過度な為替の変動には適切に対応、緊張感持ち見ている=神田財務官
Leika Kihara
[サンパウロ 28日 ロイター] - 20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議に出席している神田真人財務官は28日、訪問先のブラジル・サンパウロで記者団に対し、為替の過度な変動には「適切に対応する」とし、「緊張感を持って見ている」と語った。足元の為替の動向についてはコメントを控えた。
神田財務官は初日の討議について説明し、「格差是正にむけた経済政策の役割や世界経済について議論」したことを明らかにした。
また、世界経済に関する討議の中で、ロシアによるウクライナ侵略が続いていることを非難し、「世界経済、特にもっとも脆弱(ぜいじゃく)な人びとや国に対して甚大な悪影響を与えてきた」と自身が発言したことを紹介。「世界経済がソフトランディングする可能性が高まっており、見通しに対するリスクは均衡しているという認識が示されたものの、下方リスクとして戦争、地政学的緊張、貿易ルートの混乱、過剰な公的・民間債務への言及が多かった」とした。
日本からは「財政の持続性確保が重要な課題であること、為替市場を含め金融市場が高まるリスクに留意すべきであって、為替相場の過度な変動は望ましくなく、G20における為替レートに関するコミットメントが引き続き重要であることなどを発言した」という。
神田財務官は記者団への説明の中で足元の為替の動きにも言及し、「今の相場についてどう考えるかについては申し上げないが、為替相場はファンダメンタルズに沿って安定的に推移するのが望ましい」と語った。「過度な変動は国民経済に悪影響を与えるので良くない」との認識も重ねて示し、「行き過ぎた変動があるようなら適切な対応をする。そのために緊張感をもって監視している」と述べた。
G20に先立つ主要7カ国(G7)財務相・中銀総裁会議では、ロシアの凍結資産活用について協議した。
神田財務官は「凍結資産の話についてはまだ議論が続いている。中の話を申し上げることは控える」と断ったうえで、「日本政府の立場もここでは具体的に言わないが、ひとことで言えば国際法にかなったものであるべき」と記者団に語った。
財務官によると、G7では、日銀の植田和男総裁から「世界経済や日本の物価動向についての発言があった」という。
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