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ティアンドエス Research Memo(5):2021年11月期は大幅増収増益。過去最高の業績を達成(1)
配信日時:2022/02/24 15:25
配信元:FISCO
■ティアンドエス<4055>の業績動向
1. 2021年11月期の業績概要
2021年11月期の売上高と当期純利益はそれぞれ前期比20.5%増の2,732百万円、同24.7%増の294百万円と大幅に伸長し、そろって過去最高を記録した。また、営業利益が同35.6%増の412百万円に拡大したほか、経常利益も同37.7%増の419百万円に膨らんでいる。
過去最高の業績を記録したのは、3つのカテゴリー(ソリューションカテゴリー、半導体カテゴリー、先進技術ソリューションカテゴリー)すべてが好調だったことが要因。同社の基盤カテゴリーであるソリューションカテゴリーの売上高は、キオクシア半導体工場の生産管理システムの大規模更新があったことや東芝が建設した原子力発電所の管理システムに関する保守・運用、受託開発が好調に推移したこと、食品メーカー、防衛庁をはじめとする新規顧客が増加したことなどによって、前期比16.3%増(294百万円増)の2,101百万円に大きく拡大している。
半導体カテゴリーの売上高は、キオクシアグループが四日市と北上で運営している半導体工場の運用・保守サービスが堅調に推移したこと、キオクシアグループの半導体工場増設によりシステムの受託開発が伸びたことなどを背景に、前期比30.5%増(108百万円増)の464百万円に急伸している。
前期比ベースでの伸びが最も大きいのが先進技術ソリューションカテゴリーだ。画像処理・画像認識の分野で顧客に最適なAIアルゴリズムを探索・提案し、大企業の研究開発を支援するという差別化されたビジネスモデルによって、NEC、Honda、オムロンに加え精密機器メーカー、自動車関連メーカーなどの大規模な新規顧客の獲得に成功。これを受け、同カテゴリーの売上高は前期比60.7%増(63百万円増)の167百万円に膨らんでいる。
上記のような過去最高の業績を達成することができたのも同社の強みである「盤石な大手顧客基盤」「品質管理力」があったからこそであると弊社は考えている。長年にわたる顧客とのビジネスのなかで実績と信頼を積み重ねてきたことが大幅な売上の増加につながり、そのなかで徹底した工程管理(品質管理)によりコストを抑えたことが高い利益率につながった格好だ。また、先進技術ソリューションカテゴリーでは「高付加価値ビジネスの創造力」という強みを存分に発揮している。自社でゼロからAIアルゴリズムを作り上げる企業は数多くあるものの、世界中のアルゴリズムから顧客に最適なものを探し出して実装・試験をしたうえで顧客に提案するという「研究開発支援型ビジネス」を行っている企業がほとんど市場に存在しないためだ。同社が2020年に上場し、AI分野で付加価値の高いビジネスを提供していることが市場に認知され始めていること、DXを推進する企業が増加していることなどを踏まえると、同カテゴリーは今後ますます伸びていくと弊社は考えている。
2. KPI(Key Performance Indicator)の達成状況
同社が設定しているKPI達成率(2011年11月期時点)は、おおむね順調な結果となっている。ソリューションカテゴリーにおける「エンジニア数」のみ唯一目標に届かなかったものの(達成率は95%)、今後のエンジニア採用努力によって解決することができると考える。コロナ禍に適応した採用方法を積極的に模索していくことがカギになってくるだろう。
3. 過去の業績推移
(1) 売上高、営業利益、営業利益率の推移
同社の売上高は、2020年11月期に前期比で若干の減少を強いられたものの、それ以外は増収を続けている。また、営業利益は、創業依頼一度も前期割れすることなく右肩上がりで成長してきていることも特徴だ。
特に着目すべきは、営業利益率の高さ。2017年11月期の7.8%から2021年11月期の15.1%まで、非常に高い水準で推移している。これは、同社が大手顧客から優良単価で案件を受注し、徹底した品質管理で余計なコストを発生させないことによって生み出された結果であり、ここでも同社の強みが発揮されていると弊社は考える。
(2) カテゴリー別売上高の推移
2018年11月期~2021年11月期の売上高の推移を事業カテゴリー別に見てみると、同社売上高の大部分を占めるソリューションカテゴリーは、多少の増減はあるものの堅調に推移。同社収益の基盤となってきたことが窺える。また、安定した収益源である半導体カテゴリーは右肩上がりで成長している。今後も世界的なDXの推進による半導体需要の高まりによってキオクシアの業績が好調に推移することなどから、成長軌道をたどると弊社は考えている。先進技術ソリューションカテゴリーも、売上に占める割合は相対的に小さいものの成長率は非常に高い。AI領域での同社特有のビジネスモデルとそれを可能にする優秀な人材の蓄積を考えると、今後のさらなる伸びが期待されるカテゴリーであると弊社は考えている。
なお、2018年11月期~2021年11月期のソリューションカテゴリー、半導体カテゴリー、先進技術ソリューションカテゴリーのCAGRはそれぞれ4.7%、25.6%、34.9%。特に半導体カテゴリーと先進技術ソリューションカテゴリーの成長率が著しい。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 清水陽一郎)
