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株価指数先物 【週間展望】 ―薄商いながら+1σが射程に入ってくる可能性
配信日時:2024/04/29 17:00
配信元:MINKABU
今週の日経225先物は、連休の谷間で3日間の立ち合いとなり商いは膨らみづらく、一段と米国市場など外部要因の影響を受けやすくなりそうだ。26日の米国市場では主要な株価指数が上昇。ナスダック指数は大幅反発により直近で上値を抑えられていた75日移動平均線を突破してきた。前日に発表した決算が予想を上回ったマイクロソフトやアルファベットが買われ、アマゾン・ドット・コム、アドバンスト・マイクロデバイセズ、アームホールディングスなど他のハイテク株にも買いが波及した。
26日発表の米個人消費支出(PCE)コア価格指数は、前年同月比2.8%上昇(予想は2.7%上昇程度)、PCE総合価格指数は同2.7%上昇(同2.6%上昇程度)と、いずれも予想を上回り、米利下げが後ずれするとの懸念が重荷となった。ただし、このところの予想を上回る経済指標の発表を受けて年内の早期利下げ観測が後退するなか、この日は決算を手掛かりとした物色に向かわせた。
なお、シティグループは、米利下げ見通しを従来の6月開始から7月開始へ後退させ、年内の利下げ幅を125ベーシスから100ベーシスに縮小したようだ。バンク・オブ・アメリカやドイツ銀行などが12月利下げ開始を想定するのに対し、ハト派的な見解を示してきたシティグループにおいても2024年の利下げ予想を縮小しており、市場はこれを織り込んできていると考えられる。
4月30日~5月1日に開催される米連邦公開市場委員会(FOMC)、会合後に予定されているパウエル連邦準備理事会(FRB)議長の発言も大きな変化はなさそうだ。また、3日発表予定の4月の雇用統計では、非農業部門雇用者数の伸びは緩やかになるものの、依然として力強いペースを維持するとみられている。
東京市場は先週の荒い値動きによって持ち高調整の動きは一巡したと考えられる。日経225先物は26日の取引終了後のナイトセッションで、ボリンジャーバンドの-1σ(3万8000円)および75日線(3万8070円)を突破した。25日線(3万9020円)が射程に入ってきており、-1σと中心値(25日)とのレンジに移行することで、オプション権利行使価格の3万8000円から3万9000円によるレンジ推移が見込まれる。
3日間の取引で手掛けづらさはあるが、FOMC通過後にアク抜け的な動きともなれば、米雇用統計の発表を控えつつも、25日線を捉えてくる可能性はありそうだ。基本は膠着とみるが、若干ロングに向かう展開は想定しておきたい。
また、26日の取引終了後に決算を発表したところでは、アドバンテスト <6857> [東証P]がPTS(私設取引)で5%超の下落となったが、ADR(米預託証券)では2.5%安と下げ幅を縮めていた。株価は足もとで調整を継続していたこともあり、織り込まれていた面もあろう。一方で、三菱電機 <6503> [東証P]、日立製作所 <6501> [東証P]、NEC<6701> [東証P]の重電3社は内容としてはポジティブであった。アドバンテストのマイナスインパクトは限られるだろう。
日経225先物は、ナイトセッション開始後に3万7800円~3万8000円辺りと、75日線水準での攻防を続けたが、米国市場の取引開始後にレンジを上放れ3万8350円辺りでの推移となった。祝日取引では10時40分時点で一時3万8750円まで買われる場面も見られた。
イスラエルが恒久的な停戦に向けて議論する用意があるとハマスに提案した、と米国メディアが報じた。イスラエル側から停戦の意思が示されたのは初であり、地政学リスクの後退が材料視されているとみられる。楽観は禁物だが、懸念要因だった地政学リスクが和らげば、リスク選好に傾きやすいだろう。日経225先物は25日線突破を意識したスタンスから、+1σが位置する4万0030円が射程に入ってくる可能性がありそうだ。
26日のVIX指数は、15.03(前日は15.37)に低下した。19日には一時21.36と昨年10月下旬以来の水準まで上昇したが、その後は調整し25日に25日線を割り込み、26日には200日線水準まで下げてきた。前週の上昇分を打ち消す形の低下をみせている。FOMC、米雇用統計など経済指標の内容次第では再びショートが強まる可能性はあるが、地政学リスクの後退によって一段の低下となれば、ショートカバーを強めてくる可能性がある。
なお、週末のNT倍率は先物中心限月で14.09倍(前日は14.12倍)だった。低下傾向にあったが、22日に付けた13.97倍をボトムに、その後はリバウンドの動きを見せた。ただし、14.17倍辺りに位置する200日線が抵抗線して機能している。日経225先物の祝日明けの強さから、いったんは25日線突破からNTショートを巻き戻す動きが強まる展開を想定しておきたいところだろう。ただし、大型連休明け後には決算発表がピークを迎えることから、スプレッド狙いのトレードは限られそうだ。
4月第3週(4月15日-19日)の投資部門別売買動向によると、海外投資家は現物と先物の合算では3週ぶりに売り越しており、売り越し額は1兆1395億円の売り越し(4月第2週は8259億円の買い越し)だった。なお、現物は5924億円の売り越し(同5955億円の買い越し)と3週ぶりの売り越しであり、先物は5470億円の売り越し(同2304億円の買い越し)と2週ぶりに売り越している。個人は現物と先物の合算で1兆1130億円の買い越しで、2週ぶりの買い越し。信託銀行は現物と先物の合算で587億円の買い越しとなり、3週ぶりの買い越しだった。
経済スケジュールでは、4月30日に3月完全失業率、3月有効求人倍率、3月鉱工業生産、中国4月製造業PMI、米国4月コンファレンスボード消費者信頼感指数、5月1日に米国4月ADP雇用統計、米国4月ISM製造業景気指数、FOMC終了後に政策金利発表、パウエルFRB議長記者会見、2日に4月消費動向調査、米国3月貿易収支、米国1-3月期非農業部門労働生産性指数、米国3月製造業新規受注、3日に米国4月雇用統計、米国4月ISM非製造業景気指数などが予定されている。
――プレイバック・マーケット――
●SQ値
05月限 日経225 29235.08 TOPIX 2090.33
06月限 日経225 32018.38 TOPIX 2211.13
07月限 日経225 32484.24 TOPIX 2245.68
08月限 日経225 32013.86 TOPIX 2278.68
09月限 日経225 32921.39 TOPIX 2370.93
10月限 日経225 32360.91 TOPIX 2326.75
11月限 日経225 32454.88 TOPIX 2318.99
12月限 日経225 32639.57 TOPIX 2343.77
01月限 日経225 36025.97 TOPIX 2513.46
02月限 日経225 37018.07 TOPIX 2563.93
03月限 日経225 39863.92 TOPIX 2716.15
04月限 日経225 39820.59 TOPIX 2766.89
◆日経225先物(日足)
始値 高値 安値 清算値 前日比
24/06 04月26日 37610 38120 37130 37900 +290
24/06 04月25日 38400 38400 37590 37610 -830
24/06 04月24日 37580 38470 37530 38440 +890
24/06 04月23日 37390 37850 37340 37550 +120
24/06 04月22日 37270 37590 37020 37430 +330
◇TOPIX先物(日足)
始値 高値 安値 清算値 前日比
24/06 04月26日 2661.5 2695.0 2636.5 2689.5 +27.0
24/06 04月25日 2709.0 2709.0 2659.5 2662.5 -47.5
24/06 04月24日 2668.0 2713.5 2664.5 2710.0 +46.0
24/06 04月23日 2660.0 2689.0 2651.5 2664.0 +1.0
24/06 04月22日 2636.5 2675.5 2631.0 2663.0 +37.0
●シカゴ日経平均 円建て
清算値 前日大阪比
04月26日(06月限) 38365 +465
04月25日(06月限) 37665 +55
04月24日(06月限) 38185 -255
04月23日(06月限) 37915 +365
04月22日(06月限) 37725 +295
※前日比は大阪取引所終値比
□裁定取引に係る現物ポジション裁定残(金額)
売り 前週末比 買い 前週末比
04月19日 4205億円 -91億円 2兆2985億円 -1728億円
04月12日 4296億円 -1524億円 2兆4713億円 -495億円
04月05日 5821億円 +210億円 2兆5208億円 -278億円
03月29日 5610億円 +567億円 2兆5487億円 +2685億円
03月22日 5042億円 +672億円 2兆2802億円 +2058億円
03月15日 4370億円 +233億円 2兆0744億円 +1529億円
□裁定取引に係る現物ポジション(株数)
売り 前日比 買い 前日比
04月24日 9991万株 +33万株 7億5027万株 +664万株
04月23日 9958万株 0株 7億4363万株 -781万株
04月22日 9958万株 +47万株 7億5144万株 -1億0215万株
04月19日 9910万株 -63万株 8億5359万株 -888万株
04月18日 9974万株 -29万株 8億6248万株 -409万株
04月17日 1億0003万株 +272万株 8億6657万株 -434万株
04月16日 9731万株 +3万株 8億7092万株 +1248万株
04月15日 9728万株 +215万株 8億5843万株 -1000万株
04月12日 9512万株 -2594万株 8億6844万株 -2270万株
04月11日 1億2106万株 -181万株 8億9114万株 -2276万株
04月10日 1億2288万株 -911万株 9億1390万株 -374万株
04月09日 1億3200万株 -125万株 9億1765万株 -640万株
04月08日 1億3325万株 -532万株 9億2405万株 +2430万株
★4月30日~5月6日に「ゴールデンウイーク特集」などを一挙、"35本"配信します。ご期待ください。
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株価指数先物 【週間展望】 ―決算・トランプトレードで方向感はつかみづらい
今週の日経225先物は、本格化する日米決算に市場の関心が集まり、企業業績の影響を受けやすくなるとみられる。また、米国では9月にも利下げが期待されるなか、出遅れ感のある銘柄が買われる一方で、これまで相場を牽引してきたハイテク株に持ち高調整の売りが出るといったローテーションの動きが観測された。
19日の米国市場では、マイクロソフトの基本ソフト(OS)で発生したシステム障害を受けて、リスク資産を圧縮する動きがみられた。クラウドストライク・ホールディングスのセキュリティ・ソフトウェアの更新で不具合があったためと原因が特定され、障害は収束に向かうとみられるが、影響を見極めるまでポジションの積み増しは手控えられそうだ。
また、4-6月期の売上高が予想に届かなかったトラベラーズが7%を超える急落となりNYダウを押し下げたほか、アメックスも決算が嫌気されていた。今週は22日にベライゾンコミュニケーションズ、23日にアルファベット、テキサス・インスツルメンツ、テスラ、24日にIBM、25日にアッヴィ、26日にスリーエムなどの決算発表が予定されている。
国内でも18日に4-6月期決算を発表したディスコ <6146> [東証P]が、19日に5%近く下落していた。今週は23日のニデック <6594> [東証P]や25日の日産自動車 <7201> [東証P]、26日の信越化学工業 <4063> [東証P]、日東電工 <6988> [東証P]などの決算が注目され、模様眺めムードが高まりやすいだろう。
日経225先物は7月12日に1200円安となり、祝日明け16日に小幅に反発したものの、その後は連日の調整で19日に節目の4万円を割り込んだ。4万円近辺に位置する25日移動平均線まで下げてきたことで、いったんは調整一巡によるリバウンドが意識されやすいところではある。だが、19日取引終了後のナイトセッションでは一時3万9570円まで売られている。マイクロソフトのシステム障害の影響があったと考えられ、リバウンド狙いの買いは期待されるものの、25日線が心理的な抵抗線として機能する可能性がある一方で、下へのバイアスが強まると75日線が位置する3万9000円近辺を試す展開もありそうだ。
