注目トピックス 日本株
ナック Research Memo(9):2025年3月期に営業利益5,000百万円の目標を掲げる
配信日時:2022/07/07 16:19
配信元:FISCO
■中期経営計画並びに今後の展望・課題
ナック<9788>は、2025年3月期を最終年度とする中期経営計画を推進しており、目標としては売上高75,000百万円、営業利益5,000百万円を掲げている。レオハウスの譲渡によって、住宅事業への依存割合を低下させたが、経営資源の再配置を行い、財務体質を強化し、積極的な投資を実行することを施策とする。そして、グループ全体の発展と成長を目指す考えだ。
1. クリクラ事業は自社優位性の再発信及びサステナビリティ戦略による差別化を実施
クリクラ事業は、顧客件数の拡大を引き続き図っていく。具体的な施策としては、炭酸水が飲めるマルチサーバー「クリクラShuwa」や価格訴求型の浄水サーバー「feel free」をはじめとする新製品を積極投入していく。炭酸水が飲める「クリクラShuwa」は炭酸水が人気となっていることから、ニーズがあると見られ、消費量の増加が期待できる。さらに、ショッピングモールなどでのイベント型営業などあらゆる顧客獲得策に注力し、顧客件数の増加を目指す。
さらに、自社製の次亜塩素酸水溶液「ZiACO」の拡大を引き続き進めていく。次亜塩素酸水溶液は、もともとボトルの洗浄用に自社で生産をしていただけに、大きな投資を必要としないのが強みだ。
2. ケアサービス部門の拡大に注力
レンタル事業においては、ダスキンの他加盟店のM&A戦略を推進する。そのほかダスキンのビジネスに関しては、2018年8月にダスキンと資本業務提携を締結したことで、さらなる事業拡大を目指す。役務事業に力を注ぐほか、高齢者や後期高齢者まで見据えた介護用品・福祉用具のレンタル事業も拡充していく。
レンタル事業で今後有望になりそうなケアサービス部門に関しては、2023年度に130拠点体制を目指し、ハウスクリーニング、家事代行など高齢者にニーズが強い部分に力を注いでいく。さらに隔離施設、消毒業務の実績からワクチン職域接種会場運営に関して有力企業からの受注を受けたが、今後はこれらビジネスの拡大を目指すだけではなく、受注先からクリクラ事業など他のグループ事業の受注につながるように営業展開をすることが重要になると思われる。
3. グループ横断で経営資源を活性化
このほか、今後は各セグメントのビジネスに「横櫛」を通すようなクロスセルに力を注いでいく。既に社長直下に新領域開発部を設置して美容・健康事業の商品をクリクラ事業の副商材として展開するなど、事業を横断して経営資源の活性化に努めている。顧客情報の共有化も進め、グループ全体で一体感を高めていく。
4. M&Aは既存事業の周辺を固める
M&Aについては、レオハウスの譲渡が転機になったと言う。それまでは、違う業界でのM&Aを実行するケースもあり、場合によってはどのようなシナジーが生じるのかを明示できないこともあった。しかし、今後は明確なストーリーが組めるよう、既存事業の周辺を固めるM&Aを進める方針としている。ダスキン事業のほかにも、それぞれ展開する事業でシナジーが見込める案件をM&Aで狙っていく考えだ。
5. SDGsやサステナビリティに注力
同社の主な例として、クリクラ事業においてウォーターサーバーに取り付けるボトルを全て回収、検査・洗浄したうえで繰り返し利用し、最終的に廃棄されるボトルについてもリサイクルを実施していることが挙げられる。ボトルを回収しリユース・リサイクルを行っている点を踏まえれば、サステナビリティの流れに乗っている格好だ。建築コンサルティング事業においても、コンサルティング部門では地場工務店向けSDGsに対応したパッケージを既に開発している。省エネ関連部資材の施工・販売事業においても、太陽光発電などの商材を扱い、石化燃料などに頼らないエネルギー源として家庭などへの導入を推進している。地場工務店や一戸建て住宅においても、今後はSDGsが無視できない存在となり、同社は既に地場工務店向けSDGsに対応したパッケージも開発した。近年では投資する際のポイントとしてSDGsやサステナビリティを重視する機関投資家が増えている。サステナビリティについても、これからの時代を考えると企業はその姿勢を強化する必要があると考えられる。同社は様々なシーンでこれらを意識しており、今後も取り組みを推進する方針だ。
6.強みを生かした新規事業への挑戦
幅広い分野で質の高いサービスを提供できる体制をさらに充実させ、収益の拡大を図りながら強みが発揮できる新規事業にも挑戦し、株主価値の増大に取り組む方針だ。祖業回帰として、レンタル事業においてこれまで培ってきた強い分野の周辺でケアサービスビジネスを強化していることや、エースホームのM&Aにより建築コンサルティング事業へ住宅フランチャイズ本部の機能を追加したことのように、今後も新たなビジネスにチャレンジしていくとしている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 水野文也)