<SI>
1. 2021年11月期の業績概要
2021年11月期の売上高と当期純利益はそれぞれ前期比20.5%増の2,732百万円、同24.7%増の294百万円と大幅に伸長し、そろって過去最高を記録した。また、営業利益が同35.6%増の412百万円に拡大したほか、経常利益も同37.7%増の419百万円に膨らんでいる。
過去最高の業績を記録したのは、3つのカテゴリー(ソリューションカテゴリー、半導体カテゴリー、先進技術ソリューションカテゴリー)すべてが好調だったことが要因。同社の基盤カテゴリーであるソリューションカテゴリーの売上高は、キオクシア半導体工場の生産管理システムの大規模更新があったことや東芝が建設した原子力発電所の管理システムに関する保守・運用、受託開発が好調に推移したこと、食品メーカー、防衛庁をはじめとする新規顧客が増加したことなどによって、前期比16.3%増(294百万円増)の2,101百万円に大きく拡大している。
半導体カテゴリーの売上高は、キオクシアグループが四日市と北上で運営している半導体工場の運用・保守サービスが堅調に推移したこと、キオクシアグループの半導体工場増設によりシステムの受託開発が伸びたことなどを背景に、前期比30.5%増(108百万円増)の464百万円に急伸している。
前期比ベースでの伸びが最も大きいのが先進技術ソリューションカテゴリーだ。画像処理・画像認識の分野で顧客に最適なAIアルゴリズムを探索・提案し、大企業の研究開発を支援するという差別化されたビジネスモデルによって、NEC、Honda、オムロンに加え精密機器メーカー、自動車関連メーカーなどの大規模な新規顧客の獲得に成功。これを受け、同カテゴリーの売上高は前期比60.7%増(63百万円増)の167百万円に膨らんでいる。
上記のような過去最高の業績を達成することができたのも同社の強みである「盤石な大手顧客基盤」「品質管理力」があったからこそであると弊社は考えている。長年にわたる顧客とのビジネスのなかで実績と信頼を積み重ねてきたことが大幅な売上の増加につながり、そのなかで徹底した工程管理(品質管理)によりコストを抑えたことが高い利益率につながった格好だ。また、先進技術ソリューションカテゴリーでは「高付加価値ビジネスの創造力」という強みを存分に発揮している。自社でゼロからAIアルゴリズムを作り上げる企業は数多くあるものの、世界中のアルゴリズムから顧客に最適なものを探し出して実装・試験をしたうえで顧客に提案するという「研究開発支援型ビジネス」を行っている企業がほとんど市場に存在しないためだ。同社が2020年に上場し、AI分野で付加価値の高いビジネスを提供していることが市場に認知され始めていること、DXを推進する企業が増加していることなどを踏まえると、同カテゴリーは今後ますます伸びていくと弊社は考えている。
2. KPI(Key Performance Indicator)の達成状況
同社が設定しているKPI達成率(2011年11月期時点)は、おおむね順調な結果となっている。ソリューションカテゴリーにおける「エンジニア数」のみ唯一目標に届かなかったものの(達成率は95%)、今後のエンジニア採用努力によって解決することができると考える。コロナ禍に適応した採用方法を積極的に模索していくことがカギになってくるだろう。
3. 過去の業績推移
(1) 売上高、営業利益、営業利益率の推移
同社の売上高は、2020年11月期に前期比で若干の減少を強いられたものの、それ以外は増収を続けている。また、営業利益は、創業依頼一度も前期割れすることなく右肩上がりで成長してきていることも特徴だ。
特に着目すべきは、営業利益率の高さ。2017年11月期の7.8%から2021年11月期の15.1%まで、非常に高い水準で推移している。これは、同社が大手顧客から優良単価で案件を受注し、徹底した品質管理で余計なコストを発生させないことによって生み出された結果であり、ここでも同社の強みが発揮されていると弊社は考える。
(2) カテゴリー別売上高の推移
2018年11月期~2021年11月期の売上高の推移を事業カテゴリー別に見てみると、同社売上高の大部分を占めるソリューションカテゴリーは、多少の増減はあるものの堅調に推移。同社収益の基盤となってきたことが窺える。また、安定した収益源である半導体カテゴリーは右肩上がりで成長している。今後も世界的なDXの推進による半導体需要の高まりによってキオクシアの業績が好調に推移することなどから、成長軌道をたどると弊社は考えている。先進技術ソリューションカテゴリーも、売上に占める割合は相対的に小さいものの成長率は非常に高い。AI領域での同社特有のビジネスモデルとそれを可能にする優秀な人材の蓄積を考えると、今後のさらなる伸びが期待されるカテゴリーであると弊社は考えている。
なお、2018年11月期~2021年11月期のソリューションカテゴリー、半導体カテゴリー、先進技術ソリューションカテゴリーのCAGRはそれぞれ4.7%、25.6%、34.9%。特に半導体カテゴリーと先進技術ソリューションカテゴリーの成長率が著しい。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 清水陽一郎)
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