注目トピックス 日本株
窪田製薬HD Research Memo(1):2022年後半に「クボタメガネ」のソフトローンチ
配信日時:2022/04/06 16:01
配信元:FISCO
■要約
窪田製薬ホールディングス<4596>は「世界から失明を撲滅する」を経営理念に、革新的な眼疾患治療薬及び医療デバイスの開発を進めている。主な開発パイプラインは、近視の進行を抑制または改善させる効果が期待されるウェアラブル近視デバイス「クボタメガネ」と、スターガルト病※を適応対象とした治療薬候補品「エミクススタト塩酸塩」、加齢黄斑変性等の網膜疾患患者向け在宅・遠隔眼科医療モニタリングデバイス「PBOS(Patient Based Ophthalmology Suite)」の3品となる。
※スターガルト病:網膜の遺伝性疾患で若年性の黄斑変性と呼ばれる。症状の進行とともに視力の低下や色覚障害を引き起こし、有効な治療法がいまだ確立されていない稀少疾患。患者数は欧米、日本で合計15万人弱と推定される。
1. 「クボタメガネ」の開発状況
「クボタメガネ」は網膜に人工的な光刺激を能動的に与える独自技術(アクティブスティミュレーション技術※1により、自然光を受動的に用いる他社先行品よりも眼軸長※2を効果的に短縮することが可能で、近視の進行抑制に高い効果が期待できるデバイスとして注目されている。2021年内に台湾でのソフトローンチ※3を予定していたが、新型コロナウイルス感染症拡大(以下、コロナ禍)の影響や製造委託先を変更したこともあり、2022年後半にずれ込む見通しとなった。事前に実施した市場調査の結果によると「クボタメガネ」への関心は高かったようで、販売状況によってはアジアの他の国でも販売していく可能性がありそうだ。また、医療用デバイスとしての販売で必要となるグローバル治験については、台湾での販売状況を見て開始時期を決定する予定にしている。世界の近視人口は年々増加しており、同社は潜在的な市場規模として2030年までに全世界で最大1兆3千億円の市場の可能性を有していると見ている。近視は将来的に失明につながる網膜疾患になるリスクが高まると言われていること、アジア圏では20歳以下の近視保有率が急速に増加し社会問題化していることなどから潜在的な需要は大きいと弊社では見ており、今後の動向が注目される。
※1 アクティブスティミュレーション技術:ナノテクノロジーを用いて網膜に能動的に人工的な光刺激を与えて近視の進行抑制、治療を目指す同社独自の技術。特許も申請中となっている。
※2 角膜から網膜までの長さ。成人の場合、平均約24mmで、1~2mmでも長くなると、ピントが網膜より手前で合ってしまうため、遠くが見えにくくなる(=近視)。
※3 製造から販売、配送、アフターケアまでのプロセスにおけるトラブルシューティング及びマーケットフィットの検証を目的としたテスト販売。
2. その他主要パイプラインの開発状況
スターガルト病治療薬候補の「エミクススタト塩酸塩」については、第3相臨床試験結果のデータベースロックが2022年12月期第3四半期頃に完了する見込みで、そのデータ次第で販売承認申請を行う予定となっている。また、大手製薬企業など10社以上と協議中の販売パートナー契約についても、2023年前半には進展するものと期待される。同社資料によれば、スターガルト病治療薬の市場規模は2027年に世界で約16億ドルになるという予測※もあるだけに期待は大きい。一方「PBOS」については、国内の医療機関で小規模の性能確認試験を2022年1月より開始した。第三者機関による客観的なエビデンスをもってパートナー候補先企業と協議を進め、米国での共同開発や商業化を目指していく方針となっている。
※WISEGUY RESEARCH CONSULTANTS PVT LTD Global Juvenile Degeneration(Stargardt Diseas) Market Research Report
3. 業績動向
2021年12月期の連結業績は事業収益がなく、営業損失で2,584百万円(前期は2,484百万円の損失)となった。「クボタメガネ」の開発費用増により研究開発費が2,040百万円と前期比67百万円増加した。2022年12月期計画は事業収益を見込んでいないものの、「クボタメガネ」が販売開始されれば計上されることになる。また、営業損失は研究開発費の減少により2,000百万円と前期から縮小する見込みとなっている。なお、2021年12月期末の手元資金は4,415百万円となっており、約2年分の事業活動資金は確保されているものの、まだ開発ステージの段階であることから、資金調達については適宜検討していくことにしている。2022年12月期の後半には今後の成長性を判断するうえで重要な鍵を握る「クボタメガネ」のソフトローンチや、スターガルト病の治験結果が明らかとなることから、これらの動向に注目したい。
■Key Points
・「クボタメガネ」は近視進行を抑制・改善し、将来の失明リスク軽減に貢献するキーデバイスに成長する可能性
・「PBOS」は国内で実施する第三者機関の性能確認試験データをもって、パートナー契約交渉に臨む
・スターガルト病治療薬の開発に成功すれば1,000億円を超える売上ポテンシャルを持つ医薬品となる可能性
・2022年12月期は「クボタメガネ」で事業収益の計上を目指す
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