そのため、オプション権利行使価格の3万9000円から4万円のレンジを想定する。ハイテク株の動向を見極めつつ、ボトムを探る流れになりそうだ。強いリバウンドは期待しづらく、戻り待ち狙いのショートが優勢になりそうだ。
直近の大幅な下げによって過熱感は後退し、値幅としては調整一巡感が意識されやすい。ただし、ローテーションの動きが強まったことで、指数インパクトの大きい値がさハイテク株の下げ止まりを見極める必要があろう。東京エレクトロン <8035> [東証P]は直近高値の7月11日3万8930円から18日安値の2万9755円まで下げ、節目の3万円を割り込んでいた。200日線までの調整を経て反転をみせてくるかが注目される。
そのほか、11月の米大統領選に向け、トランプ前大統領の再選機運が高まっている。先週はドル高是正発言を受けて円高に振れる場面が見られており、今後マーケットはトランプ氏の発言に振り回される状況が増えそうだ。また、19日にはウクライナのゼレンスキー大統領と電話会談を行ったと発表。次期大統領として侵攻を終結させることに意欲を示したと報じられている。今後は政策の影響を先取りする形でトランプトレードが本格化する可能性もある。
トランプトレードとなると、再生可能エネルギー促進からの政策転換で、石油などの資源株物色が意識されやすく、相対的にTOPIX型優位の展開が見込まれる。先週末のNT倍率は先物中心限月で14.00倍と横ばいだった。18日に7月2日に付けた直近安値の13.94倍を下回っていたこともあり、NTショートでのスプレッド狙いも一巡感が意識されやすいタイミングだった。ただ、トランプ氏の言動の予測不確実性もあって方向性は見極めにくくなりそうだ。
18日のVIX指数は16.52(前日は15.93)に上昇した。株式市場でローテーションが強まるなか、トランプ前大統領の発言に振られる状況を受けて、リスク回避の動きがみられた。また、19日には一時10.62まで急低下した後に切り返すなど荒い値動きだった。方向感は見極めづらいものの、4月15日の戻り高値19.23辺りが目先意識されそうだ。
7月第2週(7月8日-12日)の投資部門別売買動向によると、海外投資家は現物と先物の合算では3週連続の買い越しであり、買い越し額は9786億円(7月第1週は8765億円の買い越し)だった。なお、現物は1288億円の買い越し(同1836億円の買い越し)と3週連続の買い越しであり、先物は8497億円の買い越し(同6928億円の買い越し)と3週連続で買い越した。個人は現物と先物の合算で1438億円の買い越しで、3週ぶりの買い越し。信託銀行は現物と先物の合算で9975億円の売り越しとなり、8週連続の売り越しだった。
経済スケジュールでは、22日に中国7月中国最優遇貸出金利、23日に米国6月中古住宅販売件数、米国7月リッチモンド連銀製造業指数、24日に米国7月製造業PMI、米国7月サービス業PMI、米国6月新築住宅販売件数、25日にG20財務相・中央銀行総裁会議(~26日)、6月企業向けサービス価格指数、米国4-6月期GDP、米国6月耐久財受注、26日に7月東京都区部消費者物価指数、5月景気動向指数改定値、米国6月個人所得、米国6月個人支出、パリオリンピック開幕(~8月11日)などが予定されている。
――プレイバック・マーケット――
●SQ値
08月限 日経225 32013.86 TOPIX 2278.68
09月限 日経225 32921.39 TOPIX 2370.93
10月限 日経225 32360.91 TOPIX 2326.75
11月限 日経225 32454.88 TOPIX 2318.99
12月限 日経225 32639.57 TOPIX 2343.77
01月限 日経225 36025.97 TOPIX 2513.46
02月限 日経225 37018.07 TOPIX 2563.93
03月限 日経225 39863.92 TOPIX 2716.15
04月限 日経225 39820.59 TOPIX 2766.89
05月限 日経225 38509.47 TOPIX 2728.75
06月限 日経225 38535.35 TOPIX 2714.56
07月限 日経225 41531.26 TOPIX 2893.54
◆日経225先物(日足)
始値 高値 安値 清算値 前日比
24/09 07月19日 40160 40360 39820 40040 -200
24/09 07月18日 40900 40910 40060 40240 -840
24/09 07月17日 41230 41590 41060 41080 -160
24/09 07月16日 41260 41530 41020 41240 +70
◇TOPIX先物(日足)
始値 高値 安値 清算値 前日比
24/09 07月19日 2869.0 2882.5 2844.5 2860.0 -13.0
24/09 07月18日 2908.0 2909.0 2865.0 2873.0 -43.0
24/09 07月17日 2904.5 2930.0 2901.0 2916.0 +11.0
24/09 07月16日 2899.0 2923.0 2884.0 2905.0 +8.5
●シカゴ日経平均 円建て
清算値 前日大阪比
07月19日(09月限) 39660 -380
07月18日(09月限) 40055 -185
07月17日(09月限) 40240 -840
07月16日(09月限) 41545 +305
07月15日(09月限) 41090 -80
※前日比は大阪取引所終値比
□裁定取引に係る現物ポジション裁定残(金額)
売り 前週末比 買い 前週末比
07月12日 5525億円 +490億円 2兆6817億円 +1688億円
07月05日 5035億円 +237億円 2兆5129億円 +1441億円
06月28日 4797億円 +385億円 2兆3687億円 +2569億円
06月21日 4412億円 +145億円 2兆1118億円 +734億円
06月14日 4267億円 +758億円 2兆0384億円 -4321億円
□裁定取引に係る現物ポジション(株数)
売り 前日比 買い 前日比
07月17日 1億5064万株 +254万株 9億0852万株 +1119万株
07月16日 1億4810万株 +157万株 8億9733万株 +31万株
07月12日 1億4652万株 -104万株 8億9701万株 +2000万株
07月11日 1億4757万株 +882万株 8億7700万株 +295万株
07月10日 1億3874万株 +1307万株 8億7405万株 -119万株
07月09日 1億2567万株 +765万株 8億7525万株 +910万株
07月08日 1億1802万株 -293万株 8億6614万株 -560万株
07月05日 1億2095万株 -785万株 8億7175万株 +314万株
07月04日 1億2881万株 +104万株 8億6860万株 +2515万株
07月03日 1億2777万株 +1008万株 8億4345万株 +576万株
07月02日 1億1768万株 -173万株 8億3769万株 +1365万株
07月01日 1億1941万株 +788万株 8億2404万株 -614万株
06月28日 1億1153万株 -86万株 8億3018万株 +447万株
06月27日 1億1240万株 +824万株 8億2571万株 +1638万株
06月26日 1億0415万株 +162万株 8億0932万株 +3871万株
06月25日 1億0252万株 -248万株 7億7061万株 +1165万株
06月24日 1億0501万株 -43万株 7億5895万株 +2458万株
株探ニュース
2024/07/21 17:00
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株価指数先物 【週間展望】 ―「もしトラ」の物色が強まるとTOPIX型が優位に
今週の日経225先物]は、米国市場の動向に影響を受けやすい展開が見込まれる。12日の米国市場は主要な株価指数が上昇し、[[stock/0800/chart|NYダウはおよそ2カ月ぶりに4万ドルを回復した。一時5月24日に付けた史上最高値4万0077ドルを上回る場面も見られた。7月の米ミシガン大学消費者態度指数が66.0と6月の68.2から低下し、市場予想(68.5程度)を下回った。また、1年先と5-10年先のインフレ期待がともに前月を下回っている。
6月の米卸売物価指数(PPI)は若干予想を上回ったものの、前日発表の6月の米消費者物価指数(CPI)が前月比で低下したこともあり、インフレの落ち着きを示す内容と受け止められて、米連邦準備理事会(FRB)が9月にも利下げに動くとの観測が引き続き買い材料となった。米セントルイス連銀のムサレム総裁は、最近の統計データは金融当局が物価目標に向けて前進していることを示すとの見方を明らかにしている。
一方で、米国では決算発表が本格化する。12日に4-6月期決算を発表したJPモルガン・チェースは、純利益が前年同期比25%増と4四半期ぶりに過去最高益を記録した。ただし、2024年12月期通期の純金利収入の見通しが慎重と受け止められ、同社株は下落。また、同日に決算を発表したシティグループとウェルズ・ファーゴも下落しており、今週予定されるゴールドマン・サックス・グループ(15日)、バンク・オブ・アメリカ、モルガン・スタンレー(16日)、ジョンソン・エンド・ジョンソン(17日)、ネットフリックス(18日)、アメリカン・エキスプレス(19日)などの決算動向の影響を受けやすいだろう。
また、12日の米国市場ではエヌビディアなど半導体株が反発した。前日には大きく下落しており、物色対象のローテーションが本格化するかが注目される。中小型株で構成されるラッセル2000指数は12日も上昇し、3日続伸した。大型株から中小型株への資金シフトが本格化すれば、東京市場でも指数インパクトの大きい値がさハイテク株の上値の重さが意識される可能性がありそうだ。
日経225先物は12日に1200円下落し、取引終了後のナイトセッションでは一時4万1020円まで売られる場面もみらた。その後4万1480円まで買われたが、大阪比20円高の4万1190円で終えた。祝日取引では4万1380円まで買われた後は、4万1250円辺りで推移しており、1200円幅の急落後の反動としてはリバウンド力は弱い。ボリンジャーバンドの+1σ(4万1050円)処まで調整をみせたことで、今週は引き続きリバウンドが意識されてこよう。ただし、週足では+2σ(4万1420円)が抵抗線として機能する可能性が出てきており、+1σ(4万0290円)処までの調整は警戒しておく必要があろう。
そのため、オプション権利行使価格の4万1250円を中心とした上下の権利行使価格4万1000円から4万1500円のレンジを想定する。米国でエヌビディアなど半導体株の買いが再び強まれば、先週末の下落に対するリバウンドが強まる可能性はありそうだ。
米国の大統領選挙を11月に控えるなか、米共和党のドナルド・トランプ前大統領が演説中に銃撃された。事件直後、オンライン予測市場ではトランプ氏の当選確率が上昇している。「もしトラ」を睨んだ物色が意識されやすく、三菱重工業 <7011> [東証P]や川崎重工業 <7012> [東証P]など防衛関連には追い風との見方がある。そのため、相対的にTOPIX型優位の展開となる可能性がある。
12日のVIX指数は12.46(前日は12.92)に低下した。一時12.11まで低下し、終値では12.55辺りに位置する25日移動平均線を下回って終えた。前日には一時13.33まで上昇する場面もみられたが、その後は25日線水準での攻防だった。いったんは75日線(13.77)、200日線(14.18)辺りが意識されてくる可能性はあるが、一方で再び12.00を下回ってくるようだと、リスク選好の流れに向かいやすいとみておきたい。
なお、先週末のNT倍率は先物中心限月で14.21倍に上昇した。先週は週初の上昇で75日線を上回り、14.20倍を突破すると、11日には一時14.47倍まで切り上がった。ただし、12日の急落によって14.21倍と安値で終えた。25日、75日、200日線が14.15~14.17倍辺りに位置しているため、これらの水準から反転をみせてくるかが注目されそうだ。
7月第1週(7月1日-5日)の投資部門別売買動向によると、海外投資家は現物と先物の合算では2週連続の買い越しであり、買い越し額は8765億円(6月第4週は5964億円の買い越し)だった。なお、現物は1836億円の買い越し(同1239億円の買い越し)と2週連続の買い越しであり、先物は6928億円の買い越し(同4724億円の買い越し)と2週連続で買い越した。個人は現物と先物の合算で4904億円の売り越しで、2週連続の売り越し。信託銀行は現物と先物の合算で3911億円の売り越しとなり、7週連続の売り越しだった。
