後場の投資戦略
PPIも根強いインフレ示唆、今晩の米景気指標にも要注意
配信日時:2022/09/15 12:14
配信元:FISCO
[日経平均株価・TOPIX(表)]
日経平均;27946.20;+127.58TOPIX;1954.38;+6.92
[後場の投資戦略]
米8月PPIは総合で前年比+8.7%と予想(+8.8%)を下回り、前月比では-0.1%と予想(-0.1%)に一致。一方、米連邦準備制度理事会(FRB)が重要視する食品・エネルギーを除くコア指数では前年比+7.3%と予想(+7.0%)を大幅に超過。前月比でも+0.4%と予想(+0.3%)を上回った。米8月消費者物価指数(CPI)程にはサプライズはなかったものの、コア指数がどちらも全て予想を上回っている点でネガティブであり、インフレ懸念がくすぶる結果となった。
米主要株価3指数も前日は揃って反発したものの、一昨日の急落直後にしては、上昇率はかなり小幅なものにとどまった。上昇したのも引け間際にまとまった買いが入ったからに過ぎず、終盤にかけてはマイナス圏で推移する時間もあり、動きとしては弱さの方が目立つ形だった。本日の日経平均も動意薄でほぼ横ばい、一時はマイナスに転換する場面も見られている。
一方、こうした中でも、相次ぐ水際対策の緩和、経済正常化に向けた報道を支援要因にリオープン(経済再開)関連、インバウンド関連銘柄は連日で上昇。個人投資家の物色意欲も衰えず、前日同様にマザーズ指数の相対的な強さが際立っている。しかし、大型グロース株や景気敏感株の上値が重い限り、日経平均やTOPIX(東証株価指数)の上値は重いままだろう。
個人投資家の旺盛な物色意欲を背景に、足元では中小型のグロース株を中心にしっかりとしたチャートを描いている銘柄も多いが、積極的に売買している個人投資家も中長期目線よりは短期目線の向きが多い様子。市場の動向次第では変わり身もはやいと思われ、長期投資と割り切らない限りは迂闊に手を出しにくいだろう。
米国では物価指標の発表は一巡したが、今晩は8月小売売上高、8月鉱工業生産、9月フィラデルフィア連銀製造業景況指数、9月ニューヨーク連銀景気指数と重要指標の発表が相次ぐ。金融引き締め懸念が再燃しているなか、これらの指標で下振れが多いと、過剰な引き締めが必要以上に景気後退を招くオーバーキルへの懸念が一段と高まる恐れがある。インフレ沈静化のために短期的な痛みを伴ってでも需要を押し下げる覚悟のFRBからすればむしろ狙っていることかもしれない。しかし、実際にそうなれば、10月下旬から始まる主要企業の7-9月決算を前に、企業業績の悪化懸念が今後は株価の新たな重石になりかねないだろう。
(仲村幸浩)
<AK>
日経平均;27946.20;+127.58TOPIX;1954.38;+6.92
[後場の投資戦略]
米8月PPIは総合で前年比+8.7%と予想(+8.8%)を下回り、前月比では-0.1%と予想(-0.1%)に一致。一方、米連邦準備制度理事会(FRB)が重要視する食品・エネルギーを除くコア指数では前年比+7.3%と予想(+7.0%)を大幅に超過。前月比でも+0.4%と予想(+0.3%)を上回った。米8月消費者物価指数(CPI)程にはサプライズはなかったものの、コア指数がどちらも全て予想を上回っている点でネガティブであり、インフレ懸念がくすぶる結果となった。
米主要株価3指数も前日は揃って反発したものの、一昨日の急落直後にしては、上昇率はかなり小幅なものにとどまった。上昇したのも引け間際にまとまった買いが入ったからに過ぎず、終盤にかけてはマイナス圏で推移する時間もあり、動きとしては弱さの方が目立つ形だった。本日の日経平均も動意薄でほぼ横ばい、一時はマイナスに転換する場面も見られている。
一方、こうした中でも、相次ぐ水際対策の緩和、経済正常化に向けた報道を支援要因にリオープン(経済再開)関連、インバウンド関連銘柄は連日で上昇。個人投資家の物色意欲も衰えず、前日同様にマザーズ指数の相対的な強さが際立っている。しかし、大型グロース株や景気敏感株の上値が重い限り、日経平均やTOPIX(東証株価指数)の上値は重いままだろう。
個人投資家の旺盛な物色意欲を背景に、足元では中小型のグロース株を中心にしっかりとしたチャートを描いている銘柄も多いが、積極的に売買している個人投資家も中長期目線よりは短期目線の向きが多い様子。市場の動向次第では変わり身もはやいと思われ、長期投資と割り切らない限りは迂闊に手を出しにくいだろう。
米国では物価指標の発表は一巡したが、今晩は8月小売売上高、8月鉱工業生産、9月フィラデルフィア連銀製造業景況指数、9月ニューヨーク連銀景気指数と重要指標の発表が相次ぐ。金融引き締め懸念が再燃しているなか、これらの指標で下振れが多いと、過剰な引き締めが必要以上に景気後退を招くオーバーキルへの懸念が一段と高まる恐れがある。インフレ沈静化のために短期的な痛みを伴ってでも需要を押し下げる覚悟のFRBからすればむしろ狙っていることかもしれない。しかし、実際にそうなれば、10月下旬から始まる主要企業の7-9月決算を前に、企業業績の悪化懸念が今後は株価の新たな重石になりかねないだろう。
(仲村幸浩)
<AK>
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