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S&P500 月例レポート ― 1月の展開が2022年の相場を占う? (4) ―

配信日時:2022/02/17 11:41 配信元:MINKABU
●インデックス・レビュー ◇S&P 500指数  S&P 500指数 は1月に5.26%下落して4515.55で月を終えました(配当込みのトータルリターンはマイナス5.17%)。12月は4766.18で終え、4.36%の上昇(同プラス4.48%)となり、11月は4567.00で終え、0.83%の下落でした(同マイナス0.69%)。過去3ヵ月では1.95%下落(同マイナス1.61%)と、2020年10月のマイナス0.04%以来のマイナスでした。過去1年間では21.57%上昇(同プラス23.29%)、コロナ危機前の2020年2月19日の終値での高値からは33.35%上昇(同プラス37.51%)して月を終えました。  S&P500指数の1月の日中ボラティリティ(日中の値幅を安値で除して算出)は12月の1.29%から2.06%に上昇しました(11月は0.87%)。2021年は0.97%、2020年は1.73%、2019年は0.85%でした。2018年は1.21%、2017年は0.51%(1962年以来の最低)でした。出来高は前月比3%減少した12月から10%増加(営業日数調整後)、前年同月比では38%減少し、過去1年間でも28%減少しました。  1月の前日比で1%以上変動した日数は20営業日中8日となりました(上昇が2日、下落が6日、12月は22営業日中上昇が7日、下落が3日、11月は21営業日中上昇が1日、下落が2日)。2021年は前日比で1%以上変動した日数は55日(上昇が34日、下落が21日)、2%以上変動した日数は7日(上昇が2日、下落が5日)となりました。2020年は1%以上変動した日数が109日(上昇が64日、下落が45日)、2019年は1%以上変動した日数が37日(上昇が22日、下落が15日)でした。1月は20営業日中16日で日中の変動率が1%以上となり(12月は13日、11月は6日、10月は7日)、3%以上変動した営業日は3日(12月は1日)で、変動率は一時4.61%となりました。2021年は1%以上の変動が93日、3%以上の変動が3日となりました。2020年は1%以上の変動が158日(2020年11月末時点は154日)、3%以上の変動が34日(同34日)、2019年はそれぞれ73日と1日、危機に見舞われた2008年はそれぞれ228日(253営業日中)と75日でした。  1月は市場が広範囲にわたって下落し、11セクターのうち上昇したのは1セクターにとどまり、10セクターが上昇した12月と2セクターが上昇した11月を下回りました。1月はエネルギーのパフォーマンスが最高で、他の全てのセクターが下落する中、原油価格の上昇継続に伴い18.97%と大幅に上昇し、過去3ヵ月間では15.30%上昇、過去1年間では69.61%上昇しました。それに続いたのが金融で、1月は0.08%のわずかな下落、過去3ヵ月間では2.92%下落、過去1年間では35.04%上昇しました。生活必需品は1月に1.52%下落、過去3ヵ月間では6.92%上昇、過去1年間では20.19%上昇しました。  騰落率最下位となったのは一般消費財で、1月に9.70%下落、過去3ヵ月間では8.28%下落、過去1年間では11.23%上昇しました。情報技術は1月に6.92%下落、過去3ヵ月間では0.25%上昇、過去1年間では25.33%上昇しました。ヘルスケアは1月に6.90%下落(過去3ヵ月間では1.85%下落、過去1年間では14.13%上昇)、コミュニケーションサービスは1月に6.38%下落(同8.99%下落、同14.57%上昇)しました。  1月は前月からまたもや一転し、値下がり銘柄数が値上がり銘柄数を大幅に上回りました。1月の値上がり銘柄数は162銘柄(平均上昇率は6.17%)で、12月は447銘柄(同7.71%)、11月は156銘柄(同5.40%)でした。10%以上上昇した銘柄数は33銘柄(同17.12%)で12月の131銘柄(同13.34%)を下回りました。