経済スケジュールでは、16日に日銀金融政策決定会合議事録(1~6月分)、米国6月小売売上高、米国6月輸出入物価指数、米国5月企業在庫、17日に6月訪日外客数、米国6月住宅着工件数、米国6月鉱工業生産指数・設備稼働率、米国米地区連銀経済報告(ベージュブック)、18日に6月貿易収支、ECB(欧州中央銀行)政策金利、米国6月コンファレンス・ボード景気先行指数、19日に6月全国消費者物価指数などが予定されている。
――プレイバック・マーケット――
●SQ値
08月限 日経225 32013.86 TOPIX 2278.68
09月限 日経225 32921.39 TOPIX 2370.93
10月限 日経225 32360.91 TOPIX 2326.75
11月限 日経225 32454.88 TOPIX 2318.99
12月限 日経225 32639.57 TOPIX 2343.77
01月限 日経225 36025.97 TOPIX 2513.46
02月限 日経225 37018.07 TOPIX 2563.93
03月限 日経225 39863.92 TOPIX 2716.15
04月限 日経225 39820.59 TOPIX 2766.89
05月限 日経225 38509.47 TOPIX 2728.75
06月限 日経225 38535.35 TOPIX 2714.56
07月限 日経225 41531.26 TOPIX 2893.54
◆日経225先物(日足)
始値 高値 安値 清算値 前日比
24/09 07月12日 42290 42400 41170 41170 -1200
24/09 07月11日 41950 42490 41900 42370 +430
24/09 07月10日 41610 41960 41440 41940 +320
24/09 07月09日 40890 41790 40880 41620 +770
24/09 07月08日 40840 41120 40790 40850 -10
◇TOPIX先物(日足)
始値 高値 安値 清算値 前日比
24/09 07月12日 2924.5 2928.0 2883.0 2896.5 -32.5
24/09 07月11日 2915.5 2952.5 2913.0 2929.0 +13.5
24/09 07月10日 2895.5 2918.5 2886.5 2915.5 +19.0
24/09 07月09日 2876.5 2909.5 2869.0 2896.5 +23.5
24/09 07月08日 2884.0 2895.0 2867.5 2873.0 -12.0
●シカゴ日経平均 円建て
清算値 前日大阪比
07月12日(09月限) 41210 +40
07月11日(09月限) 41560 -810
07月10日(09月限) 42470 +530
07月09日(09月限) 41515 -105
07月08日(09月限) 40910 +60
※前日比は大阪取引所終値比
□裁定取引に係る現物ポジション裁定残(金額)
売り 前週末比 買い 前週末比
07月05日 5035億円 +237億円 2兆5129億円 +1441億円
06月28日 4797億円 +385億円 2兆3687億円 +2569億円
06月21日 4412億円 +145億円 2兆1118億円 +734億円
06月14日 4267億円 +758億円 2兆0384億円 -4321億円
06月07日 3508億円 +30億円 2兆4705億円 -1145億円
□裁定取引に係る現物ポジション(株数)
売り 前日比 買い 前日比
07月10日 1億3874万株 +1307万株 8億7405万株 -119万株
07月09日 1億2567万株 +765万株 8億7525万株 +910万株
07月08日 1億1802万株 -293万株 8億6614万株 -560万株
07月05日 1億2095万株 -785万株 8億7175万株 +314万株
07月04日 1億2881万株 +104万株 8億6860万株 +2515万株
07月03日 1億2777万株 +1008万株 8億4345万株 +576万株
07月02日 1億1768万株 -173万株 8億3769万株 +1365万株
07月01日 1億1941万株 +788万株 8億2404万株 -614万株
06月28日 1億1153万株 -86万株 8億3018万株 +447万株
06月27日 1億1240万株 +824万株 8億2571万株 +1638万株
06月26日 1億0415万株 +162万株 8億0932万株 +3871万株
06月25日 1億0252万株 -248万株 7億7061万株 +1165万株
06月24日 1億0501万株 -43万株 7億5895万株 +2458万株
06月21日 1億0544万株 -360万株 7億3436万株 +406万株
06月20日 1億0905万株 +80万株 7億3030万株 -10万株
06月19日 1億0824万株 -47万株 7億3040万株 +424万株
06月18日 1億0872万株 -297万株 7億2616万株 +1433万株
06月17日 1億1169万株 +1079万株 7億1183万株 +1234万株
株探ニュース
2024/07/15 17:00
みんかぶニュース その他
株価指数先物 【週間展望】 ―パッシブ型ETF決算に伴う売り需要はロングで対応
今週の日経225先物は、急ピッチの上昇に対する過熱感や需給イベントに伴う売り需要が警戒されるものの、先高期待の強い展開が見込まれる。前週は7月4日に5営業日続伸し一時4万0980円まで買われ、3月22日に付けた4万0870円を突破。週末5日は一時4万1120円まで買われた。4日の米国が祝日だった影響もあり、海外勢のフローが限られるなかで6営業日ぶりに反落はしたが、30円安と小幅な下げにとどまっており、押し目買い意欲の強さが窺えた。
祝日明け5日の米国市場では、主要な株価指数が上昇した。注目されていた6月の雇用統計は、非農業部門雇用者数が前月比20万6000人増だった。予想(19万人増程度)は上回ったものの、5月の21万8000人増から伸びが鈍化している。平均時給は前月比0.3%増と市場予想と一致し、前月(0.4%増)から鈍化した。この結果を受けて早期利下げ観測が高まり、米長期金利の低下が追い風となった。
アマゾン・ドット・コムやアップル、マイクロソフトなど大型テック株が買われたほか、アームホールディングス、アドバンスト・マイクロデバイセズなど半導体株の一角が買われた。一方で、アナリストによる投資判断の格下げが観測されたエヌビディアは下落した。
シカゴ日経平均先物清算値は日中大阪比175円高の4万1035円だった。日経225先物のナイトセッションは終盤にかけてリバウンドを強め、4万1070円まで買われる場面もみられた。この流れを引き継ぎ、週明けは買い先行で始まりそうだ。日経225先物は6月下旬辺りからは、上向きで推移するボリンジャーバンドの+2σを挟んだ、+1σと+3σによるレンジ内で強いトレンドを継続。先週は中盤以降、+2σと+3σでのレンジ内で推移している。
5日の取引終了後のナイトセッションでは+2σを下回って始まったものの、その後の上昇で+2σを上回って終えた。+2σは4万0910円、+3σは4万1750円辺りに位置しており、+2σ水準での底堅さが意識されてくると、+3σをターゲットとしたトレンドに向かいやすいだろう。
一方で、今週は売り需要が見込まれている。インデックス連動のパッシブ型ETF(上場投資信託)の決算が8日、10日に控えており、分配金捻出のため、現物株と先物市場にポジション解消の売りが予想され、需給面の重荷となろう。
なお、2023年7月の月間騰落では3万3060円を高値に、一時3万1500円まで下げ、3万2510円で終えていた。短期的には+1σが位置する4万0080円辺りまでの調整は意識しておいた方が良さそうである。そのため、オプション権利行使価格の4万1000円を中心に、権利行使価格の4万0500円から4万1500円処のレンジを想定する。下半期入り後の急ピッチの上昇で買い遅れているファンドなどが、この売り需要に対して買い向かう可能性はありそうだ。4万0500円を下回ってきたとしても、+1σ水準までは基本的に押し目狙いのロング対応となろう。
5日のVIX指数は12.48(前日は12.26)に上昇した。一時12.61まで上昇する場面も見られたが、25日移動平均線(12.57)水準が抵抗線として意識される形で上げ幅を縮めていた。ボトム圏での推移を継続するなか、25日線を明確に上回ってくると、いったんは75日線(13.80)、200日線(14.35)辺りが意識されてくる可能性があろう。もっとも、現時点ではボトム圏での推移が続いているため、慎重姿勢は強まらないとみておきたい。
なお、先週末のNT倍率は先物中心限月で14.16倍に上昇した。14.14倍に位置している200日線を突破し、75日線が位置する14.19倍に接近してきた。ETFの決算に絡んだ売り需要によりTOPIX型が相対的に弱含む可能性があるため、75日線を突破してくることも考えられる。また、5日の米国ではエヌビディアは下落したが、アームホールディングスは8%近く上昇しており、ソフトバンクグループ <9984> [東証P]への支援材料になる可能性があり、日経平均型が優位になりそうである。
6月第4週(6月24日-28日)の投資部門別売買動向によると、海外投資家は現物と先物の合算では2週ぶりの買い越しであり、買い越し額は5964億円(6月第3週は6257億円の売り越し)だった。なお、現物は1239億円の買い越し(同213億円の売り越し)と6週ぶりの買い越しであり、先物は4724億円の買い越し(同6043億円の売り越し)と2週ぶりに買い越した。個人は現物と先物の合算で6445億円の売り越しで、4週ぶりの売り越し。信託銀行は現物と先物の合算で312億円の売り越しとなり、6週連続の売り越しだった。
経済スケジュールでは、8日に5月毎月勤労統計、5月国際収支、6月景気ウオッチャー調査、米国5月消費者信用残高、9日にパウエルFRB議長の上院銀行委員会での証言、10日に6月国内企業物価、中国6月生産者物価指数、中国6月消費者物価指数、米国5月卸売売上高、パウエルFRB議長の下院金融サービス委員会での証言、11日に5月機械受注、米国6月消費者物価指数、12日に中国6月貿易収支、米国6月生産者物価指数、米国7月ミシガン大学消費者信頼感指数などが予定されている。また、週末12日にはシティグループ、JPモルガン・チェース、ウェルズ・ファーゴの決算発表が予定されている。
――プレイバック・マーケット――
●SQ値
07月限 日経225 32484.24 TOPIX 2245.68
08月限 日経225 32013.86 TOPIX 2278.68
09月限 日経225 32921.39 TOPIX 2370.93
10月限 日経225 32360.91 TOPIX 2326.75
11月限 日経225 32454.88 TOPIX 2318.99
12月限 日経225 32639.57 TOPIX 2343.77
01月限 日経225 36025.97 TOPIX 2513.46
02月限 日経225 37018.07 TOPIX 2563.93
03月限 日経225 39863.92 TOPIX 2716.15
04月限 日経225 39820.59 TOPIX 2766.89
05月限 日経225 38509.47 TOPIX 2728.75
06月限 日経225 38535.35 TOPIX 2714.56
◆日経225先物(日足)
始値 高値 安値 清算値 前日比
24/09 07月05日 40900 41120 40750 40860 -30
24/09 07月04日 40630 40980 40490 40890 +290
24/09 07月03日 40030 40710 39850 40600 +490
24/09 07月02日 39680 40190 39450 40110 +440
24/09 07月01日 39600 39960 39540 39670 +50
◇TOPIX先物(日足)
始値 高値 安値 清算値 前日比
24/09 07月05日 2896.0 2909.5 2880.0 2885.0 -9.5
24/09 07月04日 2875.5 2903.5 2866.0 2894.5 +20.0
24/09 07月03日 2853.5 2878.0 2841.5 2874.5 +17.0
24/09 07月02日 2828.5 2865.0 2820.0 2857.5 +30.5
