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明豊ファシリ Research Memo(5):2022年3月期第2四半期累計業績は各利益段階で過去最高を更新
配信日時:2021/12/21 15:05
配信元:FISCO
■業績動向
1. 2022年3月期第2四半期累計業績の概要
明豊ファシリティワークス<1717>の2022年3月期第2四半期累計業績は、売上高で前年同期比13.0%増の2,017百万円、売上総利益で同16.6%増の1,078百万円、営業利益で同45.1%増の403百万円、経常利益で同45.1%増の404百万円、四半期純利益で同53.1%増の280百万円となり、各利益については2年ぶりに過去最高を更新した。また、期初会社計画に対してもCM案件の受注が想定を上回ったことにより、売上高、各利益ともに上振れて着地した。
コロナ禍が続くなかで公共投資は底堅く推移しているものの、民間の建設投資は慎重姿勢が強まる状況となったが、CMに対する認知度向上や同社のブランド力向上等により、公共民間ともに引き合いが増加し、社内で管理する受注粗利益※ベースでも過去最高を更新した。増収効果や生産性向上に伴い売上総利益率は前年同期の51.8%から53.5%に上昇し、販管費率は同様に36.2%から33.5%に低下した。この結果、営業利益率も20.0%とコロナ禍前(2020年3月期第2四半期累計で18.5%)の水準を上回り、過去最高水準となっている。ここ数年、AI技術やRPA等を積極的に活用しており、生産性向上の一因になっているものと考えられる。
※受注粗利益は、受注高から社内コスト以外の原価(工事費等)を差し引いたもの。
分野別受注粗利益の構成比を見ると、鉄道・学校・その他が前年同期の27%から41%と大きく伸長したことが特徴となっている。JR東日本の品川開発プロジェクト※の継続受注や、東京大学、大阪大学など国立大学のCM業務を受注したことが要因だ。一方でオフィス分野が前年同期の24%から17%に、工場・研究所が8%から4%にそれぞれ低下している。コロナ禍の影響で顧客の投資マインドが冷え込んでいることが影響したと見られる。また、公共分野については15%と前年同期並みの水準となった。実額ベースでは増加しているが、コロナ禍対策に予算を優先的に振り向ける自治体が多く、同社が得意とする庁舎建替えプロジェクト等の案件が少なかった。
※品川開発プロジェクトとは、JR高輪ゲートウェイ駅西側に合計4棟の高層ビルと1棟の文化施設を建設し、新たな街区を開発するプロジェクト(2024年完成予定)で、総工費は約5,500億円と現在進行中の建設プロジェクトでは最大規模となり、同社にとっても過去最大級のプロジェクトとなる。2020年12月にプロジェクトエリア内で日本初の鉄道遺構「高輪築堤」が出土されている。
なお、公共分野に関しては基本的にプロポーザル方式※の案件のみ入札しており、その大半を落札している。公表された受注案件数は10件と前年同期の14件よりも若干減少したが、ここ数年でCM業務の導入メリットが認識されるようになり、需要が増加しているとの認識に変わりない。
※プロポーザル方式とは、発注者が業務の委託先を選定する際に、入札を希望する事業者に対して目的物に対する企画を提案してもらい、そのなかから優れた提案を評価項目別にポイント化し、総合点数が最も高かった事業者を選定する入札方式。
2022年3月期第2四半期累計期間に受注した案件で注目されるのは、経済産業省から2021年5月に受注した「令和3年度 デジタル行政に対応した本省庁舎執務環境整備に関する調査事業」となる。これは2020年1月に受注した「令和元年度 産業経済研究委託事業」から続いているプロジェクトで、経済産業省の本庁舎における執務フロアの刷新における基本構想・基本計画の策定からプロジェクトマネジメント、働き方改革を支援する事業となっている。経済産業省でもDXの活用により組織力・個々の能力を最大限発揮するためのオフィス改革に取り組んでおり、そのなかで同社がノウハウを持つペーパーレス化推進やアクティビティの可視化(「MeihoAMS」の活用)などを支援している。同社では、今回の調査事業を踏まえて、2022年度以降の執務環境整備の在り方の提案等を行っていく予定にしている。
官公庁は民間企業よりもDX化が遅れていると言われており、2021年9月に新設されたデジタル庁を司令塔とし、今後官公庁のDX化を推進していく方針となっている。このため、今後は他の省庁でも「働き方改革」を踏まえたオフィス再構築の動きが期待され、実際にオフィス移転などの需要が発生した場合には、発注者支援業務の受注獲得につながる可能性がある。同社は難易度の高い大規模オフィスの竣工時同時入居プロジェクトなどを多く手掛けきた実績もあるだけに、今後の動向が注目される。
また、企業のSDGsに関する関心が高まるなかで、同社にも関連した問い合わせが急速に増えてきたことから、2021年8月より脱炭素化支援コンストラクション・マネジメントサービスの専用相談窓口を新設し、温室効果ガスの削減や再生可能エネルギーの導入を検討する企業や自治体向けに、顧客の保有施設全体の脱炭素化を支援するサービスを開始している。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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1. 2022年3月期第2四半期累計業績の概要
