注目トピックス 日本株
アイル Research Memo(8):2025年7月期に営業利益率20%を目指す
配信日時:2022/04/04 15:38
配信元:FISCO
■アイル<3854>の中期成長戦略
3ヶ年中期経営計画(2022年7月期~2024年7月期、1年ごとに更新するローリング方式)では、2024年7月期に売上高16,000百万円、営業利益2,800百万円、営業利益率17.5%、経常利益2,826百万円、親会社株主に帰属する当期純利益1,809百万円を目指す。また、中期目標として2025年7月期に営業利益率20%を掲げている。
1. 成長に向けた基本戦略
成長に向けた基本戦略としては、DX支援のリーディングカンパニーを目指し、(1) システムソリューション事業の安定成長による強固な収益基盤の構築、(2) Webソリューション事業を第二の収益柱に育成、(3) 新技術を取り込んだ新たな業務システム領域への進出、を掲げている。「CROSS-OVER シナジー」戦略を推進し、新技術を取り込んだ独自開発のサービス・製品を有機的に結合させ、高付加価値トータルソリューションパッケージとして市場に提供することで高収益体質の構築に取り組む方針だ。
また、ストックの継続的な成長とイニシャルの利益改善施策により、中期目標として2025年7月期に営業利益率20%を目指している。具体的には、クラウド商材を積極的に展開することで、イニシャルと比較し相対的に売上総利益率が高いストック売上高の構成比を上げるほか、パッケージ機能の強化や製販一体体制によるプロジェクトの管理強化などにより、さらなる売上総利益率向上を目指す。
(1) システムソリューション事業の安定成長による強固な収益基盤の構築
各業種パッケージの製品強化、現行5業種特化(アパレル・ファッション業界、食品業界、医療機器業界、ねじ・金属部品業界、鉄鋼・非鉄業界)における顧客層拡大、新営業拠点の設置や商圏エリアの拡大、ERP市場やBtoB EC市場の開拓などを加速する。顧客層拡大では、従来は業態として卸売業がメイン顧客層だったが、基幹業務管理システム「アラジンオフィス」の業種特化型標準パッケージ展開で培った機能・ノウハウを生かして、特化5業種のなかで製造・輸入・小売業といった業態に顧客層の拡充を推進する。
(2) Webソリューション事業を第二の収益柱に育成
次世代クラウドサービスの開発や新料金プランの策定などにより、BtoB EC市場のバックヤード支援強化を推進する。
(3) 新技術を取り込んだ新たな業務システム領域への進出
ブロックチェーンやAI(人工知能)を活用したサービスの開発を推進する。また、ビジネスパートナーとの連携強化や、資本業務提携しているシビラとの共同開発も推進する。
2. 研究開発投資
(1) シビラと資本業務提携してブロックチェーン技術を活用
資本業務提携しているシビラの独自開発ブロックチェーン技術「Broof」を活用して、クラウドサービスのセキュリティ向上、在庫データのオープン化、企業・店舗・サービスを横断したオープンなプラットフォームの企画・開発・販売に共同で取り組んでいる。2017年8月には業務管理クラウドサービス「CROSSシリーズ」において、シビラのブロックチェーン技術「Broof」の運用を開始している。
(2) 次世代クラウド研究開発用オフィス「アイル松江ラボ」
次世代クラウド研究開発用オフィスとして島根県松江市に「アイル松江ラボ」を開設している。島根県松江市は、日本で開発されたプログラミング言語としては初めて国際規格に認証された「Ruby(ルビー)」の街を標榜し、エンジニアにとっては聖地とも言える都市の1つである。シンプルかつ高い生産性・柔軟性を持つプログラミング言語「Ruby」に開発言語を統一することで、既存のクラウドサービス「CROSSシリーズ」次世代版の開発を、より効率的に高品質で行う。
(3) AIを活用したサービスなど研究開発に積極投資
同社によると、中堅・中小企業の受注方法は85.8%がアナログ手段(Fax、電話、メール、対面営業、展示会)であり、BtoB EC導入率は14.2%にとどまっている。一方で、BtoB EC導入に対して前向きに検討中と回答した企業が約28%と、4割以上がデジタルシフトの傾向にある。
市場環境としては、DX実現に向けたIT投資の拡大、働き方改革(生産性向上)推進によるERPなどIT投資の拡大、EC市場の拡大、新技術(ブロックチェーンやAIなど)市場の拡大が予想される。こうした市場環境の下、競争力向上に向けた取り組みとして、業務システム分野においてAIを活用したデータ分析・業務自動化の研究開発活動を推進する。また、基幹システムやクラウドサービスで培ったノウハウを「CROSS-OVERプラットフォーム」として構築し、基幹システムとクラウドサービスの相互連携をさらに加速させる方針だ。
BXによる価値創造支援の進化により成長加速を目指す
3. 事業ポリシー
同社は、事業ポリシーとして「BX」を掲げている。これは、ITによる「リアル」と「Web」の融合でDXを支援する同社独自の「CROSS-OVER シナジー」戦略によるバックサイドトランスフォーメーションのことで、単なるDXによる効率化だけでなく、有機的なサービス提案とコンサルティングによる変革により価値創造を実現することを目指す。この概念は、オンラインの効率化と現場・オフィス・店舗のデジタル化を切り離さず、相乗効果を発揮できるようにすることが企業の価値創造として重要になってきていることが背景にある。あらゆる企業のバックサイドを変革で支えることによって、同社のさらなる成長加速が期待できると弊社では見ている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展)
