注目トピックス 市況・概況
来週の相場で注目すべき3つのポイント:日米主要企業決算、米ISM景況指数、米雇用統計など
配信日時:2022/01/29 18:36
配信元:FISCO
■株式相場見通し
予想レンジ:上限27500-下限26000円
来週の日経平均はもみ合いか。米金融政策の先行き不透明感が続くなか、日米ともに決算発表シーズンに突入してきており、個別株物色が主体となりそうだ。
25~26日に開催されたFOMC後のパウエル議長の会見は総じてタカ派的な内容だった。3月以降全ての会合での利上げを否定しなかったことで市場予想を大幅に上回る利上げ回数が示唆されたほか、政策金利は0.25%ずつ引き上げるのが通常パターンだが一回で0.5%引き上げる可能性も排除しなかった。また、量的引き締め(QT)については「大幅に減らす必要がある」と積極的な姿勢を見せつつも、具体的なスケジュールについては明言しなかった。
パウエル議長は想定以上のタカ派的な内容を示唆しながらも具体的な発言を避けたことで、市場が嫌う不透明感を緩和させるどころかむしろ強めてしまった。結局、米金融政策を巡る不透明感は、政策金利見通し(ドットチャート)が示される3月開催のFOMCまでくすぶることとなった。今週末の米国市場では10年国債利回りが1.7%台にまで再び低下し、企業決算も好感されるなか相場は大幅に反発。決算シーズンに突入するなか相場の調整は一旦小休止しそうだが、3月FOMCが近づくタイミングでは再び神経質な展開となりそうだ。
来週は米サプライマネジメント協会(ISM)が発表する1月景況指数のほか週末には1月雇用統計の発表が控える。パウエル議長は「経済データを注視する」との姿勢を維持しているため、指標の注目度は依然高い。雇用統計が強めの内容となれば金融引き締め懸念が一段と強まりかねないため、週末まで模様眺めムードが支配しやすいだろう。
こうした中、日米ともに決算発表が多くなってくる。日本では31日にレーザーテック<6920>、コマツ<6301>、2月1日にキーエンス<6861>、村田製作所<6981>、HOYA<7741>、ローム<6963>、2日にソニーグループ<6758>、デンソー<6902>など注目度の高い企業が予定されている。また、足元株価が底堅い三菱商事<8058>などの商社関連が週後半に予定されている。
今週は信越化学、富士電機、新光電気工業が好決算を発表し、地合いが悪いなかでも寄り天井とならずに大幅高で終えた。年明け以降の株価下落を受けて割安感も出てきているため、好決算は素直に評価されやすいと考えられる。米国でもマイクロソフトやアップルが決算を受けて大幅高となった。来週はアルファベットやメタ・プラットフォームズ、アマゾン・ドットコムが発表予定。米金融政策の不透明感が重しとなるなか、引き続き企業業績が相場の落ち着きを取り戻してくれるかに注目だ。
■為替市場見通し
来週のドル・円は伸び悩みか。米連邦準備制度理事会(FRB)による金融正常化への期待が広がっており、3月に政策金利を引き上げた後、バランスシートの縮小に乗り出す見込み。FOMCでの政策決定を受け、目先の経済指標が材料視されそうだ。2月4日発表の1月雇用統計が市場予想を上回る強い内容だった場合、FRBの積極的な金融引き締めスタンスを後押しするが、米国株式の調整は終了していないとの見方が多いため、株安継続の可能性があろう。米国の利上げやバランスシートの縮小によって世界の株式市場で調整が進む可能性も残されており、株安を警戒してリスク回避的なドル売り・円買いが短期的に強まる可能性がある。
なお、ウクライナ問題で混迷が深まるなか、欧米とロシアの対立が警戒されている。主要国の外交努力で和平交渉が期待されるものの、米ロの主張に隔たりがあり調整は難航しているようだ。欧州諸国へのエネルギー供給問題などを巡ってユーロ売り・ドル買いが続いた場合、ドル・円の取引でもドル買いが強まる可能性は残されている。
■来週の注目スケジュール
1月31日(月):日・小売売上高(12月)、鉱工業生産指数(12月)、消費者態度指数(1月)、住宅着工件数(12月)、日・決算発表→レーザーテック、コマツ、欧・ユーロ圏GDP速報値(10-12月)、米・MNIシカゴ購買部協会景気指数(1月)、中・株式市場は祝日のため休場(春節、2月6日まで)、米・決算発表→NXPセミコンダクターズなど
2月1日(火):日・失業率・有効求人倍率(12月)、日・欧・米・製造業PMI(1月)、日・決算発表→キーエンス、村田製、ローム、豪・オーストラリア準備銀行(中央銀行)が政策金利発表、米・ISM製造業景況指数(1月)、米・JOLT求人件数(12月)、香港・株式市場は祝日のため休場(3日まで)、米・決算発表→AMD、アルファベット、スターバックスなど
2月2日(水):日・決算発表→ソニーG、デンソー、エムスリー、米・ADP全米雇用報告(1月)、「OPECプラス」閣僚級会合、米・決算発表→メタ・プラットフォームズ、クアルコムなど
2月3日(木):日・欧・米・サービス業PMI(1月)、Recovery Internationalが東証マザーズに新規上場、日・決算発表→川崎汽船、メルカリ、日本郵船、伊藤忠、三井物産、英・イングランド銀行(英中央銀行)が政策金利と金融政策報告発表、欧・欧州中央銀行(ECB)が政策金利発表、米・ISM非製造業景況指数(1月)、米・決算発表→アマゾンなど
2月4日(金):セイファートが東証ジャスダックに新規上場、日・決算発表→ミネベア、イビデン、太陽誘電、米・雇用統計(1月)など
