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ドーン Research Memo(6):開発人材の新卒及び中途採用に注力。「Live119」の稼働が本格化
配信日時:2022/02/18 15:16
配信元:FISCO
■中長期の成長戦略
1. 開発人材の採用と育成
システム業界の企業にとって開発人材の採用は大きな課題であり、計画通りの成長ができるかのバロメーターとなる。経済産業省の予測では、2019年3月に公表した「IT人材需給に関する調査」によると、2018年時点で約22万人のIT人材が不足しているが、今後IT人材の供給能力が伸び悩むなか、ITニーズの拡大によりIT市場は拡大を続けるため、IT人材不足は一段と深刻化し、2030年には約45万人まで人材の不足規模が拡大すると予想される。ドーン<2303>はシステム分野でも特殊であり、地理空間情報を扱うシステムエンジニアは希少なリソースとなる。同社は過去から新卒を採用し育成することを基本としてきたが、目標の採用人数に至らない年もあった。今期は中途採用や東西拠点での採用などを含めて採用・育成の複線化を行うことなどにより、人材の確保に一定の成果がみられる。
2. 次代を担うクラウド型映像通報システム「Live119」の稼働が本格化
同社は、次世代の主力システムと期待されるクラウド型映像通報システム「Live119」の拡販に向け、積極的な提案活動を行っており、その成果が出始めている。2020年7月には、神戸市消防局及び小野市消防本部で運用がスタートして以来、全国の多数の消防で導入及び試行運用が進捗している。日本最大の規模を誇る東京消防庁(23区及び多摩29市町村)その他各地で試行運用が行われ、稼働地域も当初の想定を上回るペースで増加している。2021年には大阪市や茨城県(県内の大半の市町村)でも導入された。採用加速の背景には、「早くつながる」「使用がシンプルで簡単」「安心運用体制」などにより奏功事例が積み上がっていることがある。当面の目標であるスタートから5年で200消防本部の導入に向け弾みがついている状況と言えよう。同社では現在主力の「NET119」の成長の勢いが鈍化する今期から「Live119」などの映像系システムの拡大を加速させ、全社として切れ目なく成長する中長期のシナリオを描いている。
3. 自動運転のためのダイナミックマップ整備プロジェクトが順調に進捗
同社は、自動運転時代を見据えた社会インフラ整備にも携わっている。2021年7月、同社が(公財)日本道路交通情報センター及び(株)トスコ(岡山県岡山市)と共同で応募提案した「交通規制情報のデータ精度向上等に係るモデルシステムに関する調査研究」が、「戦略的イノベーション創造プログラム第2期」に採択された。自動運転車が一般道の複雑な交通状況に従って安全に走行するためには、車両センサーが周辺のリアルタイムの状況(歩行者や周辺車両、道路標識・道路標示)を認識する技術とは別に、センサーでの感知が難しい交通規制その他の交通環境に関する情報が、静的なデータ(準静的、準動的データ含む)として車両に記憶され、3D 地図上で高い精度で表現される必要がある。この技術は、ダイナミックマップ(交通規制など刻々と変わる膨大な情報と、道路標識情報などの静的情報を組み合わせたデジタル地図)と呼ばれ、自動運転のキーテクノロジーとして注目されている。三者共同により、ダイナミックマップを構成する交通環境(特に交通規制)に関する情報の整備のための技術要件を研究し、モデルシステムの開発を進める。研究は順調に進捗しており、今後の成果が期待される。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田秀夫)
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1. 開発人材の採用と育成
システム業界の企業にとって開発人材の採用は大きな課題であり、計画通りの成長ができるかのバロメーターとなる。経済産業省の予測では、2019年3月に公表した「IT人材需給に関する調査」によると、2018年時点で約22万人のIT人材が不足しているが、今後IT人材の供給能力が伸び悩むなか、ITニーズの拡大によりIT市場は拡大を続けるため、IT人材不足は一段と深刻化し、2030年には約45万人まで人材の不足規模が拡大すると予想される。ドーン<2303>はシステム分野でも特殊であり、地理空間情報を扱うシステムエンジニアは希少なリソースとなる。同社は過去から新卒を採用し育成することを基本としてきたが、目標の採用人数に至らない年もあった。今期は中途採用や東西拠点での採用などを含めて採用・育成の複線化を行うことなどにより、人材の確保に一定の成果がみられる。
2. 次代を担うクラウド型映像通報システム「Live119」の稼働が本格化
同社は、次世代の主力システムと期待されるクラウド型映像通報システム「Live119」の拡販に向け、積極的な提案活動を行っており、その成果が出始めている。2020年7月には、神戸市消防局及び小野市消防本部で運用がスタートして以来、全国の多数の消防で導入及び試行運用が進捗している。日本最大の規模を誇る東京消防庁(23区及び多摩29市町村)その他各地で試行運用が行われ、稼働地域も当初の想定を上回るペースで増加している。2021年には大阪市や茨城県(県内の大半の市町村)でも導入された。採用加速の背景には、「早くつながる」「使用がシンプルで簡単」「安心運用体制」などにより奏功事例が積み上がっていることがある。当面の目標であるスタートから5年で200消防本部の導入に向け弾みがついている状況と言えよう。同社では現在主力の「NET119」の成長の勢いが鈍化する今期から「Live119」などの映像系システムの拡大を加速させ、全社として切れ目なく成長する中長期のシナリオを描いている。
3. 自動運転のためのダイナミックマップ整備プロジェクトが順調に進捗
同社は、自動運転時代を見据えた社会インフラ整備にも携わっている。2021年7月、同社が(公財)日本道路交通情報センター及び(株)トスコ(岡山県岡山市)と共同で応募提案した「交通規制情報のデータ精度向上等に係るモデルシステムに関する調査研究」が、「戦略的イノベーション創造プログラム第2期」に採択された。自動運転車が一般道の複雑な交通状況に従って安全に走行するためには、車両センサーが周辺のリアルタイムの状況(歩行者や周辺車両、道路標識・道路標示)を認識する技術とは別に、センサーでの感知が難しい交通規制その他の交通環境に関する情報が、静的なデータ(準静的、準動的データ含む)として車両に記憶され、3D 地図上で高い精度で表現される必要がある。この技術は、ダイナミックマップ(交通規制など刻々と変わる膨大な情報と、道路標識情報などの静的情報を組み合わせたデジタル地図)と呼ばれ、自動運転のキーテクノロジーとして注目されている。三者共同により、ダイナミックマップを構成する交通環境(特に交通規制)に関する情報の整備のための技術要件を研究し、モデルシステムの開発を進める。研究は順調に進捗しており、今後の成果が期待される。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田秀夫)
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