<EY>
ナック<9788>は、2025年3月期を最終年度とする中期経営計画を推進しており、目標としては売上高75,000百万円、営業利益5,000百万円を掲げている。レオハウスの譲渡によって、住宅事業への依存割合を低下させたが、経営資源の再配置を行い、財務体質を強化し、積極的な投資を実行することを施策とする。そして、グループ全体の発展と成長を目指す考えだ。
1. クリクラ事業は自社優位性の再発信及びサステナビリティ戦略による差別化を実施
クリクラ事業は、顧客件数の拡大を引き続き図っていく。具体的な施策としては、炭酸水が飲めるマルチサーバー「クリクラShuwa」や価格訴求型の浄水サーバー「feel free」をはじめとする新製品を積極投入していく。炭酸水が飲める「クリクラShuwa」は炭酸水が人気となっていることから、ニーズがあると見られ、消費量の増加が期待できる。さらに、ショッピングモールなどでのイベント型営業などあらゆる顧客獲得策に注力し、顧客件数の増加を目指す。
さらに、自社製の次亜塩素酸水溶液「ZiACO」の拡大を引き続き進めていく。次亜塩素酸水溶液は、もともとボトルの洗浄用に自社で生産をしていただけに、大きな投資を必要としないのが強みだ。
2. ケアサービス部門の拡大に注力
レンタル事業においては、ダスキンの他加盟店のM&A戦略を推進する。そのほかダスキンのビジネスに関しては、2018年8月にダスキンと資本業務提携を締結したことで、さらなる事業拡大を目指す。役務事業に力を注ぐほか、高齢者や後期高齢者まで見据えた介護用品・福祉用具のレンタル事業も拡充していく。
レンタル事業で今後有望になりそうなケアサービス部門に関しては、2023年度に130拠点体制を目指し、ハウスクリーニング、家事代行など高齢者にニーズが強い部分に力を注いでいく。さらに隔離施設、消毒業務の実績からワクチン職域接種会場運営に関して有力企業からの受注を受けたが、今後はこれらビジネスの拡大を目指すだけではなく、受注先からクリクラ事業など他のグループ事業の受注につながるように営業展開をすることが重要になると思われる。
3. グループ横断で経営資源を活性化
このほか、今後は各セグメントのビジネスに「横櫛」を通すようなクロスセルに力を注いでいく。既に社長直下に新領域開発部を設置して美容・健康事業の商品をクリクラ事業の副商材として展開するなど、事業を横断して経営資源の活性化に努めている。顧客情報の共有化も進め、グループ全体で一体感を高めていく。
4. M&Aは既存事業の周辺を固める
M&Aについては、レオハウスの譲渡が転機になったと言う。それまでは、違う業界でのM&Aを実行するケースもあり、場合によってはどのようなシナジーが生じるのかを明示できないこともあった。しかし、今後は明確なストーリーが組めるよう、既存事業の周辺を固めるM&Aを進める方針としている。ダスキン事業のほかにも、それぞれ展開する事業でシナジーが見込める案件をM&Aで狙っていく考えだ。
5. SDGsやサステナビリティに注力
同社の主な例として、クリクラ事業においてウォーターサーバーに取り付けるボトルを全て回収、検査・洗浄したうえで繰り返し利用し、最終的に廃棄されるボトルについてもリサイクルを実施していることが挙げられる。ボトルを回収しリユース・リサイクルを行っている点を踏まえれば、サステナビリティの流れに乗っている格好だ。建築コンサルティング事業においても、コンサルティング部門では地場工務店向けSDGsに対応したパッケージを既に開発している。省エネ関連部資材の施工・販売事業においても、太陽光発電などの商材を扱い、石化燃料などに頼らないエネルギー源として家庭などへの導入を推進している。地場工務店や一戸建て住宅においても、今後はSDGsが無視できない存在となり、同社は既に地場工務店向けSDGsに対応したパッケージも開発した。近年では投資する際のポイントとしてSDGsやサステナビリティを重視する機関投資家が増えている。サステナビリティについても、これからの時代を考えると企業はその姿勢を強化する必要があると考えられる。同社は様々なシーンでこれらを意識しており、今後も取り組みを推進する方針だ。
6.強みを生かした新規事業への挑戦
幅広い分野で質の高いサービスを提供できる体制をさらに充実させ、収益の拡大を図りながら強みが発揮できる新規事業にも挑戦し、株主価値の増大に取り組む方針だ。祖業回帰として、レンタル事業においてこれまで培ってきた強い分野の周辺でケアサービスビジネスを強化していることや、エースホームのM&Aにより建築コンサルティング事業へ住宅フランチャイズ本部の機能を追加したことのように、今後も新たなビジネスにチャレンジしていくとしている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 水野文也)
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