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中国新規銀行融資、3月は3.13兆元に急増 予想上回る

配信日時:2022/04/11 19:24 配信元:REUTERS

[北京 11日 ロイター] - 中国人民銀行(中央銀行)が11日発表した3月の国内銀行の新規人民元建て融資は3兆1300億元(4920億ドル)と前月から大幅に増加し、市場予想も上回った。

人民銀行が景気を支援するため、緩和的な政策を維持したことが背景。

ロイターがまとめたアナリスト予想は2兆6800億元。前月は1兆2300億元だった。

第1・四半期の銀行融資は過去最高の8兆3400億元と、これまでの過去最高だった前年同期の7兆6700億元を8.7%上回った。

マネーサプライM2の前年比伸び率は9.7%で、アナリスト予想(9.2%)を上回った。2月は9.2%だった。

3月末の人民元建て融資残高は前年比11.4%増加した。伸び率は前月から横ばいで市場予想と一致した。

3月末の社会融資総量残高は前年比10.6%増。前月の10.2%増から加速した。

社会融資総量には、通常の銀行融資以外の新規株式公開、信託会社の融資、債券発行などが含まれる。

3月の社会融資総量は4兆6500億元で、前月の1兆1900億元から急増した。アナリストの予想は3兆7000億元だった。

ピンポイント・アセット・マネジメントのチーフエコノミストは「3月の銀行融資と社会融資総量は予想以上に増えた。当局が金融政策を緩和したことが確認された」と指摘。

「力強い信用供給は助けになるが、多くの都市がロックダウン(都市封鎖)下にあり、国内経済は低迷が続く公算が大きい。今後の感染動向とゼロコロナ政策が、中国経済の直面する最も重要な不透明要因だ」と述べた。

住宅ローンを中心とする家計向け融資は3月に7539億元に増加。2月は3369億元減少していた。企業向け融資は2兆4800億元に急増。2月は1兆2400億元だった。

キャピタル・エコノミクスはリポートで「信用の伸びは、借り入れコストが低下する中、今後数カ月引き続き加速し、住宅市場を支援する可能性が高い」と指摘。

「目先、政策緩和は続くだろう」とし、人民銀行が早ければ15日に中期貸出制度(MLF)金利を10ベーシスポイント(bp)引き下げると予想した。

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