11月は19銘柄(18.54%)でした。4銘柄(全てエネルギーセクターの銘柄)が25%以上上昇しました(同30.07%。12月は1銘柄で同31.82%、11月は4銘柄で同30.43%)。  一方、1月の値下がり銘柄数は342銘柄(平均下落率は9.34%)で、12月は58銘柄(同5.58%)、11月は394銘柄(同6.42%)でした。1月の10%以上下落した銘柄数も143銘柄(同15.19%)と、12月の11銘柄(同15.95%)、11月の60銘柄(同15.00%)から増加しました。7銘柄(同28.90%)が25%以上下落し、12月の2銘柄(同27.38%)と、11月の3銘柄(同26.88%)を上回りました。  過去3ヵ月間では、12月時点から一転して値下がり銘柄数が値上がり銘柄数を上回りました。値上がり銘柄数は233銘柄(平均上昇率は8.62%)と、12月末時点の389銘柄(同13.67%)から減少した一方(11月末時点は209銘柄で同9.67%)、値下がり銘柄数は272銘柄(平均下落率は9.91%)と、12月末時点の116銘柄(同7.67%)から増加しました(11月末時点は295銘柄で同9.73%)。10%以上上昇した銘柄数は74銘柄(平均上昇率は16.64%)と、12月末時点の231銘柄(同19.77%)から減少し、10%以上下落した銘柄数は106銘柄(平均下落率は18.28%)と、12月末時点の34銘柄(同16.71%)から増加しました。5銘柄が25%以上上昇した一方(12月末時点は47銘柄)、18銘柄が 25%以上下落しました(同5銘柄)。  2021年通年では、値上がり銘柄数が値下がり銘柄数を大幅に上回り、値上がり銘柄数は434 銘柄(平均上昇率は 34.30%)、値下がり銘柄数は70銘柄(平均下落率は12.01%)でした。10%以上上昇した銘柄数は 367銘柄(平均上昇率は 39.77%)、10%以上値下がりした銘柄数は36銘柄(平均下落率は 19.27%)でした。259 銘柄が25%以上上昇し、7銘柄が25%以上下落しました。 ◇世界の株式市場:S&Pグローバル総合指数  S&Pグローバル総合指数は 昨年11月の2.90%下落(米国の1.60%下落を除くと4.70%下落)、12月の3.79%上昇(米国の3.74%上昇を除くと 3.89%上昇)の後に、1月に5.32%上昇しました(米国の6.05%下落を除くと4.27%下落)。1月は米国がアンダーパフォームし、グローバル市場で下落した銘柄数は上昇した銘柄数を大幅に上回りました。過去3ヵ月間では、世界の株式市場は4.57%下落(米国の4.10%下落を除くと5.24%下落)しました。過去1年間では10.09%の上昇で、米国の17.25%上昇を除くと1.36%上昇しました。2021年のグローバル株式市場は16.03%の上昇で、米国の24.22%上昇を除くと、5.99%の上昇でした。  2022年1月までの過去1年間では10.09%の上昇で、米国の17.25%上昇を除くと1.36%上昇しました。より長期では、米国のパフォーマンスが突出していました。過去2年間では、グローバル市場は27.41%上昇しましたが、米国の38.84%上昇を除くと14.10%の上昇でした。過去3年間ではグローバル市場は43.85%上昇し、米国の63.99%上昇を除くと22.29%の上昇でした。2020 年11月3日の米大統領選挙以降では、グロー バル市場は25.81%上昇しましたが、米国の32.22%上昇を除くと17.77%の上昇でした。  S&Pグローバル総合指数の時価総額は1月に4兆4060 億ドル減少しました(12月は3兆1120億ドル増)。米国以外の市場の時価総額は1兆4830億ドル減少し(同1兆3820億ドル増)、米国市場は2 兆9220億ドル減少しました(同1兆7300億ドル増)。1月は11セクター中1セクターが上昇し、セクター間のリターンのばらつきは拡大しました(12月は11セクター全てが上昇、11月は1セクターが上昇)。パフォーマンスが最高のセクター(エネルギー、12.03%上昇)と最低のセクター(情報技術、8.78%下落)の騰落率の差は20.81%となり、12月の7.35%、11月の 9.44%から拡大しました。  