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DEAR・L Research Memo(7):アイディとDLX-HDをグループに加え、相乗効果を狙う
配信日時:2021/12/22 15:27
配信元:FISCO
■中長期の成長戦略
1. 子会社アイディを加え、エリアとセグメントを拡大
ディア・ライフ<3245>は2021年10月にアイディを子会社化した。アイディは主に品川区・大田区に根付いて、マンション・アパートの土地仕入から設計・施工、販売およびその請負まで一貫して行う総合不動産会社であり、不動産賃貸管理、賃貸・売買仲介事業を行うアイディプロパティを100%子会社として傘下に持つ。本社は品川区であり、品川区と大田区を地盤として地域密着の強みがある。このエリアは、羽田空港までのアクセスに優れていることから、新型コロナウイルス終息後は空港やホテル、物流関係者の需要が強く見込まれる。また、ディア・ライフが事業規模にして10 億円程度のマンション開発を手掛ける一方で、アイディは3 億円程度のマンションや、アパートの開発も手掛けており、特に狭小地や不整形地、崖等の開発しにくい土地の開発を得意としている。このように、ディア・ライフとアイディは、エリアや事業対象規模において棲み分けが可能であることから、仕入情報や開発ノウハウをはじめとしたナレッジの共有により、事業機会の拡大が可能である。商業施設やオフィスビルなど手掛ける物件タイプを広げることで、将来的にはファンドの組成も見据えている。
また、アイディは開発用地に対して適切なプランニングを行う自社設計部を擁しており、社内での迅速な意思決定を実現している。新築アパートの計画においては自社施工まで行える体制がある。さらに子会社のアイディプロパティでは賃貸・売買仲介事業を行っており複数の店舗を通じて、地元の不動産オーナーやエンドユーザーとの直接的なつながりを持つ。管理受託件数は既に1,300 戸に上っており、安定的なストック収益が期待できる。
アイディの2020年12月期の売上高は5,949百万円、営業利益は314百万円であり、過去安定して推移してきた。アイディの子会社化により、城南エリア(大田区、品川区など)での仕入・売却力の強化、これまで行ってこなかった施工業務請負や賃貸仲介・管理事業の取り込みにより、事業ポートフォリオの安定と拡大をしたことになる。
2. DLX-HDを中核にITを活用した非対面マーケティングの拡大
同社は、2021年1月、人材派遣事業を行うDLX-HDの第三者割当増資を引き受け、連結子会社化を完了した。DLX-HDは、光通信<9435>傘下で保険サービス事業などを行うNFCホールディングス<7169>が2020年12月に設立した会社で、コールセンターによる保険契約の取次業務人員に特化した専門派遣を展開するN-STAFFを傘下に持つ。昨今のコロナ禍において、非対面型のアウトバウンド向けコールセンターの需要は急速に伸びている。弊社の業績予想では、DLX-HDの年間の売上高は20億円前後と見込んでいたが、実際には2021年9月期下期だけで14億円前後に達しているものと推測できる。同社では、「ITを活用した非対面マーケティングの拡大」「事業領域の拡大」を基本戦略としている。不動産業界および金融・保険業界の中だけでも大きな成長余地があるが、さらに他業界にも挑戦する計画だ。また、セールスプロモーション事業は損益分岐点に近いため、短期的にはグループ企業の管理部門の共通化によるコスト削減や相互人材の活用など、グループ企業としてシナジーを最大限に発揮し収益の最大化を推進する方針だ。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田秀夫)
<NB>
1. 子会社アイディを加え、エリアとセグメントを拡大
ディア・ライフ<3245>は2021年10月にアイディを子会社化した。アイディは主に品川区・大田区に根付いて、マンション・アパートの土地仕入から設計・施工、販売およびその請負まで一貫して行う総合不動産会社であり、不動産賃貸管理、賃貸・売買仲介事業を行うアイディプロパティを100%子会社として傘下に持つ。本社は品川区であり、品川区と大田区を地盤として地域密着の強みがある。このエリアは、羽田空港までのアクセスに優れていることから、新型コロナウイルス終息後は空港やホテル、物流関係者の需要が強く見込まれる。また、ディア・ライフが事業規模にして10 億円程度のマンション開発を手掛ける一方で、アイディは3 億円程度のマンションや、アパートの開発も手掛けており、特に狭小地や不整形地、崖等の開発しにくい土地の開発を得意としている。このように、ディア・ライフとアイディは、エリアや事業対象規模において棲み分けが可能であることから、仕入情報や開発ノウハウをはじめとしたナレッジの共有により、事業機会の拡大が可能である。商業施設やオフィスビルなど手掛ける物件タイプを広げることで、将来的にはファンドの組成も見据えている。
また、アイディは開発用地に対して適切なプランニングを行う自社設計部を擁しており、社内での迅速な意思決定を実現している。新築アパートの計画においては自社施工まで行える体制がある。さらに子会社のアイディプロパティでは賃貸・売買仲介事業を行っており複数の店舗を通じて、地元の不動産オーナーやエンドユーザーとの直接的なつながりを持つ。管理受託件数は既に1,300 戸に上っており、安定的なストック収益が期待できる。
アイディの2020年12月期の売上高は5,949百万円、営業利益は314百万円であり、過去安定して推移してきた。アイディの子会社化により、城南エリア(大田区、品川区など)での仕入・売却力の強化、これまで行ってこなかった施工業務請負や賃貸仲介・管理事業の取り込みにより、事業ポートフォリオの安定と拡大をしたことになる。
2. DLX-HDを中核にITを活用した非対面マーケティングの拡大
同社は、2021年1月、人材派遣事業を行うDLX-HDの第三者割当増資を引き受け、連結子会社化を完了した。DLX-HDは、光通信<9435>傘下で保険サービス事業などを行うNFCホールディングス<7169>が2020年12月に設立した会社で、コールセンターによる保険契約の取次業務人員に特化した専門派遣を展開するN-STAFFを傘下に持つ。昨今のコロナ禍において、非対面型のアウトバウンド向けコールセンターの需要は急速に伸びている。弊社の業績予想では、DLX-HDの年間の売上高は20億円前後と見込んでいたが、実際には2021年9月期下期だけで14億円前後に達しているものと推測できる。同社では、「ITを活用した非対面マーケティングの拡大」「事業領域の拡大」を基本戦略としている。不動産業界および金融・保険業界の中だけでも大きな成長余地があるが、さらに他業界にも挑戦する計画だ。また、セールスプロモーション事業は損益分岐点に近いため、短期的にはグループ企業の管理部門の共通化によるコスト削減や相互人材の活用など、グループ企業としてシナジーを最大限に発揮し収益の最大化を推進する方針だ。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田秀夫)
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