<EY>
窪田製薬ホールディングス<4596>は「世界から失明を撲滅する」を経営理念に、革新的な眼疾患治療薬及び医療デバイスの開発を進めている。主な開発パイプラインは、近視の進行を抑制または改善させる効果が期待されるウェアラブル近視デバイス「クボタメガネ」と、スターガルト病※を適応対象とした治療薬候補品「エミクススタト塩酸塩」、加齢黄斑変性等の網膜疾患患者向け在宅・遠隔眼科医療モニタリングデバイス「PBOS(Patient Based Ophthalmology Suite)」の3品となる。
※スターガルト病:網膜の遺伝性疾患で若年性の黄斑変性と呼ばれる。症状の進行とともに視力の低下や色覚障害を引き起こし、有効な治療法がいまだ確立されていない稀少疾患。患者数は欧米、日本で合計15万人弱と推定される。
1. 「クボタメガネ」の開発状況
「クボタメガネ」は網膜に人工的な光刺激を能動的に与える独自技術(アクティブスティミュレーション技術※1により、自然光を受動的に用いる他社先行品よりも眼軸長※2を効果的に短縮することが可能で、近視の進行抑制に高い効果が期待できるデバイスとして注目されている。2021年内に台湾でのソフトローンチ※3を予定していたが、新型コロナウイルス感染症拡大(以下、コロナ禍)の影響や製造委託先を変更したこともあり、2022年後半にずれ込む見通しとなった。事前に実施した市場調査の結果によると「クボタメガネ」への関心は高かったようで、販売状況によってはアジアの他の国でも販売していく可能性がありそうだ。また、医療用デバイスとしての販売で必要となるグローバル治験については、台湾での販売状況を見て開始時期を決定する予定にしている。世界の近視人口は年々増加しており、同社は潜在的な市場規模として2030年までに全世界で最大1兆3千億円の市場の可能性を有していると見ている。近視は将来的に失明につながる網膜疾患になるリスクが高まると言われていること、アジア圏では20歳以下の近視保有率が急速に増加し社会問題化していることなどから潜在的な需要は大きいと弊社では見ており、今後の動向が注目される。
※1 アクティブスティミュレーション技術:ナノテクノロジーを用いて網膜に能動的に人工的な光刺激を与えて近視の進行抑制、治療を目指す同社独自の技術。特許も申請中となっている。
※2 角膜から網膜までの長さ。成人の場合、平均約24mmで、1~2mmでも長くなると、ピントが網膜より手前で合ってしまうため、遠くが見えにくくなる(=近視)。
※3 製造から販売、配送、アフターケアまでのプロセスにおけるトラブルシューティング及びマーケットフィットの検証を目的としたテスト販売。
2. その他主要パイプラインの開発状況
スターガルト病治療薬候補の「エミクススタト塩酸塩」については、第3相臨床試験結果のデータベースロックが2022年12月期第3四半期頃に完了する見込みで、そのデータ次第で販売承認申請を行う予定となっている。また、大手製薬企業など10社以上と協議中の販売パートナー契約についても、2023年前半には進展するものと期待される。同社資料によれば、スターガルト病治療薬の市場規模は2027年に世界で約16億ドルになるという予測※もあるだけに期待は大きい。一方「PBOS」については、国内の医療機関で小規模の性能確認試験を2022年1月より開始した。第三者機関による客観的なエビデンスをもってパートナー候補先企業と協議を進め、米国での共同開発や商業化を目指していく方針となっている。
※WISEGUY RESEARCH CONSULTANTS PVT LTD Global Juvenile Degeneration(Stargardt Diseas) Market Research Report
3. 業績動向
2021年12月期の連結業績は事業収益がなく、営業損失で2,584百万円(前期は2,484百万円の損失)となった。「クボタメガネ」の開発費用増により研究開発費が2,040百万円と前期比67百万円増加した。2022年12月期計画は事業収益を見込んでいないものの、「クボタメガネ」が販売開始されれば計上されることになる。また、営業損失は研究開発費の減少により2,000百万円と前期から縮小する見込みとなっている。なお、2021年12月期末の手元資金は4,415百万円となっており、約2年分の事業活動資金は確保されているものの、まだ開発ステージの段階であることから、資金調達については適宜検討していくことにしている。2022年12月期の後半には今後の成長性を判断するうえで重要な鍵を握る「クボタメガネ」のソフトローンチや、スターガルト病の治験結果が明らかとなることから、これらの動向に注目したい。
■Key Points
・「クボタメガネ」は近視進行を抑制・改善し、将来の失明リスク軽減に貢献するキーデバイスに成長する可能性
・「PBOS」は国内で実施する第三者機関の性能確認試験データをもって、パートナー契約交渉に臨む
・スターガルト病治療薬の開発に成功すれば1,000億円を超える売上ポテンシャルを持つ医薬品となる可能性
・2022年12月期は「クボタメガネ」で事業収益の計上を目指す
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
<EY>
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