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為替円安、家計へのマイナス影響が強まっている可能性ある=日銀総裁

配信日時:2021/12/23 15:04 配信元:REUTERS

[東京 23日 ロイター] - 日銀の黒田東彦総裁は23日、経団連の審議員会で講演し、為替の円安について「家計所得に及ぼすマイナスの影響も強まっている可能性がある」とする一方、基本的にはプラスの効果の方が大きいとの見解を示した。日銀の政策スタンスについては、日本のインフレ率は物価目標を下回って推移していることから、現在の強力な金融緩和を粘り強く続けることが基本になると述べた。

黒田総裁は、為替はファンダメンタルズを反映して安定的に推移することが重要だと指摘。近年は円安が耐久消費財の価格を押し上げる効果が強まっていることが確認できると述べた。もっとも、日本における円安の動きは、方向として経済と物価をともに押し上げるという基本的な構図に変化はなく、プラス面の方が大きいとの認識を示した。

総裁は、日銀の緩和は民間による事業活動や投資を行いやすくしていると指摘。為替の安定も、企業活動の不確実性低下につながっていると語った。企業の支出が積極化し、経済の成長力が高まっていけば、緩和効果は一段と強まり、2%の物価目標の実現にも近づいていくことが期待できると述べた。

(杉山健太郎、和田崇彦)

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