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NYの視点:米12月FOMCでQE縮小加速の思惑強まる

配信日時:2021/11/25 07:39 配信元:FISCO
米国のバイデン大統領が再任した米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長は再任会見において、物価上昇への対処を優先とする方針を示したことに加えて、同じくインフレが「一時的」としてきたイエレン財務長官もインフレリスクに言及した。

FRBがインフレ指標として重要視している変動の激しい燃料や食品を除いたコア個人消費支出(PCE)価格指数は前年比+4.1%と9月+3.7%から予想以上に伸びが拡大し1990年11月来で最大を記録した。FRBのインフレ目標である2%の2倍超。

FRBが公表した米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨(11月2-3日会合分)の中では、高官らは2022年の力強い成長を予想していることが明らかになった。また、物価上昇が緩和するまで長期間要する可能性があると判断。資産購入縮小ペースの加速を支持するメンバーもいた。インフレ見通しが不透明で、金融政策には柔軟性が必要で、もし、高インフレが持続したら、テーパーの加速や利上げを想定よりはやめることも可能だと指摘している。

今まで、最近の高インフレが一過性で、いずれ鈍化するとの見通しを示しハト派姿勢を維持してきたサンフランシスコ連銀のデイリー総裁も、今後の雇用や消費者信頼感指数(CPI)の結果次第では、12月のFOMC会合で資産購入縮小ペース加速を決定することを支持する可能性も示唆。同氏は2021年の投票権を有する。

多くの金融当局者がインフレが一時的との考えを後退させつつあり、2022年度の利上げ観測をさらに強めている。一段のドル買い材料となると見る。



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