24/09 07月01日 2815.0 2845.5 2812.5 2827.0 +11.0
●シカゴ日経平均 円建て
清算値 前日大阪比
07月05日(09月限) 41035 +175
07月03日(09月限) 40660 +60
07月02日(09月限) 40260 +150
07月01日(09月限) 39530 -140
※前日比は大阪取引所終値比
□裁定取引に係る現物ポジション裁定残(金額)
売り 前週末比 買い 前週末比
06月28日 4797億円 +385億円 2兆3687億円 +2569億円
06月21日 4412億円 +145億円 2兆1118億円 +734億円
06月14日 4267億円 +758億円 2兆0384億円 -4321億円
06月07日 3508億円 +30億円 2兆4705億円 -1145億円
05月31日 3477億円 +98億円 2兆5850億円 +231億円
□裁定取引に係る現物ポジション(株数)
売り 前日比 買い 前日比
07月03日 1億2777万株 +1008万株 8億4345万株 +576万株
07月02日 1億1768万株 -173万株 8億3769万株 +1365万株
07月01日 1億1941万株 +788万株 8億2404万株 -614万株
06月28日 1億1153万株 -86万株 8億3018万株 +447万株
06月27日 1億1240万株 +824万株 8億2571万株 +1638万株
06月26日 1億0415万株 +162万株 8億0932万株 +3871万株
06月25日 1億0252万株 -248万株 7億7061万株 +1165万株
06月24日 1億0501万株 -43万株 7億5895万株 +2458万株
06月21日 1億0544万株 -360万株 7億3436万株 +406万株
06月20日 1億0905万株 +80万株 7億3030万株 -10万株
06月19日 1億0824万株 -47万株 7億3040万株 +424万株
06月18日 1億0872万株 -297万株 7億2616万株 +1433万株
06月17日 1億1169万株 +1079万株 7億1183万株 +1234万株
06月14日 1億0090万株 +5976万株 6億9948万株 -5356万株
06月13日 4113万株 +2001万株 7億5304万株 -1487万株
06月12日 2112万株 +264万株 7億6792万株 -3408万株
06月11日 1847万株 -75万株 8億0200万株 -2331万株
06月10日 1923万株 -6029万株 8億2531万株 -7030万株
株探ニュース
2024/07/07 17:00
みんかぶニュース その他
価指数先物 【週間展望】 ―短期過熱を警戒も、ショートカバーが入りやすい需給
今週の日経225先物は、4万円の大台回復を射程に捉え、ショートカバーが強まりやすい需給状況が期待される。6月28日の取引終了後のナイトセッションで一時3万9960円まで買われており、週足のボリンジャーバンドの+2σ(4万0060円)に接近してきた。+2σ接近で過熱感の強まりは警戒されやすいものの、収斂していたバンドは拡大傾向をみせてきており、バンドに沿ったトレンド形成が見込まれる。+3σは4万0780円まで拡大し、3月22日に付けた4万0870円(ナイトセッションを含む)が視野に入ってきた。+2σ突破では過熱が一段と警戒されてくるが、先週のレンジ上抜けによりショートカバーが入りやすい需給状況だ。
6月28日の米国市場では、主要な株価指数が下落した。ナイキが27日の取引終了後に発表した2024年3-5月期の売上高が市場予想を下回ったほか、2025年5月期通期の業績見通しを下方修正したことが嫌気されて20%近く下落したことが、NYダウの重荷となった。また、月末と四半期末が重なったほか、バイデン大統領とトランプ前大統領の討論会を受けて全体としては持ち高調整の動きが影響したとみられ、週末の米国株安の影響は限られるだろう。
一方で、同日に発表された5月の米個人消費支出(PCE)物価指数は、PCE総合価格指数が前月比横ばい、米連邦準備理事会(FRB)が金融政策決定で重視するPCEコアデフレーターは前月比0.1%上昇、前年同月比2.6%上昇と、4月の0.3%上昇、2.8%上昇から伸びが減速した。また、6月の米ミシガン大学消費者態度指数(確報値)は68.2となり、前月(69.1)から低下し、1年先のインフレ期待も前月を下回った。これらを受けて利下げ期待が高まる場面も見られた。
今週の米国では、7月1日に6月ISM製造業景気指数、2日に5月JOLTS求人件数、3日に6月ADP雇用統計、6月ISM非製造業景気指数、FOMC(6月11日~6月12日開催分)議事要旨が公表される。4日は独立記念日で休場となり、週末5日には6月の雇用統計の発表が予定されている。これら経済指標の発表を受けた米国市場の動向に影響されやすくなるほか、米国休場を挟むことで週後半は海外勢の商いが細る可能性があろう。
また、JPモルガン・チェースのストラテジストであるマルコ・コラノビッチ氏は28日、S&P500指数が年末までに4200(28日は5460)まで下落するとの半期見通しを示したようだ。一方、ゴールドマン・サックス・グループのトニー・パスクアリエロ氏は、ポートフォリオの軽減を指摘したと報じられており、こうした見方が市場心理を神経質にさせてくる可能性もある。
日経225先物は短期的には過熱が警戒されやすいが、4月半ば以降のレンジ相場を明確に上抜けたことで、シグナルは好転した。長期的には3月の上昇局面で、上向きで推移する月足の+2σを突破し、その後の調整で+1σまで下げており、過熱感は和らいでいる状態である。月足の+1σは3万9540円、+2σは4万3090円に位置している。4万円回復でいったんピーク感が強まったとしても、押し目狙いのロング対応に向かわせよう。そのため、短期過熱を警戒しつつ、今週はオプション権利行使価格の3万9625円から4万0375円のレンジを想定する。
28日のVIX指数は12.44(前日は12.24)に上昇した。先週は24日に13.88まで上昇する場面もみられたが、75日移動平均線(13.99)に上値を抑えられる形となり、週末には一時11.87まで低下している。その後は上昇に転じているが、水準としてはボトム圏での推移であり、慎重姿勢は強まらないだろう。
なお、先週末のNT倍率は、先物中心限月で14.06倍に低下した。米国市場でマイクロン・テクノロジー下落の半導体株への影響が限られたことで、値がさハイテク株の買い戻しによる日経平均型優位の展開が見込まれた。しかし、為替市場での円安進行を背景に、介入への思惑から金利が上昇。金融セクターへの物色が目立つなか、相対的にTOPIX型優位の展開となった。
25日線(14.06倍)処での攻防から同水準で底堅さをみせてくると、NTロングを組成する動きに向かいそうだ。一方で、ストレステスト合格で米銀各社が増配を発表するなか、28日の米国市場で銀行株が買われており、この流れでメガバンクへの物色が強まると、NTショートに振れやすくなろう。
6月第3週(6月17日-21日)の投資部門別売買動向によると、海外投資家は現物と先物の合算では2週ぶりの売り越しであり、売り越し額は6257億円(6月第2週は503億円の買い越し)だった。なお、現物は213億円の売り越し(同2494億円の売り越し)と5週連続の売り越しであり、先物は6043億円の売り越し(同2997億円の買い越し)と2週ぶりに売り越した。個人は現物と先物の合算で506億円の買い越しで、3週連続の買い越し。信託銀行は現物と先物の合算で923億円の売り越しとなり、5週連続の売り越しだった。
経済スケジュールでは、7月1日に日銀短観、1-3月期GDP確報値、中国6月財新製造業PMI、米国6月ISM製造業景気指数、2日に米国5月JOLTS求人件数、3日に中国6月財新サービス業PMI、米国6月ADP雇用統計、米国6月ISM非製造業景気指数、FOMC(6月11日~6月12日開催分)議事要旨、5日に5月全世帯家計調査、5月景気動向指数、米国6月雇用統計などが予定されている。
――プレイバック・マーケット――
●SQ値
07月限 日経225 32484.24 TOPIX 2245.68
08月限 日経225 32013.86 TOPIX 2278.68
09月限 日経225 32921.39 TOPIX 2370.93
10月限 日経225 32360.91 TOPIX 2326.75
11月限 日経225 32454.88 TOPIX 2318.99
12月限 日経225 32639.57 TOPIX 2343.77
01月限 日経225 36025.97 TOPIX 2513.46
02月限 日経225 37018.07 TOPIX 2563.93
03月限 日経225 39863.92 TOPIX 2716.15
04月限 日経225 39820.59 TOPIX 2766.89
05月限 日経225 38509.47 TOPIX 2728.75
06月限 日経225 38535.35 TOPIX 2714.56
◆日経225先物(日足)
始値 高値 安値 清算値 前日比
24/09 06月28日 39440 39800 39380 39620 +210
24/09 06月27日 39640 39690 39190 39410 -210
24/09 06月26日 39130 39790 39030 39620 +470
24/09 06月25日 38750 39200 38670 39150 +410
24/09 06月24日 38540 38880 38350 38740 +140
◇TOPIX先物(日足)
始値 高値 安値 清算値 前日比
24/09 06月28日 2796.5 2824.5 2791.5 2816.0 +22.5
24/09 06月27日 2800.0 2801.5 2783.5 2793.5 -3.0
24/09 06月26日 2784.0 2807.5 2774.5 2796.5 +11.0
24/09 06月25日 2737.5 2789.0 2734.0 2785.5 +48.5
24/09 06月24日 2725.0 2749.5 2713.0 2737.0 +9.5
●シカゴ日経平均 円建て
清算値 前日大阪比
06月28日(09月限) 39790 +170
06月27日(09月限) 39570 +160
06月26日(09月限) 39415 -205
06月25日(09月限) 39290 +140
06月24日(09月限) 38710 -30
※前日比は大阪取引所終値比
□裁定取引に係る現物ポジション裁定残(金額)
売り 前週末比 買い 前週末比
06月21日 4412億円 +145億円 2兆1118億円 +734億円
06月14日 4267億円 +758億円 2兆0384億円 -4321億円
06月07日 3508億円 +30億円 2兆4705億円 -1145億円
05月31日 3477億円 +98億円 2兆5850億円 +231億円
05月24日 3378億円 -145億円 2兆5619億円 +6243億円
□裁定取引に係る現物ポジション(株数)
売り 前日比 買い 前日比
06月26日 1億0415万株 +162万株 8億0932万株 +3871万株
06月25日 1億0252万株 -248万株 7億7061万株 +1165万株
06月24日 1億0501万株 -43万株 7億5895万株 +2458万株
06月21日 1億0544万株 -360万株 7億3436万株 +406万株
06月20日 1億0905万株 +80万株 7億3030万株 -10万株
06月19日 1億0824万株 -47万株 7億3040万株 +424万株
06月18日 1億0872万株 -297万株 7億2616万株 +1433万株
06月17日 1億1169万株 +1079万株 7億1183万株 +1234万株
06月14日 1億0090万株 +5976万株 6億9948万株 -5356万株
06月13日 4113万株 +2001万株 7億5304万株 -1487万株
06月12日 2112万株 +264万株 7億6792万株 -3408万株
06月11日 1847万株 -75万株 8億0200万株 -2331万株
06月10日 1923万株 -6029万株 8億2531万株 -7030万株
06月07日 7952万株 +345万株 8億9562万株 -59万株
06月06日 7607万株 -72万株 8億9621万株 -769万株
06月05日 7679万株 -93万株 9億0391万株 -2686万株
06月04日 7773万株 -125万株 9億3078万株 -713万株
06月03日 7898万株 +6万株 9億3791万株 -233万株
株探ニュース
2024/06/30 17:00