明豊ファシリティワークス<1717>の2022年3月期第2四半期累計業績は、売上高で前年同期比13.0%増の2,017百万円、売上総利益で同16.6%増の1,078百万円、営業利益で同45.1%増の403百万円、経常利益で同45.1%増の404百万円、四半期純利益で同53.1%増の280百万円となり、各利益については2年ぶりに過去最高を更新した。また、期初会社計画に対してもCM案件の受注が想定を上回ったことにより、売上高、各利益ともに上振れて着地した。
コロナ禍が続くなかで公共投資は底堅く推移しているものの、民間の建設投資は慎重姿勢が強まる状況となったが、CMに対する認知度向上や同社のブランド力向上等により、公共民間ともに引き合いが増加し、社内で管理する受注粗利益※ベースでも過去最高を更新した。増収効果や生産性向上に伴い売上総利益率は前年同期の51.8%から53.5%に上昇し、販管費率は同様に36.2%から33.5%に低下した。この結果、営業利益率も20.0%とコロナ禍前(2020年3月期第2四半期累計で18.5%)の水準を上回り、過去最高水準となっている。ここ数年、AI技術やRPA等を積極的に活用しており、生産性向上の一因になっているものと考えられる。
※受注粗利益は、受注高から社内コスト以外の原価(工事費等)を差し引いたもの。
分野別受注粗利益の構成比を見ると、鉄道・学校・その他が前年同期の27%から41%と大きく伸長したことが特徴となっている。JR東日本の品川開発プロジェクト※の継続受注や、東京大学、大阪大学など国立大学のCM業務を受注したことが要因だ。一方でオフィス分野が前年同期の24%から17%に、工場・研究所が8%から4%にそれぞれ低下している。コロナ禍の影響で顧客の投資マインドが冷え込んでいることが影響したと見られる。また、公共分野については15%と前年同期並みの水準となった。実額ベースでは増加しているが、コロナ禍対策に予算を優先的に振り向ける自治体が多く、同社が得意とする庁舎建替えプロジェクト等の案件が少なかった。
※品川開発プロジェクトとは、JR高輪ゲートウェイ駅西側に合計4棟の高層ビルと1棟の文化施設を建設し、新たな街区を開発するプロジェクト(2024年完成予定)で、総工費は約5,500億円と現在進行中の建設プロジェクトでは最大規模となり、同社にとっても過去最大級のプロジェクトとなる。2020年12月にプロジェクトエリア内で日本初の鉄道遺構「高輪築堤」が出土されている。
なお、公共分野に関しては基本的にプロポーザル方式※の案件のみ入札しており、その大半を落札している。公表された受注案件数は10件と前年同期の14件よりも若干減少したが、ここ数年でCM業務の導入メリットが認識されるようになり、需要が増加しているとの認識に変わりない。
※プロポーザル方式とは、発注者が業務の委託先を選定する際に、入札を希望する事業者に対して目的物に対する企画を提案してもらい、そのなかから優れた提案を評価項目別にポイント化し、総合点数が最も高かった事業者を選定する入札方式。
2022年3月期第2四半期累計期間に受注した案件で注目されるのは、経済産業省から2021年5月に受注した「令和3年度 デジタル行政に対応した本省庁舎執務環境整備に関する調査事業」となる。これは2020年1月に受注した「令和元年度 産業経済研究委託事業」から続いているプロジェクトで、経済産業省の本庁舎における執務フロアの刷新における基本構想・基本計画の策定からプロジェクトマネジメント、働き方改革を支援する事業となっている。経済産業省でもDXの活用により組織力・個々の能力を最大限発揮するためのオフィス改革に取り組んでおり、そのなかで同社がノウハウを持つペーパーレス化推進やアクティビティの可視化(「MeihoAMS」の活用)などを支援している。同社では、今回の調査事業を踏まえて、2022年度以降の執務環境整備の在り方の提案等を行っていく予定にしている。
官公庁は民間企業よりもDX化が遅れていると言われており、2021年9月に新設されたデジタル庁を司令塔とし、今後官公庁のDX化を推進していく方針となっている。このため、今後は他の省庁でも「働き方改革」を踏まえたオフィス再構築の動きが期待され、実際にオフィス移転などの需要が発生した場合には、発注者支援業務の受注獲得につながる可能性がある。同社は難易度の高い大規模オフィスの竣工時同時入居プロジェクトなどを多く手掛けきた実績もあるだけに、今後の動向が注目される。
また、企業のSDGsに関する関心が高まるなかで、同社にも関連した問い合わせが急速に増えてきたことから、2021年8月より脱炭素化支援コンストラクション・マネジメントサービスの専用相談窓口を新設し、温室効果ガスの削減や再生可能エネルギーの導入を検討する企業や自治体向けに、顧客の保有施設全体の脱炭素化を支援するサービスを開始している。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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