注目トピックス 市況・概況
国内株式市場見通し:国内企業決算は佳境入り、米CPIにも注目
配信日時:2022/02/05 15:27
配信元:FISCO
■過度な警戒感後退で買い戻し急速進展
今週の日経平均は週間で722.65円高(+2.70%)と5週ぶりに大幅反発。週足のローソク足も5周ぶりに陽線を形成した。ただ、13週移動平均線(28382.86円)などからの下方乖離率は依然として大きい。
日経平均は週半ばまで戻りを試す展開が続いた。米国市場で注目されていた10-12月期雇用コスト指数の伸びが予想を下回り、長期金利が低下したことが安心感を誘ったほか、アップルやビザの好決算も手伝い、東京市場でもハイテク株を中心に週初から買い戻しが進展。1月中の大幅な株価下落に伴い、年金基金等のリバランス(資産配分の再調整)目的の買いが入ったとの指摘もあった。
その後も、複数の米連邦準備制度理事会(FRB)高官から金融引き締めについて慎重に進めることを示唆する発言が相次いだことで投資家心理が改善したほか、米企業のアルファベットやAMDの好決算も寄与し、買い戻しが一段と進展。日経平均は1月28日から2月2日までの4日間だけで1300円超も上昇し、2日は終値で27533.60まで回復した。
ただ、週後半の3日は、戻り一服が意識されるタイミングで、米メタ・プラットフォームズ(旧フェイスブック)の決算が失望され、時間外取引でSNS(交流サイト)関連銘柄が時間外取引で揃って急落、ナスダック100先物も時間外で2%超も下落していたことから、東京市場でも売りが広がり、日経平均は292.29円安と5日ぶりに反落。しかし、一転して5日は198.68円高と反発。決算を発表した米アマゾン・ドット・コムが時間外取引で急伸していたことや、米1月雇用統計を前に持ち高調整に伴う売り方の買い戻しが進んだことで、午前中頃から値を切り上げる展開となった。
■オプションSQ後の米CPI控え神経質な展開
来週の日経平均は一進一退か。主要企業の決算発表が佳境に入る。外部環境の不透明感がくすぶるなか選別物色が一段と進みそうだ。米1月雇用統計では平均賃金の伸びが予想を上振れ、米10年国債利回りは1.9%台にまで上昇した。ただ、決算を契機としたハイテクへの見直しから週末のナスダック総合指数はむしろ大幅高となった。しかし、金融引き締め懸念はむしろ強まり、手放しでは喜べない。依然警戒は必要だろう。
今週の日米株式市場は週半ばまで戻りを試す展開となった。米国でGAFAMと呼ばれる大型テック企業のうち、マイクロソフト、アップル、アルファベット、アマゾンが好決算を発表したことで業績を頼りにした安心感が台頭。またFRBの複数の高官から、金融引き締めは実体経済へ混乱を及ぼさないよう慎重に進めることが肝要とのほか、3月の米連邦公開市場委員会(FOMC)での利上げ幅として0.5%は考えていないとした発言が相次いだ。これにより3月利上げ幅は0.25%と穏当なものになるとの安堵感に繋がり、過度な警戒感が後退するなか企業の好決算も追い風となり、買い戻しが進展した。
一方、英イングランド銀行(BOE)が政策金利を0.25%から0.5%へ引き上げたほか、これまで利上げについて消極的だった欧州中央銀行(ECB)も年内の利上げ方針について「経済データ次第」と方針を転換。またBOEは金融政策委員会メンバー9人のうち4人が0.50%の利上げを主張するなどタカ派サプライズとなった。
さらに、個別銘柄でもGAFAMのうち、メタ・プラットフォームズは決算発表後に一時27%安となり、時価総額を一夜のうちに26兆円も吹き飛ばすなど波乱の展開をみせた。恐怖指数とも呼ばれる米VIX指数も1月24日に一時40を窺う水準まで急騰した後、2月2日には20.46まで低下する場面があったが、その後は再び上昇し、依然警戒水準の20を上回っている。
このため、今後もFRB高官など有識者の発言次第では振れ幅の大きい展開が続きそうだ。また、来週は10日に米1月消費者物価指数(CPI)が発表予定。東京市場は週末11日が祝日で休場となるため、結果を反映するのは翌週となるが、仮に市場予想を大幅に上回ることがあると、足元は非常にボラティリティー(変動率)の高い相場環境のため、再び相場が大きく下押しする可能性がある。さらに10日にはオプション取引に係る特別清算指数(SQ)算出もある。米CPIを見極めたいとの思惑が働きやすいなか、需給要因で振れ幅の激しい動きとなることに留意したい。そのほか、8日の米3年国債入札、9日の米10年国債入札後の金利動向にも注目したい。
■トヨタ自動車決算では実績より来期への言及に注目
国内主要企業の決算では7日のダイキン<6367>、SUBARU<7270>、8日のソフトバンクグループ<9984>、日産自動車<7201>、9日のトヨタ自動車<7203>、ホンダ<7267>、富士フイルム<4901>、ルネサスエレクトロニクス<6723>、INPEX<1605>、10日の東京エレクトロン<8035>などに注目。2日に発表済みのデンソー<6902>は通期計画を下方修正したが、説明会で来期以降への期待が高まり3日は一転して大幅高となった。トヨタの場合も見通しへのコメントが重要となろう。
■景気ウォッチャー調査、工作機械受注、オプションSQなど
来週は7日に12月景気動向指数、8日に12月家計調査、1月景気ウォッチャー調査、米12月貿易収支、9日に1月工作機械受注、10日にオプションSQ、1月企業物価指数、米1月CPIなどが発表予定。