みんかぶニュース その他
株価指数先物 【週間展望】 ―13週線を挟んだ米国睨みの展開
今週の日経225先物は方向感に欠ける値動きが続くなか、米国市場の動向を睨んでの展開となりそうだ。先週の日経225先物は、週初に3万7920円(ナイトセッションを含む)まで売られた後は下げ幅を縮めたものの、25日移動平均線(3万8670円)、75日線(3万8850円)に上値を抑えられる形での推移だった。6月21日の取引終了後のナイトセッションでは3万8350円まで下げた後に3万8600円まで戻したが、25日線に上値を抑えられて3万8490円で取引を終えた。
21日の米国市場ではNYダウが4日続伸した半面、ナスダックは続落となった。株価指数と個別株、上場投資信託(ETF)が満期を迎えるトリプル・ウィッチングを迎え、足もとで売られていた景気敏感株を中心に買い戻される一方で、強い基調が続いていた半導体などハイテク株にはリバランスの売りが入った影響とみられる。ハイテク株の一角が売られたものの、ナスダック指数は18日まで7営業日続伸していたこともあり、利益確定の売りは想定された動きであろう。
トリプル・ウィッチングによる需給イベントを通過したことにより、再びハイテク株への資金シフトが強まるかが注目されよう。米国では25日に6月コンファレンスボード消費者信頼感指数、27日に1-3月期GDP確報値のほか、28日には5月個人消費支出(PCE)、6月シカゴ購買部協会景気指数などの発表が予定されている。
指標の結果を受けて利下げ期待が高まるようだと、ハイテク株への物色が意識されてくるだろう。もっとも、米連邦準備制度理事会(FRB)が金融政策を考慮する上で重視するPCEデフレーターの発表を週末に控えていることから、東京市場では積極的にポジションを傾けてくる動きは期待しづらいところである。
24日からソフトバンクグループ <9984> [東証P]傘下のアームホールディングスがナスダック100指数に組み入れられる。26日にはマイクロン・テクノロジーの決算発表も予定されており、これらを受けた指数インパクトの大きい値がさハイテク株の動向が、先物市場に影響を与えることが想定される。アームの値動きやマイクロンの決算評価の動き次第では、相対的に日経平均型優位の展開が見込まれよう。
日経225先物は下向きで推移する13週線での攻防が続いており、先週も週央に同線を突破する場面も見られたが、週末の終値で上回ることはできなかった。今週は13週線が3万8470円辺りに下がってくる一方で、上向きで推移する26週線が3万7980円辺りに位置しているため、オプション権利行使価格の3万8000円から3万8500円辺りのレンジが意識されやすい。3万8000円水準にある日足のボリンジャーバンドの-2σ水準に接近する局面では、押し目狙いのロング対応に向かわせそうだ。
13週線処で底堅い値動きをみせてくるようであれば、同線を中心とした権利行使価格の3万8250円から3万8750円辺りのレンジを想定する。また、週足のボリンジャーバンドが収斂してきており、トレンドが出やすいタイミングが近づいていることが窺える。支持線として機能する-1σを割り込む場面では-2σの3万7750円、上放れるようだと+1σの3万9030円が目先のターゲットとなろう。
21日のVIX指数は13.20(前日は13.28)に低下した。緩やかに低下する25日線(12.71)を挟んで推移を続けており、週末は小動きだったが同線を上回っての推移となり、一時13.78と75日(14.01)に接近する場面もみられた。ボトム圏での推移を継続しているほか、トリプル・ウィッチングの需給イベント通過により再び低下基調をみせてくる可能性はありそうだが、75日線を捉えてくる局面ではロングを手控えさせそうだ。
なお、先週末のNT倍率は先物中心限月で14.15倍に低下した。一時14.07倍に低下する場面も見られたが、25日線(14.06倍)が支持線として機能する形となった。その後は200日線(14.13倍)を挟んでの推移だった。足もとでは200日線を中心に14.05倍から14.20倍辺りでの保ち合いを継続している。5月半ばの戻り高値水準での攻防であり、14.20倍水準を上放れてくる局面では、NTロングを意識したスタンスに向かわせよう。
6月第2週(6月10日-14日)の投資部門別売買動向によると、海外投資家は現物と先物の合算では2週ぶりの買い越しであり、買い越し額は503億円(6月第1週は3392億円の売り越し)だった。なお、現物は2494億円の売り越し(同1986億円の売り越し)と4週連続の売り越しであり、先物は2997億円の買い越し(同1406億円の売り越し)と2週ぶりに買い越した。個人は現物と先物の合算で990億円の買い越しで、2週連続の買い越し。信託銀行は現物と先物の合算で326億円の売り越しとなり、4週連続の売り越しだった。
経済スケジュールでは、24日に日銀金融政策決定会合の主な意見(6月13~14日分)、25日に5月企業向けサービス価格指数、4月景気動向指数改定値、米国4月S&Pケースシラー住宅価格、米国4月FHFA住宅価格指数、米国6月コンファレンスボード消費者信頼感指数、26日に米国5月新築住宅販売件数、27日に6月月例経済報告、中国1-5月工業企業利益、米国1-3月期GDP確報値、米国5月耐久財受注、バイデン大統領・トランプ前大統領テレビ討論会、28日に5月完全失業率、5月鉱工業生産、米国5月個人所得、米国5月個人消費支出(PCE)、米国6月シカゴ購買部協会景気指数などが予定されている。
――プレイバック・マーケット――
●SQ値
07月限 日経225 32484.24 TOPIX 2245.68
08月限 日経225 32013.86 TOPIX 2278.68
09月限 日経225 32921.39 TOPIX 2370.93
10月限 日経225 32360.91 TOPIX 2326.75
11月限 日経225 32454.88 TOPIX 2318.99
12月限 日経225 32639.57 TOPIX 2343.77
01月限 日経225 36025.97 TOPIX 2513.46
02月限 日経225 37018.07 TOPIX 2563.93
03月限 日経225 39863.92 TOPIX 2716.15
04月限 日経225 39820.59 TOPIX 2766.89
05月限 日経225 38509.47 TOPIX 2728.75
06月限 日経225 38535.35 TOPIX 2714.56
◆日経225先物(日足)
始値 高値 安値 清算値 前日比
24/09 06月21日 38620 38770 38400 38600 -10
24/09 06月20日 38470 38610 38230 38610 +120
24/09 06月19日 38430 38780 38330 38490 +90
24/09 06月18日 38100 38490 38070 38400 +400
24/09 06月17日 38770 38790 37920 38000 -840
◇TOPIX先物(日足)
始値 高値 安値 清算値 前日比
24/09 06月21日 2724.5 2749.5 2720.0 2727.5 +2.5
24/09 06月20日 2726.5 2728.5 2703.0 2725.0 -3.5
24/09 06月19日 2716.5 2735.0 2708.5 2728.5 +14.5
24/09 06月18日 2701.0 2724.0 2696.0 2714.0 +20.5
24/09 06月17日 2746.0 2747.5 2691.0 2693.5 -55.5
●シカゴ日経平均 円建て
清算値 前日大阪比
06月21日(09月限) 38475 -125
06月20日(09月限) 38545 -65
06月18日(09月限) 38610 +210
06月17日(09月限) 38410 +410
※前日比は大阪取引所終値比
□裁定取引に係る現物ポジション裁定残(金額)
売り 前週末比 買い 前週末比
06月14日 4267億円 +758億円 2兆0384億円 -4321億円
06月07日 3508億円 +30億円 2兆4705億円 -1145億円
05月31日 3477億円 +98億円 2兆5850億円 +231億円
05月24日 3378億円 -145億円 2兆5619億円 +6243億円
05月17日 3524億円 -18億円 1兆9375億円 +534億円
□裁定取引に係る現物ポジション(株数)
売り 前日比 買い 前日比
06月19日 1億0824万株 -47万株 7億3040万株 +424万株
06月18日 1億0872万株 -297万株 7億2616万株 +1433万株
06月17日 1億1169万株 +1079万株 7億1183万株 +1234万株
06月14日 1億0090万株 +5976万株 6億9948万株 -5356万株
06月13日 4113万株 +2001万株 7億5304万株 -1487万株
06月12日 2112万株 +264万株 7億6792万株 -3408万株
06月11日 1847万株 -75万株 8億0200万株 -2331万株
06月10日 1923万株 -6029万株 8億2531万株 -7030万株
06月07日 7952万株 +345万株 8億9562万株 -59万株
06月06日 7607万株 -72万株 8億9621万株 -769万株
06月05日 7679万株 -93万株 9億0391万株 -2686万株
06月04日 7773万株 -125万株 9億3078万株 -713万株
06月03日 7898万株 +6万株 9億3791万株 -233万株
05月31日 7891万株 +54万株 9億4025万株 +3079万株
05月30日 7836万株 +325万株 9億0945万株 -1181万株
05月29日 7511万株 +75万株 9億2127万株 -391万株
05月28日 7435万株 -38万株 9億2518万株 +873万株
05月27日 7474万株 -195万株 9億1644万株 -941万株
株探ニュース
2024/06/23 17:00
みんかぶニュース その他
株価指数先物 【週間展望】 ―米ハイテク株の動向を睨みつつ、レンジ下限ではロング対応
今週の日経225先物は、米ハイテク株の動向を睨みながらボックスレンジでの推移となりそうだ。先週6月11日~12日に開催された米連邦公開市場委員会(FOMC)では、予想通り主要政策金利が7会合連続で据え置かれたが、注目された年内の利下げ予想回数は3回から1回に引き下げられた。2回への減少がコンセンサスだったため、予想より利下げに慎重な米当局の姿勢が示された。
一方で、12日発表の5月の米消費者物価指数(CPI)は、総合CPI、コアCPIともに予想を下回ったことで景気敏感株が売られた半面、米長期金利の低下を受けてハイテク株物色が強まった。週末14日は6月のミシガン大消費者態度指数が予想を下回り7カ月ぶりの低水準となったほか、1年インフレ期待が低下の予想に反し5月と同水準を維持した。NYダウが4日続落した一方、ナスダック指数は5日続伸し連日で史上最高値を更新した。
国内では14日の日銀の金融政策決定会合で政策金利が据え置かれ、注目された国債買い入れについては減額の方針を決定した。ただし、具体策は次回の7月会合に持ち越されたため、週末の東京市場ではTOPIX型を中心に買い戻しが入ったとみられる。
また、先週末は6月限の先物・オプション特別清算指数算出(SQ)を迎え、SQに絡んだ商いは金額ベースで日経平均型、TOPIX型いずれも450億円程度の売り越しだったと推測される。SQ値は3万8535.35円と足もとのレンジ中心値だったこともあり、波乱なく通過した。同日の日経平均株価はSQ値を上回って推移し、日銀会合後の買い戻しによって3万9000円を回復する場面もみられた。
先週末の日経225先物は3万8840円で取引を終えており、チャート上では3万8790円処に位置する13週移動平均線を上回ってきた。13週線を上回るのは4月半ばの急落以来となり、約2カ月ぶりである。シグナル好転が期待されたが、ナイトセッションでは一時3万8280円まで売られ、3万8460円で終えている。
日経225先物は、オプション権利行使価格の3万8500円を中心とした上下の権利行使価格3万8000円から3万9000円のレンジを越えられずにいる。レンジ下限を試す動きのほか、26週線が位置する権利行使価格3万7750円辺りまでの調整を想定しておく必要があるだろう。
米国ではナスダック指数が連日で史上最高値を更新するなど、ハイテク株に対する物色が強まっている。米経済に対する警戒感は燻るものの、成長期待の高い生成AIなどハイテク株への関心は根強い。先週は米アップルが最高値を更新し、時価総額トップに返り咲いた。アームホールディングスが24日からナスダック100指数に組み入れられることも材料視されやすく、ハイテク株に関心が集まりやすい。
