注目トピックス 市況・概況
国内株式市場見通し:外部環境や半導体株が重しとなりTOPIX優位の地合い継続か
配信日時:2024/04/20 14:50
配信元:FISCO
*14:50JST 国内株式市場見通し:外部環境や半導体株が重しとなりTOPIX優位の地合い継続か
■日経平均は一時2月9日以来の37000円割れ
今週の日経平均は週間で2455.20円安(-6.21%)の37068.35円と大幅下落となった。NYダウやナスダックなど米国市場の弱さが日本株の下押し圧力となり、週を通して厳しい局面となった。日米金利差拡大への思惑から為替は1ドル=154円台後半まで円安ドル高が進行。輸出関連銘柄には追い風の地合いとなったが、政府・日本銀行による円買い介入実施への警戒感が高まったこともあり、株式市場で積極的な買いは手控えられた。
また、注目されたオランダ半導体露光装置のASMLホールディングの決算では、受注額が市場予想を下回ったことで、フィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)も下落。加えて、台湾の半導体受託生産世界再大手TSMCの決算は良好な内容だったが、2024年の半導体市場全体の成長見通しをこれまでよりも少し引き下げたことが嫌気されて、SOX指数は2月下旬の水準まで低下。週末の東京市場は半導体株が総崩れのなか、「イランの複数個所で爆発音」といったニュースが流れると、投資家心理はより悪化。半導体株全面安と中東情勢の緊迫化を受けて、日経平均は一時1300円超の急落となり、一時2月9日以来の37000円割れとなった。
なお、4月第2週の投資主体別売買動向によると、外国人投資家は現物6138億円買い越したほか、TOPIX先物を2603億円買い越し、225先物は1880億円売り越したことから、合計6861億円の買い越しとなった。個人投資家は現物を2372億円売り越すなど合計で3340億円売り越し。なお、信託が1月第1週以来となる現物買い越し(404億円)となった。
■日経平均はダブルトップを形成
今週末の米国株式市場はまちまち。ダウ平均は前日比211.02ドル高(+0.56%)の37986.40ドル、ナスダックは319.49ポイント安(-2.05%)の15282.01、S&P500は43.89ポイント安(-0.88%)の4967.23で取引を終了した。大証ナイト・セッションの日経225先物は、通常取引終値と変わらずの37100円。
日経平均の日足チャートは、3月7日高値の40472.11円と3月22日高値の41087.75円の二つの山の間にある3月12日安値の38271.38円を割り込んだことで、きれいなダブルトップを形成した。17日にネックラインである3月12日安値38271.38円を割り込んだ後は下げ足を強めており、75日移動平均線37889円水準も下回った。19日の1300円超下げ時点で、25日移動平均線との下方乖離率が7%を超えたことから、短期的な売られ過ぎ感は意識されそうだ。ただ、週末に半導体株の東京エレクトロン<8035>、ディスコ<6146>の投資判断格下げ観測も伝わっていることから、半導体株の調整が長引けば、指数ウェートの高さを考慮すると日経平均は一段安の可能性もある。中東情勢、為替など外部環境に降らされやすい地合いが続く展開が想定されるため、相対的にTOPIX優位の展開となろう。14.1倍まで低下したNT倍率は、13倍台に入る可能性も出てきた。
■為替の急変動は売買手控え材料に
週末の為替はやや円高に振れる場面もあったが、1ドル=154円台で推移している。政府・日銀による円買い介入への警戒感は非常に高いものの、中東情勢の緊迫化という不透明要因にスポットが当たっており、投機筋も様子見ムードを強めることで、円安加速は一服しそうな状況だ。来週末の25-26日には日銀の金融政策決定会合が開催されることから、様々な思惑が高まりやすい地合いだが、まずは中東情勢を見極めたいとするムードが強まるだろう。ただ、4月16日時点の投機筋の円売りポジションは16万5619枚(前週比3468枚増加)と2007年以来の円安ポジション(約18万枚)を積み上げていることから、アンワインド(ポジション解消)の動きが入った場合、円高・ドル安の流れは加速するだろう。円高加速は輸出関連銘柄の重しとなることから、中東情勢に絡んだ為替市場を睨んだ地合いは、積極的な押し目買いを手控えさせる要因となる。来週は決算発表が徐々に増えることから、日経平均やTOPIXを対象とした売買よりも個別物色の展開が強まるだろう。
■25-26日に日銀金融政策決定会合
来週は、国内では24日に3月企業向けサービス価格指数、25日に2月景気動向指数(確報値)、26日に4月東京消費者物価指数(CPI)などが予定されている。なお、日本銀行金融政策決定会合は25-26日に開催。
海外では、22日に中・4月最優遇貸出金利(LPR)、23日に独・4月製造業購買担当者景気指数(PMI、速報値)、サービス業PMI(速報値)、欧・4月ユーロ圏製造業PMI(速報値)、サービス業PMI(速報値)、英・4月製造業PMI(速報値)、米・4月製造業PMI(速報値)、サービス業PMI(速報値)、4月リッチモンド連銀製造業指数、3月新築住宅販売件数、24日に豪・1-3月期消費者物価指数、独・4月IFO景況感指数、米・3月耐久財受注(速報値)、週次原油在庫、25日にトルコ・中央銀行が政策金利発表、米・週次新規失業保険申請件数、1-3月期GDP(速報値)、3月中古住宅販売成約指数、26日に豪・1-3月期生産者物価指数(PPI)、米・3月PCEデフレーター、4月ミシガン大学消費者信頼感指数(確報値)などが予定されている。