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今週の日経平均は週間で722.65円高(+2.70%)と5週ぶりに大幅反発。週足のローソク足も5周ぶりに陽線を形成した。ただ、13週移動平均線(28382.86円)などからの下方乖離率は依然として大きい。
日経平均は週半ばまで戻りを試す展開が続いた。米国市場で注目されていた10-12月期雇用コスト指数の伸びが予想を下回り、長期金利が低下したことが安心感を誘ったほか、アップルやビザの好決算も手伝い、東京市場でもハイテク株を中心に週初から買い戻しが進展。1月中の大幅な株価下落に伴い、年金基金等のリバランス(資産配分の再調整)目的の買いが入ったとの指摘もあった。
その後も、複数の米連邦準備制度理事会(FRB)高官から金融引き締めについて慎重に進めることを示唆する発言が相次いだことで投資家心理が改善したほか、米企業のアルファベットやAMDの好決算も寄与し、買い戻しが一段と進展。日経平均は1月28日から2月2日までの4日間だけで1300円超も上昇し、2日は終値で27533.60まで回復した。
ただ、週後半の3日は、戻り一服が意識されるタイミングで、米メタ・プラットフォームズ(旧フェイスブック)の決算が失望され、時間外取引でSNS(交流サイト)関連銘柄が時間外取引で揃って急落、ナスダック100先物も時間外で2%超も下落していたことから、東京市場でも売りが広がり、日経平均は292.29円安と5日ぶりに反落。しかし、一転して5日は198.68円高と反発。決算を発表した米アマゾン・ドット・コムが時間外取引で急伸していたことや、米1月雇用統計を前に持ち高調整に伴う売り方の買い戻しが進んだことで、午前中頃から値を切り上げる展開となった。
■オプションSQ後の米CPI控え神経質な展開
来週の日経平均は一進一退か。主要企業の決算発表が佳境に入る。外部環境の不透明感がくすぶるなか選別物色が一段と進みそうだ。米1月雇用統計では平均賃金の伸びが予想を上振れ、米10年国債利回りは1.9%台にまで上昇した。ただ、決算を契機としたハイテクへの見直しから週末のナスダック総合指数はむしろ大幅高となった。しかし、金融引き締め懸念はむしろ強まり、手放しでは喜べない。依然警戒は必要だろう。
今週の日米株式市場は週半ばまで戻りを試す展開となった。米国でGAFAMと呼ばれる大型テック企業のうち、マイクロソフト、アップル、アルファベット、アマゾンが好決算を発表したことで業績を頼りにした安心感が台頭。またFRBの複数の高官から、金融引き締めは実体経済へ混乱を及ぼさないよう慎重に進めることが肝要とのほか、3月の米連邦公開市場委員会(FOMC)での利上げ幅として0.5%は考えていないとした発言が相次いだ。これにより3月利上げ幅は0.25%と穏当なものになるとの安堵感に繋がり、過度な警戒感が後退するなか企業の好決算も追い風となり、買い戻しが進展した。
一方、英イングランド銀行(BOE)が政策金利を0.25%から0.5%へ引き上げたほか、これまで利上げについて消極的だった欧州中央銀行(ECB)も年内の利上げ方針について「経済データ次第」と方針を転換。またBOEは金融政策委員会メンバー9人のうち4人が0.50%の利上げを主張するなどタカ派サプライズとなった。
さらに、個別銘柄でもGAFAMのうち、メタ・プラットフォームズは決算発表後に一時27%安となり、時価総額を一夜のうちに26兆円も吹き飛ばすなど波乱の展開をみせた。恐怖指数とも呼ばれる米VIX指数も1月24日に一時40を窺う水準まで急騰した後、2月2日には20.46まで低下する場面があったが、その後は再び上昇し、依然警戒水準の20を上回っている。
このため、今後もFRB高官など有識者の発言次第では振れ幅の大きい展開が続きそうだ。また、来週は10日に米1月消費者物価指数(CPI)が発表予定。東京市場は週末11日が祝日で休場となるため、結果を反映するのは翌週となるが、仮に市場予想を大幅に上回ることがあると、足元は非常にボラティリティー(変動率)の高い相場環境のため、再び相場が大きく下押しする可能性がある。さらに10日にはオプション取引に係る特別清算指数(SQ)算出もある。米CPIを見極めたいとの思惑が働きやすいなか、需給要因で振れ幅の激しい動きとなることに留意したい。そのほか、8日の米3年国債入札、9日の米10年国債入札後の金利動向にも注目したい。
■トヨタ自動車決算では実績より来期への言及に注目
国内主要企業の決算では7日のダイキン<6367>、SUBARU<7270>、8日のソフトバンクグループ<9984>、日産自動車<7201>、9日のトヨタ自動車<7203>、ホンダ<7267>、富士フイルム<4901>、ルネサスエレクトロニクス<6723>、INPEX<1605>、10日の東京エレクトロン<8035>などに注目。2日に発表済みのデンソー<6902>は通期計画を下方修正したが、説明会で来期以降への期待が高まり3日は一転して大幅高となった。トヨタの場合も見通しへのコメントが重要となろう。
■景気ウォッチャー調査、工作機械受注、オプションSQなど
来週は7日に12月景気動向指数、8日に12月家計調査、1月景気ウォッチャー調査、米12月貿易収支、9日に1月工作機械受注、10日にオプションSQ、1月企業物価指数、米1月CPIなどが発表予定。
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