物価目標実現に期待、エネルギー・為替注視＝実質賃金減少で山際再生相

［東京　８日　ロイター］ - 山際大志郎経済再生相は８日の閣議後会見で、同日公表された昨年１２月の実質賃金が物価上昇により４カ月連続でマイナスとなったことを受け、政府・日銀は２％の物価目標実現を期待しているとの立場を改めて示した。一方、エネルギー価格や為替の物価への影響は注視するとも述べた。

山際再生相は「物価に関しては、物価安定目標２％の実現が政府・日銀共通の目標となっており、当然目標に向かって着実に進むことをいつも期待している」と指摘。その上で、「一方でエネルギー価格が高く、為替（円安）など物価に様々な影響があるのは承知しており、注意深くみる必要がある」と付け加えた。

物価の先行きについて「当然２％の物価目標に向けて経済対策を打っており、経済対策を着実に進め（実現に）一歩でも近づけたい。足もとコロナの問題もあり、着実に（感染を）コントロールできるようにしたい」と強調した。

厚生労働省が８日公表した２０２１年１２月の毎月勤労統計（速報）で、実質賃金は前年比２．２％減と４カ月連続で低下し、２０２０年５月以来のマイナス幅だった。正社員のボーナス減少とパート労働者比率の拡大に物価上昇が重なってマイナス幅が拡大した。