アングル:米株式市場は波乱の幕開け、1月相場は今年の凶兆か
[ニューヨーク 1日 ロイター] - 2022年の米国株は波乱の幕開けとなった。S&P総合500種は1月に5.3%下落し、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的流行)以降で最大の下げを記録。ハイテク株比率の高いナスダック総合指数は調整局面にある。小型株のラッセル2000指数は11月の過去最高値を20%以上下回り、弱気相場入りが確認された。
DAデビッドソンのウェルスマネジメント調査部門ディレクター、ジェームズ・ラガン氏は「引き締めタントラム(かんしゃく)というべきものだ」と指摘し「利上げが始まってもいないのに、投資家は市場への影響に不安を抱いている」と解説した。
LPLファイナンシャルによると、1950年以降でS&P500が1月にプラスだと残りの11カ月は平均11.9%上昇したが、マイナスになった場合は平均2.7%の上昇にとどまった。
ただ最近では傾向が異なる。1月にS&P500がマイナスとなった直近10回のうち9回はその後11カ月でプラスとなり、平均上昇率は13.1%だった。
先月はハイテクなどのグロース株から資金が逃避し、S&Pグロース株指数は8.4%下落した。一方、これまで長期間グロース株の後塵を拝してきたバリュー株は1.7%の下落にとどまった。エネルギー株は約19%高とS&P500で唯一プラスとなった。
株価急落を受けて米国株に対する投資家のセンチメントが低下。米個人投資家協会(AAII)の最新調査では、米国株に対する弱気見通しが2013年以来の高水準を記録した。
投資家のセンチメント低下はポジティブサプライズが起こりやすいという面もある。トゥルーイスト・アドバイザリー・サービシズのキース・ラーナー共同最高投資責任者(CIO)はリポートで「最近の投資家心理の落ち込みと過去1カ月の急激なバリュエーション低下の後は、リターンが中期的にプラスになる可能性がある」と指摘した。