2億円(同72.8%増)と順調な進捗を見せた。
3. 2025年3月期の業績見通し
2025年3月期の連結業績予想は、売上高43,600百万円(前期比107.2%増)、売上総利益4,750百万円(同33.3%増)、営業利益1,350百万円(同37.7%増)、経常利益1,250百万円(同32.8%増)、親会社株主に帰属する当期純利益850百万円(同31.3%増)を見込んでいる。販管費が大幅に増加するものの、主力の「CREAL」において豊富なパイプラインの蓄積を生かした売却活動を行う計画であり、大幅な増収増益を見込んでいる。
4. 成長戦略
同社では「CREAL」が全体の成長を牽引しており、今後もその役割に変化はなく、積極的なマーケティングとIT投資を継続する。また、SBIホールディングス<8473>との提携がより活発化する状況を踏まえ、中期目標(2027年3月期目標)として年間GMV800億円、累計投資家数18万人の達成を掲げた。
同社の特長である「CREAL」のプラットフォームを最大限に活用して、それぞれの事業の増収増益を図る。将来的には、投資エントリー層、投資経験層、資産形成層、富裕層、機関投資家といったあらゆる顧客層の投資家ニーズに応える資産運用会社として、DXプラットフォームを通じて効率的に提供・運営を行い、不動産を中心としたオルタナティブアセット全般、例えば飛行機や船舶、太陽光発電システムなどを資産運用の対象に加え、ニーズに応えることとしている。不動産関係の将来的な商品ラインナップについては、現在取り扱っている不特法1号及び2号型商品のほか、不特法3号及び4号型商品を用意する予定である。
また、インバウンドニーズを捉えるべく、ホテル運営事業への参入を決定し、「CREAL HOTELS」を展開する。良質なホテルの供給によって、「CREAL」や「CREAL PRO」とのシナジーを生み出し、ビジネスチャンスを広げる。ホテルを取り込むことにより、「CREAL」では個人投資家への小口売却、「CREAL PRO」では機関投資家へのファンド販売など、継続的なアセットマネジメントを実現し、収益の拡大が期待できる。ホテル運営事業は、既存事業とのシナジーにより同社の第4の柱となりうる事業と考えられ、同社の成長拡大に寄与すると弊社ではみている。
■Key Points
・資産運用プロセスのDX推進と独自開発のAI活用により、個人投資家に不動産投資の機会を創出
・2024年3月期は前期比で売上高は3割弱の増収、各利益は大幅な増益を達成
・2025年3月期は売上高で前期比100%超、各段階利益では同30%超と加速度的な成長を計画
・「CREAL」を経営戦略の中核に位置付け、2027年3月期に年間GMV800億円の達成を計画
(執筆:フィスコアナリスト 村瀬智一)
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