新興国市場は昨年11月の3.62%下落、12月の1.41%上昇の後、1月に0.98%下落し、過去3ヵ月間では3.21%の下落でした。過去1年間では4.86%の下落となり、過去2年間では15.24%上昇、過去3年間では19.14%上昇しています。1月は25市場中14市場が上昇し、12月の19市場から減少したものの、11月の4市場を上回りました。  パフォーマンスが最高となったのはチリで1月は12.33%上昇し、過去3ヵ月間では11.57%上昇、過去1年間では7.44%下落しました。2番目はコロンビアで 1月は12.32%上昇し、過去3ヵ月間では6.51%上昇、過去1年間では6.06%上昇しました。3 番目はペルーで1月は12.08%上昇し、過去3ヵ月間では10.31%上昇、過去1年間では5.01%下落しました。  パフォーマンスが最低だったのはロシアで、1月は9.21%下落し、過去3ヵ月間では20.93%下落、過去1年間では6.80%上昇しました。これに続いたのがポーランドで、1月は4.82%下落し、過去3ヵ月間では11.69%下落、過去1年間では6.41%上昇しました。3 番目がメキシコで1月は4.49%下落し、過去 3 カ月間では0.68%下落、過去1年間では16.11%上昇しました。  先進国市場は11月の2.81%下落、12月の 4.08%上昇の後に、1月に全体で5.82%下落し、パフォーマンスは新興国を大幅に下回りました。先進国市場は米国を除くと5.38%の下落(12月は4.73%上昇、11月は5.07%下落)でした。過去3ヵ月間では4.74%下落、米国を除くと5.94%下落、過去1年間では12.17%上昇、米国を除くと3.66%上昇となりました。過去2年間では29.04%上昇、米国を除くと13.80%上昇、過去 3 年間では47.20%上昇、米国を除くと23.24%上 昇しました。  1月は25市場中上昇した市場はありませんでした(12月は24市場が上昇、11月は25市場全てが下落)。パフォーマンスが最高となったのは香港で1月は0.39%の下落で、過去3ヵ月間では5.13%下落、過去1年間では10.70%下落しました。2 番目は英国で、12月は0.95%下落し、過去3ヵ月間では0.23%下落、過去1年間では12.70%上昇しました。3番目はカナダで 1月は 1.38%下落し、過去3ヵ月間では2.75%下落、過去1年間では22.06%上昇しました。パフォーマンスが最低だったのはニュージーランドで1月は14.35%下落し、過去3ヵ月間では19.79%下落、過去1年間では23.50%下落しました。これに続いたのがスウェーデンで1月は11.95%下落し、過去3ヵ月間では12.28%下落、過去1年間では1.23%上昇しました。3番目はオランダで1月は 11.57%下落し、過去3ヵ月間では14.09%下落、過去1年間では7.38%上昇しました。  注目すべき点として、ドイツは1月に4.66%下落し、過去3ヵ月間では6.21%下落、過去1年間では0.45%下落しました。日本は1月に5.14%下落、過去3ヵ月間では6.59%の下落、過去1年間では5.13%の下落となりました。 [執筆者] ハワード・シルバーブラット S&P ダウ・ジョーンズ・インデックス シニア・インデックス・アナリスト ※このレポートは、英文原本から参照用の目的でS&Pダウ・ジョーンズ・インデックス(SPDJI)が作成したものです。SPDJIは、翻訳が正確かつ完全であるよう努めましたが、その正確性ないし完全性につきこれを保証し表明するものではありません。英文原本についてはサイトをご参照ください。 [免責事項] 著作権(C) 2022年 S&Pグローバルの一部門であるS&Pダウ・ジョーンズ・インデックスLLC。不許複製、Standard & Poor's、S&P、S&P 500、は、S&Pの一部門であるスタンダード・アンド・プアーズ・フィナンシャル・サービシーズLLC(以下「S&P」)の登録商標です。LATIXX、MEXIC 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