また、国内では先週、ソフトバンクグループ <9984> [東証P]が1万円の大台を回復し、ITバブル時に付けた最高値を射程に入れている。指数インパクトの大きい値がさハイテク株の影響を受けやすくなるとともに、米ハイテク株の動向を睨みつつ、先物市場では短期的には仕掛け的なトレードが入りやすいだろう。
日経225先物のボリンジャーバンドは横ばいで推移しており、-2σは3万8160円、-3σが3万7880円辺りに位置している。そのため、3万8000円水準では売られ過ぎが意識されやすいため、押し目狙いのロングで対応したい。一方で、+1σが3万8990円に位置しており、3万9000円接近の場面では戻り売り狙いのショートスタンスになりそうだ。
14日のVIX指数は12.66(前日は11.94)に上昇した。一時13.45まで上昇し、上値抵抗線として意識されていた25日線(12.71)を捉えてきた。もっとも、前日に12.00を下回ったことでカバーの動きが入りやすいところでもあった。
なお、先週末のNT倍率は先物中心限月で14.12倍に低下した。朝方に14.20倍を付ける場面もみられたが、日銀会合の結果判明が近づくなかで低下傾向となり、結果判明後にTOPIX型の買い戻しとみられる動きにより200日線が位置する14.13倍を下回って終えた。日銀会合後のリバランスが一巡したとみられるなか、米ハイテク株への物色が継続する流れを背景に、NTロングによるスプレッド狙いの動きを想定しておきたい。
6月第1週(6月3日-7日)の投資部門別売買動向によると、海外投資家は現物と先物の合算では2週ぶりの売り越しであり、売り越し額は3392億円(5月第5週は741億円の買い越し)だった。なお、現物は1986億円の売り越し(同1126億円の売り越し)と3週連続の売り越しであり、先物は1406億円の売り越し(同1868億円の買い越し)と3週ぶりに売り越した。個人は現物と先物の合算で3806億円の買い越しで、2週ぶりの買い越し。信託銀行は現物と先物の合算で1708億円の売り越しとなり、3週連続の売り越しだった。
経済スケジュールでは、17日に4月機械受注、中国MLF(中期貸出制度)金利、中国5月鉱工業生産指数、中国5月小売売上高、中国1-5月固定資産投資、米国6月ニューヨーク連銀製造業景気指数、18日に米国5月小売売上高、米国5月鉱工業生産指数、19日に日銀金融政策決定会合議事要旨(4月25・26日開催分)、5月貿易収支、5月訪日外客数、20日に6月月例経済報告、中国6月中国最優遇貸出金利、イングランド銀行(BOE)政策金利、米国5月住宅着工件数、米国1-3月期経常収支、21日に5月全国消費者物価指数、米国6月製造業PMI、米国5月コンファレンス・ボード景気先行指数、米国5月中古住宅販売件数などが予定されている。
――プレイバック・マーケット――
●SQ値
07月限 日経225 32484.24 TOPIX 2245.68
08月限 日経225 32013.86 TOPIX 2278.68
09月限 日経225 32921.39 TOPIX 2370.93
10月限 日経225 32360.91 TOPIX 2326.75
11月限 日経225 32454.88 TOPIX 2318.99
12月限 日経225 32639.57 TOPIX 2343.77
01月限 日経225 36025.97 TOPIX 2513.46
02月限 日経225 37018.07 TOPIX 2563.93
03月限 日経225 39863.92 TOPIX 2716.15
04月限 日経225 39820.59 TOPIX 2766.89
05月限 日経225 38509.47 TOPIX 2728.75
06月限 日経225 38535.35 TOPIX 2714.56
◆日経225先物(日足)
始値 高値 安値 清算値 前日比
24/09 06月14日 38810 39020 38380 38840 +120
24/06 06月13日 38960 39290 38690 38720 -230
24/06 06月12日 39170 39230 38800 38950 -230
24/06 06月11日 38910 39350 38820 39180 +180
24/06 06月10日 38630 39090 38550 39000 +350
◇TOPIX先物(日足)
始値 高値 安値 清算値 前日比
24/09 06月14日 2736.5 2761.0 2705.0 2749.0 +17.0
24/06 06月13日 2759.0 2775.5 2727.5 2729.0 -30.0
24/06 06月12日 2779.5 2782.5 2752.0 2759.0 -21.0
24/06 06月11日 2773.5 2803.5 2767.5 2780.0 -0.5
24/06 06月10日 2752.0 2786.5 2747.0 2780.5 +28.5
●シカゴ日経平均 円建て
清算値 前日大阪比
06月14日(09月限) 38495 -345
06月13日(09月限) 38580 -140
06月12日(06月限) 39170 +220
06月11日(06月限) 38905 -275
06月10日(06月限) 39185 +185
※前日比は大阪取引所終値比
□裁定取引に係る現物ポジション裁定残(金額)
売り 前週末比 買い 前週末比
06月07日 3508億円 +30億円 2兆4705億円 -1145億円
05月31日 3477億円 +98億円 2兆5850億円 +231億円
05月24日 3378億円 -145億円 2兆5619億円 +6243億円
05月17日 3524億円 -18億円 1兆9375億円 +534億円
05月10日 3542億円 -793億円 1兆8841億円 -1178億円
□裁定取引に係る現物ポジション(株数)
売り 前日比 買い 前日比
06月12日 2112万株 +264万株 7億6792万株 -3408万株
06月11日 1847万株 -75万株 8億0200万株 -2331万株
06月10日 1923万株 -6029万株 8億2531万株 -7030万株
06月07日 7952万株 +345万株 8億9562万株 -59万株
06月06日 7607万株 -72万株 8億9621万株 -769万株
06月05日 7679万株 -93万株 9億0391万株 -2686万株
06月04日 7773万株 -125万株 9億3078万株 -713万株
06月03日 7898万株 +6万株 9億3791万株 -233万株
05月31日 7891万株 +54万株 9億4025万株 +3079万株
05月30日 7836万株 +325万株 9億0945万株 -1181万株
05月29日 7511万株 +75万株 9億2127万株 -391万株
05月28日 7435万株 -38万株 9億2518万株 +873万株
05月27日 7474万株 -195万株 9億1644万株 -941万株
05月24日 7669万株 +216万株 9億2586万株 +2554万株
05月23日 7453万株 -239万株 9億0031万株 +5894万株
05月22日 7693万株 -165万株 8億4137万株 +1億2114万株
05月21日 7858万株 -7万株 7億2022万株 -336万株
05月20日 7866万株 -120万株 7億2359万株 +1841万株
株探ニュース
2024/06/16 17:00
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株価指数先物 【週間展望】 ―日米金融イベントとSQでトレンドが出やすい週に
今週の日経225先物は、米連邦公開市場委員会(FOMC: 6月11日~12日)および日銀の金融政策決定会合(6月13日~14日)を迎え、金利動向や為替市場の動向に大きく影響を受けることになる。7日に発表された5月の米雇用統計では、非農業部門の雇用者数が前月比27万2000人増と市場予想(19万人増程度)を上回ったことで、米利下げ開始時期が遅れるとの見方から、米債券市場で長期金利は4.4%台前半に上昇し、7日の米国市場では主要な株価指数が下落した。
米雇用統計の結果を受けて、市場では11月、12月の利下げがコンセンサスになりそうだ。今週のFOMCの結果判明までは積極的には動けないものの、FOMC通過後はアク抜けに向かう可能性はあるだろう。
日経225先物は、週前半は米利下げ観測の後退によりロングが入りづらい一方で、短期的にはショートでのスキャルピング中心のトレードになりそうである。足もとでは25日移動平均線と75日線とのレンジ内で推移しているほか、13週線に上値を抑えられる形での推移が続いている。25日線が3万3610円、75日線は3万8920円辺りに位置しており、7日取引終了後のナイトセッションでは3万8550円~3万8910円と概ね両線のレンジでの値動きだった。
ボリンジャーバンドは緩やかに収斂しており、-1σが3万8290円、+1σは75日線と同水準となる。そのため、25日線を下回る場面があれば-1σが意識されやすく、週前半はオプション権利行使価格の3万8250円から3万8900円辺りのレンジを想定しておきたい。FOMCでは政策金利が7会合連続で据え置かれる可能性が高いとみられるが、FOMCの結果判明後に長期金利上昇を嫌気した売り優勢の局面があれば、押し目狙いのロング対応に向かわせよう。
また、日銀の金融政策決定会合は、政策金利の据え置きが予想される一方で、国債買い入れの減額を決めるとみられている。利上げのタイミングは7月と10月がコンセンサスになっているが、物価上昇圧力や円安傾向の継続を背景に早期の追加利上げ観測が強まっているだけに、政策金利が据え置かれればアク抜けの動きに向かわせよう。これらの金融イベント通過後には圧縮していた日米金利差を狙ったポジションを積み増す動きも意識されそうである。
ただし、週末には6月限の先物・オプション特別清算指数算出(SQ)が控えている。基本的に週半ば以降は限月交代に伴うロールオーバーの商いが中心となる。現在の3万8500円を挟んだ膠着が続く可能性はあるが、日米金融政策の結果を受けたリバランスの動きが強まる可能性もある。これまでの狭いレンジでの推移により煮詰まり感が意識されていることもあり、大きくレンジを放れてくる展開を想定しておく必要がある。
日経225先物は一目均衡表では現在、3万8500円~3万8800円辺りで推移する雲の中での推移が続いている。金融イベント通過後のアク抜けを予想した場合には上へのバイアスが強まる展開を想定しておきたい。また、4月半ばの急落以降、13週線に上値を抑えられているが、同線は緩やかに下向きで推移しており、3万8800円辺りに位置している。幾度も同線を上回るものの、週末終値で超えることができずにいる。一目均衡表の雲上限レベルであり、この水準をクリアできればトレンドが強まりやすいだろう。
そのため、足もとのレンジを放れる局面では、下は-2σが位置するオプション権利行使価格の3万8000円、上は+2σが位置する権利行使価格の3万9250円を意識しておきたい。
7日のVIX指数は12.22(前日は12.58)に低下した。下向きで推移する25日線に上値を抑えられる形で低下基調をみせている。利下げ開始時期が遅れるとの見方から7日の米国株は下落したものの、VIX指数は低下傾向をみせており、FOMCの結果を前にショートポジションを圧縮する動きが入りやすいようだ。株式相場が不安定ながらもリスク選好の動きとなるなか、押し目待ち狙いの買い意欲は強そうだ。
なお、先週末のNT倍率は先物中心限月で14.04倍に上昇した。14.13倍辺りで推移する200日線が抵抗線として意識されるが、5月31日に付けた13.85倍で目先のボトムを形成する形であった。金融イベントの通過と週末のSQに向けてリバランスが強まる可能性はありそうだ。スプレッド狙いの動きは取りづらいところだが、リバランスの観点からはNTショートを巻き戻す動きが入りやすいと考えられる。
5月第5週(5月27日-31日)の投資部門別売買動向によると、海外投資家は現物と先物の合算では4週ぶりの買い越しであり、買い越し額は741億円(5月第4週は269億円の売り越し)だった。なお、現物は1126億円の売り越し(同1139億円の売り越し)と2週連続の売り越しであり、先物は1868億円の買い越し(同869億円の買い越し)と2週連続で買い越した。個人は現物と先物の合算で2041億円の売り越しで、2週ぶりの売り越し。信託銀行は現物と先物の合算で1206億円の売り越しとなり、2週連続の売り越しだった。
