中銀デジタル通貨、万能モデル存在せず＝ＩＭＦ専務理事

［ロンドン　９日　ロイター］ - 国際通貨基金（ＩＭＦ）のゲオルギエバ専務理事は、各国が検討する中央銀行デジタル通貨（ＣＢＤＣ）について、万能モデルは存在しないとの見方を示した。

ＩＭＦの推計では１００カ国近くが現在ＣＢＤＣの導入を検討している。ＩＭＦは９日、デジタル通貨を既に導入しているか、もしくは試験段階にある、中国、スウェーデン、バハマなど６カ国についての研究結果を公表した。

ゲオルギエバ氏はこの研究結果に関するスピーチで、初期段階の経験から得られる主なことは、多くの教訓があるということだと説明し、まず、ＣＢＤＣの万能モデルはないということだと指摘した。

また、金融の安定とプライバシーへの配慮がＣＢＤＣの設計で最も重要であり、ＣＢＤＣの設計とそれに関する政策の間でバランスを取る必要があるとの認識を示した。

「ＣＢＤＣはまだ初期段階にあり、どこまで、どれくらいのスピードで発展していくのか分からない」と述べた。

その上で、ＣＢＤＣが慎重に設計されれば、人々は銀行が提供するようなサービスにアクセスしやすくなり、お金の移動にかかるコストを下げることができるとの見方を示した。