<YN>
予想レンジ:上限27500-下限26000円
来週の日経平均はもみ合いか。米金融政策の先行き不透明感が続くなか、日米ともに決算発表シーズンに突入してきており、個別株物色が主体となりそうだ。
25~26日に開催されたFOMC後のパウエル議長の会見は総じてタカ派的な内容だった。3月以降全ての会合での利上げを否定しなかったことで市場予想を大幅に上回る利上げ回数が示唆されたほか、政策金利は0.25%ずつ引き上げるのが通常パターンだが一回で0.5%引き上げる可能性も排除しなかった。また、量的引き締め(QT)については「大幅に減らす必要がある」と積極的な姿勢を見せつつも、具体的なスケジュールについては明言しなかった。
パウエル議長は想定以上のタカ派的な内容を示唆しながらも具体的な発言を避けたことで、市場が嫌う不透明感を緩和させるどころかむしろ強めてしまった。結局、米金融政策を巡る不透明感は、政策金利見通し(ドットチャート)が示される3月開催のFOMCまでくすぶることとなった。今週末の米国市場では10年国債利回りが1.7%台にまで再び低下し、企業決算も好感されるなか相場は大幅に反発。決算シーズンに突入するなか相場の調整は一旦小休止しそうだが、3月FOMCが近づくタイミングでは再び神経質な展開となりそうだ。
来週は米サプライマネジメント協会(ISM)が発表する1月景況指数のほか週末には1月雇用統計の発表が控える。パウエル議長は「経済データを注視する」との姿勢を維持しているため、指標の注目度は依然高い。雇用統計が強めの内容となれば金融引き締め懸念が一段と強まりかねないため、週末まで模様眺めムードが支配しやすいだろう。
こうした中、日米ともに決算発表が多くなってくる。日本では31日にレーザーテック<6920>、コマツ<6301>、2月1日にキーエンス<6861>、村田製作所<6981>、HOYA<7741>、ローム<6963>、2日にソニーグループ<6758>、デンソー<6902>など注目度の高い企業が予定されている。また、足元株価が底堅い三菱商事<8058>などの商社関連が週後半に予定されている。
今週は信越化学、富士電機、新光電気工業が好決算を発表し、地合いが悪いなかでも寄り天井とならずに大幅高で終えた。年明け以降の株価下落を受けて割安感も出てきているため、好決算は素直に評価されやすいと考えられる。米国でもマイクロソフトやアップルが決算を受けて大幅高となった。来週はアルファベットやメタ・プラットフォームズ、アマゾン・ドットコムが発表予定。米金融政策の不透明感が重しとなるなか、引き続き企業業績が相場の落ち着きを取り戻してくれるかに注目だ。
■為替市場見通し
来週のドル・円は伸び悩みか。米連邦準備制度理事会(FRB)による金融正常化への期待が広がっており、3月に政策金利を引き上げた後、バランスシートの縮小に乗り出す見込み。FOMCでの政策決定を受け、目先の経済指標が材料視されそうだ。2月4日発表の1月雇用統計が市場予想を上回る強い内容だった場合、FRBの積極的な金融引き締めスタンスを後押しするが、米国株式の調整は終了していないとの見方が多いため、株安継続の可能性があろう。米国の利上げやバランスシートの縮小によって世界の株式市場で調整が進む可能性も残されており、株安を警戒してリスク回避的なドル売り・円買いが短期的に強まる可能性がある。
なお、ウクライナ問題で混迷が深まるなか、欧米とロシアの対立が警戒されている。主要国の外交努力で和平交渉が期待されるものの、米ロの主張に隔たりがあり調整は難航しているようだ。欧州諸国へのエネルギー供給問題などを巡ってユーロ売り・ドル買いが続いた場合、ドル・円の取引でもドル買いが強まる可能性は残されている。
■来週の注目スケジュール
1月31日(月):日・小売売上高(12月)、鉱工業生産指数(12月)、消費者態度指数(1月)、住宅着工件数(12月)、日・決算発表→レーザーテック、コマツ、欧・ユーロ圏GDP速報値(10-12月)、米・MNIシカゴ購買部協会景気指数(1月)、中・株式市場は祝日のため休場(春節、2月6日まで)、米・決算発表→NXPセミコンダクターズなど
2月1日(火):日・失業率・有効求人倍率(12月)、日・欧・米・製造業PMI(1月)、日・決算発表→キーエンス、村田製、ローム、豪・オーストラリア準備銀行(中央銀行)が政策金利発表、米・ISM製造業景況指数(1月)、米・JOLT求人件数(12月)、香港・株式市場は祝日のため休場(3日まで)、米・決算発表→AMD、アルファベット、スターバックスなど
2月2日(水):日・決算発表→ソニーG、デンソー、エムスリー、米・ADP全米雇用報告(1月)、「OPECプラス」閣僚級会合、米・決算発表→メタ・プラットフォームズ、クアルコムなど
2月3日(木):日・欧・米・サービス業PMI(1月)、Recovery Internationalが東証マザーズに新規上場、日・決算発表→川崎汽船、メルカリ、日本郵船、伊藤忠、三井物産、英・イングランド銀行(英中央銀行)が政策金利と金融政策報告発表、欧・欧州中央銀行(ECB)が政策金利発表、米・ISM非製造業景況指数(1月)、米・決算発表→アマゾンなど
2月4日(金):セイファートが東証ジャスダックに新規上場、日・決算発表→ミネベア、イビデン、太陽誘電、米・雇用統計(1月)など
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