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EU、半導体支援法案を公表 補助金規則緩和へ

配信日時:2022/02/09 08:17 配信元:REUTERS

[ブリュッセル 8日 ロイター] - 欧州連合(EU)は8日、域内の半導体産業を強化し、米国やアジアからの供給への依存を減らすため、革新的な半導体工場に対する補助金の規則を緩和する法案を明らかにした。

フォンデアライエン欧州委員長は、法案について「2030年までに追加で150億ユーロ(170億ドル)の官民投資が可能になる」と説明。

これらの資金は、現在進行中のEUプロジェクトや国家予算で既に計画されている300億ユーロの公的投資に上乗せされ、さらに長期的な民間投資によって補われると述べた。

米国も中国に対する競争力向上を狙って半導体業界に520億ドルを支援する法案を可決している。

フォンデアライエン委員長は、加盟国が企業に不公正な補助金を出すのを防ぐためのEU規則について、革新的な半導体工場に関しては緩和すると表明。

「厳格な条件の下、国家補助金の規則を修正する。これにより、欧州の革新的な生産施設に対する公的支援が初めて可能になり、欧州全体に恩恵をもたらす」と述べた。

EUは、30年までに世界の半導体市場におけるシェアを現在の2倍の20%に引き上げることを目指している。

欧州委のベステアー上級副委員長(競争政策担当)は、補助金は相応な額で、欧州全体に影響をもたらさねばならず、必要な範囲を超えるべきでないと強調。加盟国は投資を誘致するため不公正な手段を使うべきではないともくぎを刺した。

EU各国は米インテルの工場誘致を目指しているが、同社は欧州工場の建設場所をまだ発表しておらず、補助金競争への懸念が浮上している。

インテルはEUの半導体産業支援を歓迎し、米欧当局の協調を呼び掛けた。声明で「当社は現在、欧州での大幅拡張を検討しており、今回の法案はこうした計画を促進するだろう」と述べた。

法案成立には、EU加盟国と欧州議会の承認が必要。

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