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3ヶ年中期経営計画(2022年7月期~2024年7月期、1年ごとに更新するローリング方式)では、2024年7月期に売上高16,000百万円、営業利益2,800百万円、営業利益率17.5%、経常利益2,826百万円、親会社株主に帰属する当期純利益1,809百万円を目指す。また、中期目標として2025年7月期に営業利益率20%を掲げている。
1. 成長に向けた基本戦略
成長に向けた基本戦略としては、DX支援のリーディングカンパニーを目指し、(1) システムソリューション事業の安定成長による強固な収益基盤の構築、(2) Webソリューション事業を第二の収益柱に育成、(3) 新技術を取り込んだ新たな業務システム領域への進出、を掲げている。「CROSS-OVER シナジー」戦略を推進し、新技術を取り込んだ独自開発のサービス・製品を有機的に結合させ、高付加価値トータルソリューションパッケージとして市場に提供することで高収益体質の構築に取り組む方針だ。
また、ストックの継続的な成長とイニシャルの利益改善施策により、中期目標として2025年7月期に営業利益率20%を目指している。具体的には、クラウド商材を積極的に展開することで、イニシャルと比較し相対的に売上総利益率が高いストック売上高の構成比を上げるほか、パッケージ機能の強化や製販一体体制によるプロジェクトの管理強化などにより、さらなる売上総利益率向上を目指す。
(1) システムソリューション事業の安定成長による強固な収益基盤の構築
各業種パッケージの製品強化、現行5業種特化(アパレル・ファッション業界、食品業界、医療機器業界、ねじ・金属部品業界、鉄鋼・非鉄業界)における顧客層拡大、新営業拠点の設置や商圏エリアの拡大、ERP市場やBtoB EC市場の開拓などを加速する。顧客層拡大では、従来は業態として卸売業がメイン顧客層だったが、基幹業務管理システム「アラジンオフィス」の業種特化型標準パッケージ展開で培った機能・ノウハウを生かして、特化5業種のなかで製造・輸入・小売業といった業態に顧客層の拡充を推進する。
(2) Webソリューション事業を第二の収益柱に育成
次世代クラウドサービスの開発や新料金プランの策定などにより、BtoB EC市場のバックヤード支援強化を推進する。
(3) 新技術を取り込んだ新たな業務システム領域への進出
ブロックチェーンやAI(人工知能)を活用したサービスの開発を推進する。また、ビジネスパートナーとの連携強化や、資本業務提携しているシビラとの共同開発も推進する。
2. 研究開発投資
(1) シビラと資本業務提携してブロックチェーン技術を活用
資本業務提携しているシビラの独自開発ブロックチェーン技術「Broof」を活用して、クラウドサービスのセキュリティ向上、在庫データのオープン化、企業・店舗・サービスを横断したオープンなプラットフォームの企画・開発・販売に共同で取り組んでいる。2017年8月には業務管理クラウドサービス「CROSSシリーズ」において、シビラのブロックチェーン技術「Broof」の運用を開始している。
(2) 次世代クラウド研究開発用オフィス「アイル松江ラボ」
次世代クラウド研究開発用オフィスとして島根県松江市に「アイル松江ラボ」を開設している。島根県松江市は、日本で開発されたプログラミング言語としては初めて国際規格に認証された「Ruby(ルビー)」の街を標榜し、エンジニアにとっては聖地とも言える都市の1つである。シンプルかつ高い生産性・柔軟性を持つプログラミング言語「Ruby」に開発言語を統一することで、既存のクラウドサービス「CROSSシリーズ」次世代版の開発を、より効率的に高品質で行う。
(3) AIを活用したサービスなど研究開発に積極投資
同社によると、中堅・中小企業の受注方法は85.8%がアナログ手段(Fax、電話、メール、対面営業、展示会)であり、BtoB EC導入率は14.2%にとどまっている。一方で、BtoB EC導入に対して前向きに検討中と回答した企業が約28%と、4割以上がデジタルシフトの傾向にある。
市場環境としては、DX実現に向けたIT投資の拡大、働き方改革(生産性向上)推進によるERPなどIT投資の拡大、EC市場の拡大、新技術(ブロックチェーンやAIなど)市場の拡大が予想される。こうした市場環境の下、競争力向上に向けた取り組みとして、業務システム分野においてAIを活用したデータ分析・業務自動化の研究開発活動を推進する。また、基幹システムやクラウドサービスで培ったノウハウを「CROSS-OVERプラットフォーム」として構築し、基幹システムとクラウドサービスの相互連携をさらに加速させる方針だ。
BXによる価値創造支援の進化により成長加速を目指す
3. 事業ポリシー
同社は、事業ポリシーとして「BX」を掲げている。これは、ITによる「リアル」と「Web」の融合でDXを支援する同社独自の「CROSS-OVER シナジー」戦略によるバックサイドトランスフォーメーションのことで、単なるDXによる効率化だけでなく、有機的なサービス提案とコンサルティングによる変革により価値創造を実現することを目指す。この概念は、オンラインの効率化と現場・オフィス・店舗のデジタル化を切り離さず、相乗効果を発揮できるようにすることが企業の価値創造として重要になってきていることが背景にある。あらゆる企業のバックサイドを変革で支えることによって、同社のさらなる成長加速が期待できると弊社では見ている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展)
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