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NY市場サマリー(28日)株は年初来の大幅高、ドルは週間で7カ月ぶり上昇幅

配信日時:2022/01/29 07:44 配信元:REUTERS

[28日 ロイター] -

<為替> 週末を控えドルに若干のポジション調整が入ったものの、米連邦準備理事会(FRB)が今年は積極的な利上げに動くとの観測から、ドル指数は週間ベースで7カ月ぶりの大幅な上昇となった。

この日は春節(旧正月)を来週に控え、アジア取引時間中は主要通貨はほぼ横ばいで推移していた。

主要6通貨に対するドル指数は0.04%高。週初からは約1.7%上昇。週間ベースでは昨年6月以来の大きな上昇となった。

この日発表の米経済指標では、労働省の発表した2021年第4・四半期の雇用コスト指数(ECI)が前期比1.0%上昇。市場予想は1.2%上昇だった。

バノックバーン・グローバル・フォレックスのチーフ市場ストラテジスト、マーク・チャンドラー氏は「パウエルFRB議長は特に雇用コスト指数に言及したが、伸びは予想をやや下回った。これを受け、週末を控え若干のポジション調整が入った」と指摘。ただ「ドルの上昇は終わっていない」との見方を示した。

こうした中、米10年債利回りは1.77%近辺に低下。24日には約1.9%と、2年ぶり高水準を付けていた。

ユーロは1.1143ドルと、ほぼ横ばい。前日は1.1131ドルと、1年8カ月ぶり安値を付けていた。

円は対ドルで0.14%高の115.21円。

豪ドルとニュージーランドドルは対米ドルで下落。ニュージーランドドルは1年3カ月ぶり安値を付けた。

英ポンドは前日に1.3360ドルと、1カ月ぶり安値を更新したが、来週のイングランド銀行(英中央銀行)金融政策委員会に注目が集まる中、この日はやや持ち直した。市場では英中銀が90%の確率で追加利上げを決定するとの見通しが織り込まれている。

<債券> 米債利回りがイールドカーブ(利回り曲線)全体で低下した。月末のポートフォリオ調整に伴う買いが入った。3月利上げを示唆した米連邦公開市場委員会(FOMC)後の金利上昇が一服した可能性がある。

シーポート・グローバル・ホールディングスのマネジング・ディレクター、トム・ディガロマ氏は「月末のポートフォリオ調整に伴い国債価格の押し目を狙う実需買いがあった」と述べた。

個人消費が減少し、雇用コストが市場予想を下回ったことを受け、FRBが3月に50ベーシスポイント(bp)の利上げを決定するとの見方が後退。過去3営業日でフラット化していたイールドカーブが28日はスティープ化した。

5・30年債の利回り差は一時53.70bpに拡大。終盤は46.20bpだった。

2・10年債の利回り差は一時65.10bpに拡大。終盤は61.10bpだった。前日には2020年11月以来の水準に縮小していた。

米経済指標を受け、フェデラル・ファンド(FF)金利先物市場では年内に約120bpの利上げが実施されるとの見方が織り込まれている。3月に50bpの利上げが決定される確率は指標発表前の約32%から18%に低下した。

この日発表された経済指標はまちまちだったが、全体的には短期的なインフレ高進が示唆され、FRBの利上げ路線を裏付けるものとなった。

2年債利回りは序盤に1.228%と2020年2月以来の高水準を付けた。ただ、終盤は3bp低下の1.1603%。

5年債利回りは5bp低下の1.6127%。

指標10年債利回りは3.5bp低下の1.7730%。30年債利回りは約2bp低下し2.0754%だった。

<株式> 不安定な値動きとなる中、主要株価3指数は反発。朝方は低調に推移していたものの、ハイテク株が上昇を主導し、年初来の大幅高となった。米株式相場は今週、強弱入り交じる企業決算や地政学的リスクの高まり、FRBのタカ派姿勢の強まりを背景に振れる展開となった。

週足ではS&P総合500種とダウ工業株30種は上昇、ナスダック総合は横ばいとなった。ただ、年初以降ではS&Pは7%、ナスダックは12%、ダウは4.4%それぞれ値下がりしている。

