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S&P500 月例レポート ― 2年ぶり調整局面、2つの懸念要因が重荷に (2) ―

配信日時:2022/03/29 11:40 配信元:MINKABU
●利回り、金利、コモディティ  ○米国10年国債利回りは、1月末の1.78%から1.85%に上昇して月を終えました(2021年末は1.51%、2020年末は0.92%、2019年末は1.92%、2018年末は2.69%、2017年末は2.41%)。30年国債利回りは、1月末の2.11%から2.19%に上昇して取引を終えました(同1.91%、同1.65%、同2.30%、同3.02%、同3.05%)。  ○英ポンドは1月末の1ポンド=1.3442ドルから1.3420ドルに下落し(同1.3525ドル、同1.3673ドル、同1.3253ドル、同1.2754ドル、同1.3498ドル)、ユーロは1月末の1ユーロ=1.1225ドルから1.1219ドルに下落しました(同1.1379ドル、同1.2182ドル、同1.1172ドル、同1.1461ドル、同1.2000ドル)。円は1月末の1ドル=115.07円から114.92円に上昇し(同115.08円、同103.24円、同108.76円、同109.58円、同112.68円)、人民元は1月末の1ドル=6.3601元から6.3093元に上昇しました(同6.3599元、同6.5330元、同6.9633元、同6.8785元、同6.5030元)。  ○原油価格は1月末の1バレル=88.32ドルから95.66ドルに上昇して月を終えました(同75.40ドル、同48.42ドル、同61.21ドル、同45.81ドル、同60.09ドル)。米国のガソリン価格(EIAによる全等級)は、1月末の1ガロン=3.464ドルから3.624ドルに上昇して月末を迎えました(同3.375ドル、同2.330ドル、同2.658ドル、同2.358ドル、同2.589ドル)。  ○金価格は1月末の1トロイオンス=1799.00ドルから上昇して1910.40ドルで月の取引を終えました(同1829.80ドル、同1901.60ドル、同1520.00ドル、同1284.70ドル、同1305.00ドル)。  ○VIX恐怖指数は1月末の24.83から30.15に上昇して月を終えました。月中の最高は37.79、最低は19.93でした(同17.22、同22.75、同13.78、同16.12、同11.05)。   ⇒同指数の2021年の最高は37.51、最低は14.10でした。   ⇒同指数の2020年の最高は85.47、最低は11.75でした。 ●バイデン大統領と政府高官  ○ロシアが自国およびベラルーシとウクライナとの国境付近で軍備の増強を続けていることで緊張は一段と高まり(配備されたロシア軍は19万人に上ると推定されます)、ロシアがウクライナに侵攻するとの憶測が強まりました。   ⇒ロシアは、ウクライナのドネツク州とルガンスク州という既にロシア側が支配し、ロシア軍が配備されている地域の独立を承認し、プーチン大統領は「平和維持軍」と称して追加部隊を送ると発言しました。各国による当初の制裁措置は限定的で、ほとんどの国は、ロシア側の行動を「侵攻」と認めませんでした(認めたくありませんでした)。   ⇒上記に対する反応としてドイツは、バルト海の海底を経由して欧州とロシアを結ぶノルドストリーム2パイプライン(全長1230キロ)の承認手続きを停止しました。米国はロシアの銀行と一部の個人による取引を制限する制裁措置を決定し、英国と欧州もこれに続きました。   ⇒すると、ロシアは2月23日、ウクライナの「非武装化」を求め、独立を承認した地域の保護を目的とした「特別作戦」を実行すると宣言しました。ロシア軍はウクライナに侵攻し、10以上の都市が空爆されました。   ⇒これを受け、米国とその同盟国は、ロシアの大手銀行4行に対して制裁措置を発動することを決めました。その後も戦闘が続き、2月末までには、国際決済ネットワークの「国際銀行間通信協会(SWIFT)」からのロシアの銀行(具体名は明かされず)の排除と、プーチン大統領を対象とした制裁措置も発表されました。   ⇒戦闘開始から4日後、ロシアとウクライナはベラルーシとの国境で停戦協議を開始しましたが、進展はありませんでした。 ●新型コロナウイルス関連  ○ファイザーは、自社製ワクチンの5歳未満への使用承認を米食品医薬品局(FDA)に申請しました。  ○FDAは、イーライ・リリーが開発した、新型コロナウイルスのオミクロン株に有効な抗体医薬品の使用を許可しました。  ○米国では、新たな変異株BA.2の感染が50州中30州で確認され、感染者の3.9%を占めています。  ○香港では感染者の増加が続き、1日の新規感染者数が3万4000人に達しており、都市全体のロックダウンが発動される可能性があります。  ○新型コロナウイルス関連データ:   ⇒世界全体のワクチン接種回数は107億回となりました(2022年1月末時点では101億回)。  米国は現時点で:    →ワクチン接種回数が5億5200万回(同5億3900万回)に達しました(ブースター接種を含みます)。    →人口の75.6%(同74.5%)が少なくとも1回は接種したことになり、人口の64.2%(同63.1%)が2回の接種を終えました。人口の27.9%(同26.1%)がブースター接種を受けました。    →新規感染者数の7日間平均は2月末時点で6万6441人となり、1月末時点の51万9421人から減少しました。1日当たり新規感染者数は2022年1月11日に141万7493人に達しました(2021年11月末時点で8万3120人)。また、死者数の7日間平均は1872人(1月末時点は2524人)に減少しました。 ●各国中央銀行の動き(および関連ニュース)  ○イングランド銀行(BOE)は、エネルギー価格や賃金の上昇を背景にインフレ率が数ヵ月以内に7%を超える見通しであることから、政策金利を0.25%から0.50%に引き上げ、2会合連続の利上げとなりました。金融政策委員9名のうち4人が50bpの利上げを主張した点は注目されます。次回会合は3月17日に開かれる予定です(米国のFOMCは3月15-16日)。  ○欧州中央銀行(ECB)のラガルド総裁は会見でタカ派姿勢を強め、政策を大幅に転換する可能性を示唆しました。  ○1月25-26日に開催されたFOMCの議事録では、短期間での50bpの利上げを支持する動きはほとんど見られず、市場も3月15-16日の会合で25bpの利上げという見方で概ね一致しています。QTの開始はその後になるとみられ、予想を上回るペースとなる可能性があります。  ○ロシア中央銀行は、主要政策金利を9.5%から20.0%に引き上げました。 ※「2年ぶり調整局面、2つの懸念要因が重荷に (3)」へ続く 株探ニュース

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