経済スケジュールでは、10日に1-3月期GDP改定値、5月景気ウォッチャー調査、米アップルの世界開発者会議「WWDC」(~14日)、12日に5月国内企業物価、中国5月消費者物価指数、中国5月生産者物価指数、米国5月消費者物価指数、FOMC(米連邦公開市場委員会)終了後に政策金利、パウエルFRB(連邦準備制度理事会)議長記者会見、13日に4-6月期法人企業統計調査、米国5月生産者物価指数、G7サミット(~15日)、14日に日銀金融政策決定会合終了後に政策金利、植田和男日銀総裁記者会見、4月鉱工業生産確報値、米国5月輸出入物価指数、米国6月ミシガン大学消費者信頼感指数の発表などが予定されている。
――プレイバック・マーケット――
●SQ値
06月限 日経225 32018.38 TOPIX 2211.13
07月限 日経225 32484.24 TOPIX 2245.68
08月限 日経225 32013.86 TOPIX 2278.68
09月限 日経225 32921.39 TOPIX 2370.93
10月限 日経225 32360.91 TOPIX 2326.75
11月限 日経225 32454.88 TOPIX 2318.99
12月限 日経225 32639.57 TOPIX 2343.77
01月限 日経225 36025.97 TOPIX 2513.46
02月限 日経225 37018.07 TOPIX 2563.93
03月限 日経225 39863.92 TOPIX 2716.15
04月限 日経225 39820.59 TOPIX 2766.89
05月限 日経225 38509.47 TOPIX 2728.75
◆日経225先物(日足)
始値 高値 安値 清算値 前日比
24/06 06月07日 38790 38850 38540 38650 -110
24/06 06月06日 38490 39070 38450 38760 +240
24/06 06月05日 38650 38700 38290 38520 -230
24/06 06月04日 38880 38900 38430 38750 -190
24/06 06月03日 38430 39050 38280 38940 +450
◇TOPIX先物(日足)
始値 高値 安値 清算値 前日比
24/06 06月07日 2763.5 2767.0 2748.0 2752.0 -9.0
24/06 06月06日 2748.0 2776.0 2745.0 2761.0 +12.0
24/06 06月05日 2776.5 2777.0 2742.5 2749.0 -33.0
24/06 06月04日 2796.0 2800.5 2769.0 2782.0 -17.0
24/06 06月03日 2768.5 2811.0 2763.0 2799.0 +27.0
●シカゴ日経平均 円建て
清算値 前日大阪比
06月07日(06月限) 38650 0
06月06日(06月限) 38635 -125
06月05日(06月限) 38965 +445
06月04日(06月限) 38425 -325
06月03日(06月限) 38650 -290
※前日比は大阪取引所終値比
□裁定取引に係る現物ポジション裁定残(金額)
売り 前週末比 買い 前週末比
05月31日 3477億円 +98億円 2兆5850億円 +231億円
05月24日 3378億円 -145億円 2兆5619億円 +6243億円
05月17日 3524億円 -18億円 1兆9375億円 +534億円
05月10日 3542億円 -793億円 1兆8841億円 -1178億円
05月02日 4335億円 +158億円 2兆0020億円 -100億円
□裁定取引に係る現物ポジション(株数)
売り 前日比 買い 前日比
06月05日 7679万株 -93万株 9億0391万株 -2686万株
06月04日 7773万株 -125万株 9億3078万株 -713万株
06月03日 7898万株 +6万株 9億3791万株 -233万株
05月31日 7891万株 +54万株 9億4025万株 +3079万株
05月30日 7836万株 +325万株 9億0945万株 -1181万株
05月29日 7511万株 +75万株 9億2127万株 -391万株
05月28日 7435万株 -38万株 9億2518万株 +873万株
05月27日 7474万株 -195万株 9億1644万株 -941万株
05月24日 7669万株 +216万株 9億2586万株 +2554万株
05月23日 7453万株 -239万株 9億0031万株 +5894万株
05月22日 7693万株 -165万株 8億4137万株 +1億2114万株
05月21日 7858万株 -7万株 7億2022万株 -336万株
05月20日 7866万株 -120万株 7億2359万株 +1841万株
株探ニュース
2024/06/09 17:00
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株価指数先物 【週間展望】 ―重要イベントを前にしたショートカバーに期待
今週の日経225先物は、日米の金融会合を翌週に控えて積極的な売買は手掛けづらい需給状況であろう。そのなかで、重要イベントを前にポジションをニュートラルに調整する流れにより、全体としてはリバウンドを意識した相場展開が見込まれる。先週の日経225先物は、週前半は25日移動平均線を支持線に3万8500円~3万9000円辺りで保ち合い、5月29日には一時3万9150円(ナイトセッションを含む)まで買われる場面も見られた。
ただし、日米長期金利の上昇基調を背景に、30日には25日線を割り込み、ボリンジャーバンドの-2σ水準である3万7610円まで急落。週末31日は長期金利の上昇が一服したことから買い戻される形で3万8500円近辺まで切り返しており、前日の下落分を吸収して終えた。ナイトセッションでは、4月の米個人消費支出(PCE)物価指数の結果を受けて、米長期金利が低下したことから、一時3万8750円まで買われ、25日線を上回って終えた。
米連邦準備理事会(FRB)がインフレ判断で重視するPCE物価指数は、食品とエネルギーを除くコア価格指数が前月比0.2%上昇し、市場予想と一致した。高インフレが続くとの懸念が和らぎ、米長期金利の低下につながった。PCEの結果を受けて、市場ではFRBが年後半に利下げを実施するとの観測が維持される形となった。
今週も米国では3日に5月ISM製造業景気指数、4日に4月JOLTS求人件数、5日に5月ADP雇用統計、5月ISM非製造業景気指、7日に5月雇用統計などの発表が予定されている。これら経済指標の発表を受けた金利動向に振られやすい需給状況になりそうだ。
一方で、先週は米当局者によるタカ派発言が相次いだことで長期金利が上昇し、相場の変動要因になっていたが、6月11~12日に開催される米連邦公開市場委員会(FOMC)を前にしたブラックアウト期間(中銀関係者による金融政策に関する発言を禁じた期間)に入る。このため、相場の波乱要因が減ることになる。
また、31日の東証プライム市場の売買高は、前日の17億株台から29億株超に膨れていた。月末のドレッシング買いや自律反発狙いの動きがあったと考えられるが、PCE物価指数の発表を前にしたショートカバーも影響したとみられる。翌週にFOMC、日銀の金融政策決定会合を控えることから、重要イベントを前にしたショートカバーが相場全体の底堅さにつながる可能性はあろう。
日経225先物は30日に-2σまで売られた後に-1σ水準まで下落幅を縮め、31日は-1σを支持線としたリバウンドによって25日線を捉えた。31日の取引終了後のナイトセッションでは25日線を支持線に75日線を捉える値動きだった。収斂をみせていたバンドは再び広がりをみせつつあり、日米金融イベントに向けてトレンドが出やすいタイミングが近づいてきた。また、一目均衡表では雲がねじれる局面にきているほか、遅行スパンが上方シグナルを発生させてきた。
そのため、25日線を支持線に+2σとのレンジとなる、オプション権利行使価格の3万8500円から3万9250円のレンジを想定する。75日線辺りに位置する権利行使価格の3万8875円を捉えてくる局面では、+3σ水準の3万9625円の権利行使価格が意識されやすく、ショートカバーを交えたロングが強まろう。一方で、25日線水準での攻防から同線が抵抗線に変わる局面では、3万8000円水準を試す展開も意識しておきたい。
31日のVIX指数は12.92(前日は14.47)に低下した。長期金利の上昇基調が続き、米利下げ開始時期の後ずれが警戒されるなか、75日線および200日線を上回る場面もあったが、大きく低下し、25日線を下回ってきた。結果としては200日線が抵抗線として機能する形であり、ショートカバーが意識されやすいだろう。
なお、先週末のNT倍率は先物中心限月で13.88倍に低下した。先週は東京エレクトロン <8035> [東証P]など指数インパクトの大きい値がさハイテク株の弱さが目立つ一方で、週後半にはPBR1倍割れなどバリュー株が物色され、相対的にTOPIX型優位の展開だった。200日線が抵抗線として機能する形で昨年12月以来の水準まで低下しており、方向性としては昨年下旬に付けた13.55倍辺りを意識したトレンド形成となる。ハイテク株への物色がみられるまでは、NTショートによるスプレッド狙いが有効になりそうだ。
5月第4週(5月20日-24日)の投資部門別売買動向によると、海外投資家は現物と先物の合算では3週連続の売り越しであり、売り越し額は269億円(5月第3週は1353億円の売り越し)だった。なお、現物は1139億円の売り越し(同383億円の買い越し)と5週ぶりの売り越しであり、先物は869億円の買い越し(同1737億円の売り越し)と3週ぶりに買い越した。個人は現物と先物の合算で374億円の買い越しで、5週ぶりの買い越し。信託銀行は現物と先物の合算で430億円の売り越しとなり、6週ぶりの売り越しだった。
経済スケジュールでは、6月3日に1-3月期法人企業統計調査、中国5月財新製造業PMI、米国5月ISM製造業景気指数、4日に米国4月製造業新規受注、米国4月JOLTS求人件数、5日に中国5月財新サービス業PMI、米国5月ADP雇用統計、米国5月ISM非製造業景気指数、6日にECB(欧州中央銀行)政策金利、米国4月貿易収支、ラガルドECB総裁記者会見、7日に4月全世帯家計調査、4月景気動向指数、中国5月貿易収支、米国5月雇用統計、米国4月卸売売上高、米国4月消費者信用残高などが予定されている。
――プレイバック・マーケット――
●SQ値
06月限 日経225 32018.38 TOPIX 2211.13
07月限 日経225 32484.24 TOPIX 2245.68
08月限 日経225 32013.86 TOPIX 2278.68
09月限 日経225 32921.39 TOPIX 2370.93
10月限 日経225 32360.91 TOPIX 2326.75
11月限 日経225 32454.88 TOPIX 2318.99
12月限 日経225 32639.57 TOPIX 2343.77
01月限 日経225 36025.97 TOPIX 2513.46
02月限 日経225 37018.07 TOPIX 2563.93
03月限 日経225 39863.92 TOPIX 2716.15
04月限 日経225 39820.59 TOPIX 2766.89
05月限 日経225 38509.47 TOPIX 2728.75
◆日経225先物(日足)
始値 高値 安値 清算値 前日比
24/06 05月31日 37940 38540 37940 38490 +490
24/06 05月30日 38540 38550 37610 38000 -490
24/06 05月29日 38870 39150 38480 38490 -360
24/06 05月28日 38900 38990 38760 38850 -80
24/06 05月27日 38590 38930 38570 38930 +330
◇TOPIX先物(日足)
始値 高値 安値 清算値 前日比
24/06 05月31日 2722.0 2777.5 2722.0 2772.0 +46.0
24/06 05月30日 2741.5 2743.0 2695.5 2726.0 -13.5
24/06 05月29日 2772.0 2785.0 2738.0 2739.5 -31.5
24/06 05月28日 2768.5 2773.0 2759.5 2771.0 +1.5
24/06 05月27日 2740.5 2769.5 2738.5 2769.5 +27.5
●シカゴ日経平均 円建て
清算値 前日大阪比
05月31日(06月限) 38635 +145
05月30日(06月限) 38230 +230
05月29日(06月限) 38315 -175
05月28日(06月限) 38960 +110
