午前の日経平均は続伸、米株上昇を好感 上値重く伸び悩む
[東京 29日 ロイター] - 午前の東京株式市場で、日経平均は前営業日比129円07銭高の2万7944円55銭と、続伸した。前日の米国株式市場の上昇を好感して、日本株も強い基調を維持したものの、時価より上値の2万8000円前後の水準は重いと意識され、買い一巡後は伸び悩む動きとなった。
28日の米国株式市場は続伸。第2・四半期の米国内総生産(GDP)が2四半期連続で縮小したことを受け、米連邦準備理事会(FRB)が一部の想定ほど積極的に利上げを行う必要はないとの観測が広がった。
これについて市場では「FRBのハト派化を期待する動きが生じている。一方で景気悪化の懸念があり、上値が重い状態には変わりがない」(野村証券・ストラテジストの澤田麻希氏)との声が聞かれ、強い基調を維持しながらも、上値に対して慎重な動きとなっている。実際、瞬間的に2万8000円に乗せた後は、もみ合いに終始した。
2万8000円前後の水準は、テクニカル面でも重いとの印象が強い。3月25日高値2万8338円81銭と6月9日高値2万8389円75銭で形成するダブルトップが意識されており、ここからは一気の上昇が難しいとの見方が出ている。
一方、物色面では、決算内容によって動きに優劣が生じ、徐々に二極化の様相を呈してきた。市場では「決算内容が好悪まちまちで、どうしても動きにばらつきが出る。こうなると強気基調を維持しても、全面高の相場は見込めない」(東海東京調査センター・シニアストラテジストの中村貴司氏)との声が聞かれた。
TOPIXは0.02%高で午前の取引を終了。東証プライム市場の売買代金は1兆4499億9500万円だった。東証33業種では、サービス業、鉱業が値上がりする一方、医薬品、食料品の値下がりが目立つ。
個別では、アドバンテスト、ホシデンなど好決算銘柄が買われたほか、ファーストリテイリングもしっかりとなった。半面、決算内容が悪かったNECが大幅下落となり、任天堂もさえない。
プライム市場の騰落数は、値上がり740銘柄(40%)に対し、値下がりが1026銘柄(55%)、変わらずが71銘柄(3%)だった。