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午後3時のドルは下落し135円半ば、安倍元首相銃撃でリスク回避の円買い

配信日時:2022/07/08 15:48 配信元:REUTERS

[東京 8日 ロイター] - 午後3時のドル/円は、前日のニューヨーク市場終盤(135.98/03円)から下落し、135.66/68円で推移している。安倍晋三元首相の銃撃事件を受けてリスク回避の動きの流れから、クロス円を中心に円買いが進行し、ドル/円を下押した。

ドルは五・十日に伴い実需の売り買いが交錯した後は、手掛かり材料難から136円付近でもみあいで推移。「市場ではリセッションがメインテーマとなっており、ドルと円は同じ方向に行きやすい」(トレイダーズ証券の市場部長、井口喜雄氏)という。

しかし、その後に安倍元首相が遊説中に撃たれ、心肺停止の状態と報じられたことをきっかけに、海外勢を中心にドル売り/円買いが強まり、一時135.33円まで下落した。

ステート・ストリート銀行の東京支店・共同支店長、若林徳広氏は「今週末の参院選で自民党が圧勝すれば、岸田政権の政策が進みやすくなる。将来的な日銀の金融政策修正の思惑も強まりやすく、円買いになってもおかしくない」と指摘。ただ、目先では日銀の金融政策の変更はないとみられることや米国の積極的な金融引き締めを背景に、ドル/円は140円方向を目指すと予想する。

ドル指数は107付近と約20年ぶりの高値圏で推移している。欧州はスタグフレーション懸念から順調に利上げを進められないとの見方が浮上している一方で「米国はインフレ抑制に向けて利上げを進めても、景気がそこまでダメージを受けないとの見方が強い」(SBI証券の外国為替室部長、上田眞理人氏)との声が聞かれた。

8日発表の6月米雇用統計に市場の関心が集まる。仮に弱い内容になったとしても、「米国の金融引き締め方向は変わらず、相場への影響は限定的ではないか」(国内銀行)との声が聞かれた。

ユーロ/ドルは一時1.0140ドルと直近の安値更新。欧州景気減速懸念に加えて、安倍元首相銃撃をきっかけにユーロ/円が約1円近く下落したことから、ユーロ/ドルもつれ安となった。

ドル/円   ユーロ/ドル ユーロ/円

午後3時現在 135.66/68 1.0158/62 137.82/86

午前9時現在 135.91/93 1.0167/71 138.20/24

NY午後5時 135.98/03 1.0159/63 138.14/18

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