※前日比は大阪取引所終値比
□裁定取引に係る現物ポジション裁定残(金額)
売り 前週末比 買い 前週末比
05月24日 3378億円 -145億円 2兆5619億円 +6243億円
05月17日 3524億円 -18億円 1兆9375億円 +534億円
05月10日 3542億円 -793億円 1兆8841億円 -1178億円
05月02日 4335億円 +158億円 2兆0020億円 -100億円
04月26日 4176億円 -28億円 2兆0120億円 -2864億円
□裁定取引に係る現物ポジション(株数)
売り 前日比 買い 前日比
05月29日 7511万株 +75万株 9億2127万株 -391万株
05月28日 7435万株 -38万株 9億2518万株 +873万株
05月27日 7474万株 -195万株 9億1644万株 -941万株
05月24日 7669万株 +216万株 9億2586万株 +2554万株
05月23日 7453万株 -239万株 9億0031万株 +5894万株
05月22日 7693万株 -165万株 8億4137万株 +1億2114万株
05月21日 7858万株 -7万株 7億2022万株 -336万株
05月20日 7866万株 -120万株 7億2359万株 +1841万株
05月17日 7986万株 +55万株 7億0518万株 +108万株
05月16日 7931万株 -21万株 7億0409万株 -285万株
05月15日 7953万株 -146万株 7億0694万株 +1043万株
05月14日 8099万株 -31万株 6億9651万株 +886万株
05月13日 8131万株 -13万株 6億8764万株 +77万株
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2024/06/02 17:00
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株価指数先物 【週間展望】 ―米経済指標を睨んでの展開も、テクニカルシグナルは好
今週の日経225先物は、引き続き米国の経済指標の結果を睨んでの相場展開になりそうだ。週末24日の米国市場では、5月のミシガン大消費者信頼感指数(確報値)が69.1と速報値(67.4)から上方修正されたものの、5カ月ぶりの低水準だったほか、1年先の期待インフレ率が3.3%と速報値(3.5%)から低下したため、インフレ圧力が和らぐとの見方から、主要な株価指数は上昇した。
ただし、先週の米国市場はNYダウが週間で900ドル超下落した。米連邦準備理事会(FRB)が22日に公表した米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨(4月30日~5月1日開催分)で、参加者がインフレ警戒の姿勢と、政策金利をより長期に維持するのが望ましいとの考えを示したことが明らかになった。
また、23日発表の新規失業保険申請件数が前週比8000件減少し、21万5000件と予想(22万件程度)を下回ったほか、5月の米購買担当者指数(PMI)では総合PMI、製造業PMI、サービス業PMIいずれも予想以上だった。インフレ再加速を示す内容として、FRBが利下げを急がないとの見方が相場の重荷となった。
今週の米国は週明け27日がメモリアルデーの祝日で休場となり、4日間の取引となる。28日に5月のコンファレンス・ボード消費者信頼感指数、29日に5月のリッチモンド連銀製造業指数、米国地区連銀経済報告(ベージュブック)、30日には1-3月期GD改定値、そして31日には4月の個人消費支出(PCEデフレーター)、5月のシカゴ購買部協会景気指数などの発表が予定されている。
6月11~12日にFOMCが開催されることから、ブラックアウト期間(中銀関係者による金融政策に関する発言を禁じた期間)入りを前に、今週は要人発言が集中する可能性がある。また、経済指標の結果を受けて思惑的な動きも強まりやすく、模様眺めムードが高まりやすい。
先週の東証プライムの売買高は週初こそ18億株だったが、その後は15億株台が続き、週末は13億株台と薄商いの状況だった。今週も商いは膨らみづらく、先物主導の売買に振られやすいだろう。
足もとの日経225先物は、75日移動平均線(3万8720円)とボリンジャーバンドの+1σ(3万8830円)を挟んで推移しており、25日線(3万8320円)と+2σ(3万9340円)辺りでのレンジを継続している。週間形状では13週線(3万8870円)に上値を抑えられているが、下値を徐々に切り上げるトレンドを形成している。
先週は、いったんは13週線を上回る場面も見られたが、週末の終値では同線をキープできなかったことで、引き続き上値抵抗線として意識されやすい。ただし、下値を切り上げてきているトレンドのため、煮詰まり感が意識されてきており、押し目狙いのロング対応に向かわせよう。
また、一目均衡表では雲の中にあるが、今週は雲が一気に縮小してくる。膠着のなかでも自然体で雲を上放れてくる可能性があるほか、遅行スパンが実線を下から上に突き抜ける上方シグナルを発生させてくると考えられる。トレンドが出やすいタイミングに入ってきており、米国市場睨みではあるが、ややロングが強まる展開を想定しておきたい。
日経225先物は24日の取引終了後のナイトセッションで75日線をクリアし、+1σ水準を捉えてきた。そのため、オプション権利行使価格の3万8500円から3万9000円のレンジを想定し、75日線を上回っての推移が固まる局面では3万8750円から3万9250円のレンジに移行しよう。
そのほか、先週はエヌビディアの決算が評価され、指数インパクトの大きい値がさハイテク株が買われる場面が見られた。24日の米国市場でエヌビディアは2%を超える上昇で連日の最高値更新となった。マイクロン・テクノロジー、アームホールディングス、アドバンスト・マイクロ・デバイセズなども買われており、週末に日経平均株価の重荷となった値がさハイテク株を見直す動きが見込まれる。
24日のVIX指数は11.93(前日は12.77)に低下した。23日には一時11.52まで低下し、2019年11月以来の低水準となった。その後は雇用指数が予想を上回ったことで利下げ期待の後退によって主要な株価指数が下落するなか13.37まで上昇する場面もあった。週末は前日の上昇に対する反動安の範囲であるが、リスク選好の流れが期待される。
なお、先週末のNT倍率は先物中心限月で14.07倍に低下した。前日にエヌビディアの時間外取引での上昇を手掛かりに日経平均型優位の展開となり、一時14.20倍に上昇し、14.14倍で推移している200日線を突破する場面も見られた。ただし、週末は米国市場の下げが嫌気されて指数インパクトの大きい値がさハイテク株が売られ、同線を下回って終えていた。引き続き200日線水準での攻防が続こうが、押し目ではNTロングへの転換を想定したスプレッド狙いの動きもみられそうだ。
5月第3週(5月13日-17日)の投資部門別売買動向によると、海外投資家は現物と先物の合算では2週連続の売り越しであり、売り越し額は1353億円(5月第2週は163億円の売り越し)だった。なお、現物は383億円の買い越し(同2636億円の買い越し)と4週連続の買い越しであり、先物は1737億円の売り越し(同2799億円の売り越し)と2週連続で売り越した。個人は現物と先物の合算で73億円の売り越しで、4週連続の売り越し。信託銀行は現物と先物の合算で451億円の買い越しとなり、5週連続の買い越しだった。
経済スケジュールでは、27日に植田日銀総裁が国際コンファランスで開会挨拶、5月月例経済報告、中国1-4月工業企業利益、28日に4月企業向けサービス価格指数、米国3月S&Pケースシラー住宅価格、米国5月コンファレンスボード消費者信頼感指数、29日に5月消費動向調査、米国5月リッチモンド連銀製造業指数、米国地区連銀経済報告(ベージュブック)、30日に米国1-3月期GDP[改定値]、米国新規失業保険申請件数、米国4月卸売在庫、米国4月仮契約住宅販売指数、31日に5月東京都区部消費者物価指数、4月完全失業率、4月鉱工業生産、中国5月製造業PMI、中国5月非製造業PMI、米国4月個人所得・消費支出、米国5月シカゴ購買部協会景気指数、MSCIによる世界株指数MSCI ACWIの銘柄入れ替えなどが予定されている。また、30日にはベスト・バイ、コストコホールセール、ギャップなど米小売企業の決算が予定されている。
――プレイバック・マーケット――
●SQ値
05月限 日経225 29235.08 TOPIX 2090.33
06月限 日経225 32018.38 TOPIX 2211.13
07月限 日経225 32484.24 TOPIX 2245.68
08月限 日経225 32013.86 TOPIX 2278.68
09月限 日経225 32921.39 TOPIX 2370.93
10月限 日経225 32360.91 TOPIX 2326.75
11月限 日経225 32454.88 TOPIX 2318.99
12月限 日経225 32639.57 TOPIX 2343.77
01月限 日経225 36025.97 TOPIX 2513.46
02月限 日経225 37018.07 TOPIX 2563.93
03月限 日経225 39863.92 TOPIX 2716.15
04月限 日経225 39820.59 TOPIX 2766.89
05月限 日経225 38509.47 TOPIX 2728.75
◆日経225先物(日足)
始値 高値 安値 清算値 前日比
24/06 05月24日 39090 39190 38360 38600 -500
24/06 05月23日 38610 39150 38460 39100 +480
24/06 05月22日 38990 39010 38590 38620 -320
24/06 05月21日 39100 39370 38900 38940 -130
24/06 05月20日 38750 39460 38620 39070 +330
◇TOPIX先物(日足)
始値 高値 安値 清算値 前日比
24/06 05月24日 2753.5 2763.0 2712.5 2742.0 -12.0
24/06 05月23日 2735.0 2758.5 2723.0 2754.0 +18.0
24/06 05月22日 2763.0 2764.0 2733.5 2736.0 -24.0
24/06 05月21日 2771.0 2787.0 2756.0 2760.0 -9.5
24/06 05月20日 2745.0 2786.0 2737.0 2769.5 +24.5
●シカゴ日経平均 円建て
清算値 前日大阪比
05月24日(06月限) 38800 +200
05月23日(06月限) 38560 -540
05月22日(06月限) 38635 +15
05月21日(06月限) 38860 -80
05月20日(06月限) 39295 +225
※前日比は大阪取引所終値比
□裁定取引に係る現物ポジション裁定残(金額)
売り 前週末比 買い 前週末比
05月17日 3524億円 -18億円 1兆9375億円 +534億円
05月10日 3542億円 -793億円 1兆8841億円 -1178億円
05月02日 4335億円 +158億円 2兆0020億円 -100億円
04月26日 4176億円 -28億円 2兆0120億円 -2864億円
04月19日 4205億円 -91億円 2兆2985億円 -1728億円
□裁定取引に係る現物ポジション(株数)
売り 前日比 買い 前日比
05月22日 7693万株 -165万株 8億4137万株 +1億2114万株
05月21日 7858万株 -7万株 7億2022万株 -336万株
05月20日 7866万株 -120万株 7億2359万株 +1841万株
05月17日 7986万株 +55万株 7億0518万株 +108万株
05月16日 7931万株 -21万株 7億0409万株 -285万株
05月15日 7953万株 -146万株 7億0694万株 +1043万株
05月14日 8099万株 -31万株 6億9651万株 +886万株
05月13日 8131万株 -13万株 6億8764万株 +77万株
05月10日 8144万株 -1849万株 6億8686万株 -1826万株
05月09日 9994万株 -1760万株 7億0513万株 +928万株
05月08日 1億1754万株 +293万株 6億9585万株 -2413万株
05月07日 1億1460万株 +1523万株 7億1999万株 -127万株
株探ニュース
2024/05/26 17:00
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