チェリー・レイン・インベストメンツのパートナー、リック・メックラー氏は「投資家は金利上昇局面の影響に適応しようとしている」と指摘。「一部投資家にとってはなお債券より株式の方が魅力的で、底値を探る展開となっている」とし、「とりわけナスダックで安値で買うバーゲンハンティングの動きが見られる」と述べた。

S&P主要11セクターでは、エネルギー以外全てがプラス圏で引けた。 情報技術の上昇が目立ち、4.3%高と、1日としては20年4月6日以来の大幅な伸びを記録した。

米企業の第4・四半期決算発表が本格化する中、S&P総合500種採用企業のうち168社がこれまでに業績を発表。リフィニティブのデータによると、このうち77%が市場予想を上回った。

アップルは7%高。前日引け後に発表した21年10─12月期決算は、売上高が前年同期比11%増の1239億ドルと過去最高となった。半導体不足に直面しながらも、堅調なiPhone販売とサービス事業の契約者増に支えられ、市場予想の1187億ドルを上回った。

クレジットカード大手ビザも10.6%高。第1・四半期(21年12月31日まで)決算は、利益が市場予想を上回った。旅行やオンライン関連支出が増え、決済額が増加した。

一方、重機メーカーのキャタピラーは5.2%安。第4・四半期決算は売上高が20%超増加し、市場予想を上回った。ただ、生産コストと人件費の増加により今四半期の営業利益率が打撃を受ける可能性があると警告した。

石油大手シェブロンも3.5%安。第4・四半期決算は利益が予想を下回ったほか、今年の低調な石油・ガス生産見通しも発表した。

<金先物> ドル高に伴う割高感が重しとなり、下落した。4月物の清算値(終値に相当)は 前日比8.40ドル(0.47%)安の1オンス=1786.60ドル。

<米原油先物> ウクライナ情勢の緊迫化などを背景に買いを集め、小反発した。米国産標準油種 WTIの中心限月3月物の清算値(終値に相当)は、前日比0.21ドル(0.24%) 高の1バレル=86.82ドル。週間では1.97%上昇し、これで6週連続のプラスと なった。4月物の清算値は0.14ドル高の85.43ドル。

ロシア軍によるウクライナ侵攻への懸念が深まる中、原油価格のリスクプレミアムが上 昇。天然ガス輸入の約4割をロシアに依存する欧州連合(EU)はこの日、供給制限に備 えて米国などとの連携を確認した。英国産北海ブレント原油の先物市場では、期近物の価 格が期先物を上回るバックワーデーション(逆ザヤ)が急速に拡大し、WTIにも買いが 波及。3月物は午前に88.84ドルと、前日に続いて約7年4カ月ぶりの高値を更新し た。

しかし、外国為替市場で対ユーロでのドル買いが再燃すると、ドル建てで取引されるエ ネルギー商品の割高感を嫌気した売りが出て、その後は大きく値を削る展開。マイナス圏 に沈む場面もあり、方向感に欠ける商いだった。

ドル/円 NY終値 115.24/115.27

始値 115.63

高値 115.66

安値 115.13

ユーロ/ドル NY終値 1.1143/1.1147

始値 1.1131

高値 1.1173

安値 1.1126

米東部時間

30年債(指標銘柄) 17時05分 95*14.50 2.0805%

前営業日終値 95*07.00 2.0910%

10年債(指標銘柄) 17時05分 96*12.50 1.7784%

前営業日終値 96*04.00 1.8080%

5年債(指標銘柄) 17時05分 99*13.50 1.6208%

前営業日終値 99*07.00 1.6630%

2年債(指標銘柄) 17時05分 99*13.25 1.1723%

前営業日終値 99*12.00 1.1920%

終値 前日比 %

ダウ工業株30種 34725.47 +564.69 +1.65

前営業日終値 34160.78

ナスダック総合 13770.57 +417.79 +3.13

前営業日終値 13352.78

S&P総合500種 4431.85 +105.34 +2.43

前営業日終値 4326.51

#VALUE! 1786.6 ‐8.4

前営業日終値 1795.0

#VALUE! 2230.1 ‐37.5

前営業日終値 2267.6

#VALUE! 90.03 +0.69

前営業日終値 89.34

#VALUE! 86.82 +0.21

前営業日終値 86.61

CRB商品指数 252.8466 +1.9397

前営業日終値 250.9069

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