<FA>
今週の日経平均は週間で2455.20円安(-6.21%)の37068.35円と大幅下落となった。NYダウやナスダックなど米国市場の弱さが日本株の下押し圧力となり、週を通して厳しい局面となった。日米金利差拡大への思惑から為替は1ドル=154円台後半まで円安ドル高が進行。輸出関連銘柄には追い風の地合いとなったが、政府・日本銀行による円買い介入実施への警戒感が高まったこともあり、株式市場で積極的な買いは手控えられた。
また、注目されたオランダ半導体露光装置のASMLホールディングの決算では、受注額が市場予想を下回ったことで、フィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)も下落。加えて、台湾の半導体受託生産世界再大手TSMCの決算は良好な内容だったが、2024年の半導体市場全体の成長見通しをこれまでよりも少し引き下げたことが嫌気されて、SOX指数は2月下旬の水準まで低下。週末の東京市場は半導体株が総崩れのなか、「イランの複数個所で爆発音」といったニュースが流れると、投資家心理はより悪化。半導体株全面安と中東情勢の緊迫化を受けて、日経平均は一時1300円超の急落となり、一時2月9日以来の37000円割れとなった。
なお、4月第2週の投資主体別売買動向によると、外国人投資家は現物6138億円買い越したほか、TOPIX先物を2603億円買い越し、225先物は1880億円売り越したことから、合計6861億円の買い越しとなった。個人投資家は現物を2372億円売り越すなど合計で3340億円売り越し。なお、信託が1月第1週以来となる現物買い越し(404億円)となった。
■日経平均はダブルトップを形成
今週末の米国株式市場はまちまち。ダウ平均は前日比211.02ドル高(+0.56%)の37986.40ドル、ナスダックは319.49ポイント安(-2.05%)の15282.01、S&P500は43.89ポイント安(-0.88%)の4967.23で取引を終了した。大証ナイト・セッションの日経225先物は、通常取引終値と変わらずの37100円。
日経平均の日足チャートは、3月7日高値の40472.11円と3月22日高値の41087.75円の二つの山の間にある3月12日安値の38271.38円を割り込んだことで、きれいなダブルトップを形成した。17日にネックラインである3月12日安値38271.38円を割り込んだ後は下げ足を強めており、75日移動平均線37889円水準も下回った。19日の1300円超下げ時点で、25日移動平均線との下方乖離率が7%を超えたことから、短期的な売られ過ぎ感は意識されそうだ。ただ、週末に半導体株の東京エレクトロン<8035>、ディスコ<6146>の投資判断格下げ観測も伝わっていることから、半導体株の調整が長引けば、指数ウェートの高さを考慮すると日経平均は一段安の可能性もある。中東情勢、為替など外部環境に降らされやすい地合いが続く展開が想定されるため、相対的にTOPIX優位の展開となろう。14.1倍まで低下したNT倍率は、13倍台に入る可能性も出てきた。
■為替の急変動は売買手控え材料に
週末の為替はやや円高に振れる場面もあったが、1ドル=154円台で推移している。政府・日銀による円買い介入への警戒感は非常に高いものの、中東情勢の緊迫化という不透明要因にスポットが当たっており、投機筋も様子見ムードを強めることで、円安加速は一服しそうな状況だ。来週末の25-26日には日銀の金融政策決定会合が開催されることから、様々な思惑が高まりやすい地合いだが、まずは中東情勢を見極めたいとするムードが強まるだろう。ただ、4月16日時点の投機筋の円売りポジションは16万5619枚(前週比3468枚増加)と2007年以来の円安ポジション(約18万枚)を積み上げていることから、アンワインド(ポジション解消)の動きが入った場合、円高・ドル安の流れは加速するだろう。円高加速は輸出関連銘柄の重しとなることから、中東情勢に絡んだ為替市場を睨んだ地合いは、積極的な押し目買いを手控えさせる要因となる。来週は決算発表が徐々に増えることから、日経平均やTOPIXを対象とした売買よりも個別物色の展開が強まるだろう。
■25-26日に日銀金融政策決定会合
来週は、国内では24日に3月企業向けサービス価格指数、25日に2月景気動向指数(確報値)、26日に4月東京消費者物価指数(CPI)などが予定されている。なお、日本銀行金融政策決定会合は25-26日に開催。
海外では、22日に中・4月最優遇貸出金利(LPR)、23日に独・4月製造業購買担当者景気指数(PMI、速報値)、サービス業PMI(速報値)、欧・4月ユーロ圏製造業PMI(速報値)、サービス業PMI(速報値)、英・4月製造業PMI(速報値)、米・4月製造業PMI(速報値)、サービス業PMI(速報値)、4月リッチモンド連銀製造業指数、3月新築住宅販売件数、24日に豪・1-3月期消費者物価指数、独・4月IFO景況感指数、米・3月耐久財受注(速報値)、週次原油在庫、25日にトルコ・中央銀行が政策金利発表、米・週次新規失業保険申請件数、1-3月期GDP(速報値)、3月中古住宅販売成約指数、26日に豪・1-3月期生産者物価指数(PPI)、米・3月PCEデフレーター、4月ミシガン大学消費者信頼感指数(確報値)などが予定されている。
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