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【連載第3回】連載コラム:日本のペイパル・マフィア(第3回)「まだ見ぬ幸せな未来の実現」に向けて【実業之日本フォーラム】
配信日時:2021/11/12 10:58
配信元:FISCO
本連載で最初に触れたように、2000年頃の日本では、最優秀層は大企業か官庁に進むのが当たり前でした。一方、アメリカでは2000年の段階で、最優秀層が起業したりベンチャーに入ったりしており、私はそれが現在のGAFAMの台頭につながったと考えています。しかし現在の日本ではベンチャーブームと言ってよい状況にあり、スタートアップを取り巻く環境も変わってきました。数多くのスタートアップ起業家を間近に見てサポートしてきた「千葉道場」の千葉功太郎さんも、ここ5年ほどで環境が激変し、起業家の裾野も大きく広がったと感じているといいます。
「これまでは、スタートアップといえば野武士のように強く特殊な人がつくる時代でした。しかし今は、東大生が普通に人生の選択肢として卒業後の起業を選ぶ時代になっています。日本のスタートアップ・エコシステムもこの5年間で急激に立ち上がっており、数字で見ると2020年だけでスタートアップがおよそ4600億円(※1)も資金調達しているんです。アメリカや中国に比べればけた違いに小さいものの、5~6年前はほぼゼロだったと考えれば、著しい成長を遂げているといえます」(千葉さん)
千葉さんが初めてエンジェル投資をしたのは2015年、東証一部上場企業であるオンラインゲーム開発・運営会社のコロプラの副社長だったときのことでした。その当時は「エンジェル投資家」という言葉そのものが日本ではまったく知られていなかっただけでなく、日本では上場企業の経営陣は自社の経営に専念すべきだという考え方が「常識」だったといえます。「個人での投資活動に対する理解はまったくなかった」(千葉さん)のです。しかしそれから6年が経った今、経営者がエンジェル投資をすることは日本でも当たり前になっています。このような「常識」の変わりようからも、スタートアップ起業家を取り巻く環境の変化を強く感じ取ることができるでしょう。
【日本のペイパル・マフィアに聞く6つの質問】
1. 日本にも、米国のようにベンチャーのエコシステムが発展していくと思いますか?
はい。遅ればせながら、かつ規模も小さいながらも、着実にこの10年でも激変してきてます。単なる後追いではなく、日本独自の進化もしている実感があります。
2. 日本のベンチャー市場の発展にエンジェルが果たしていくべき役割をどう見ていますか?
とても大きいです。事業などで成功された個人が、もっとたくさんエンジェル投資家としてスタートアップを支援していき、その裾野がどんどん広がる近未来を期待しています。
3. 今後、米国のペイパル・マフィアのような、起業家とエンジェルを横断する勢力は形成されるでしょうか?
千葉道場コミュニティ及び千葉道場ファンドが、日本版の一つの形になっていけたらうれしいですね。
4. ベンチマーク、もしくは注目している人や組織、団体を複数教えて下さい。
イーロンマスク、ヘンク・ブラウアー・ロジャース、ジェイソン・マッケイブ・カラカニス、ユーグレナ社、リバネス社。
5. あらためて伺います。エンジェルやベンチャー投資の魅力は?
まだ見ぬ幸せな未来の実現。
6. 今後の抱負を教えて下さい。
「Catch the Star」を千葉道場のミッションとして、それぞれの産業分野でのコロナ禍なDXを促進させ、来るべき未来の幸せを追求していきたいです。
※1:https://www.uzabase.com/jp/news/japan-startup-finance-2020-digest-report/
【千葉功太郎さんプロフィール】
千葉道場ファンド ジェネラル・パートナー/Drone Fund代表パートナー/慶應義塾大学SFC特別招聘教授/航空パイロット
1974年5月11日、東京都生まれ。慶應義塾大学環境情報学部卒業後、株式会社リクルート(現リクルートホールディングス)入社。株式会社サイバード、株式会社ケイ・ラボラトリーを経て、2009年株式会社コロプラに参画し同年12月に取締役副社長。2012年東証マザーズIPO、2014年東証一部上場を果たし2016年7月に退任。その後、国内外のインターネットやリアルテック業界でのエンジェル投資家(スタートアップ60社以上、ベンチャーキャピタル40ファンド以上に個人投資)として活動。2017年6月にDRONE FUNDを設立。個人投資先、DRONE FUND投資先の起業家コミュニティ「千葉道場」を運営。2019年4月、慶應義塾大学SFC の特別招聘教授に就任。2018年12月に、堀江貴文氏らと共に国産旅客機「HondaJet Elite」の国内1号機を共同購入。2020年6月1日、自家用操縦士のパイロットライセンス取得を発表。
藤野 英人(ふじの・ひでと)
レオス・キャピタルワークス株式会社
代表取締役 会長兼社長 最高投資責任者(CIO)
国内・外資大手資産運用会社でファンドマネージャーを歴任後、2003年レオス・キャピタルワークス創業。「ひふみ」シリーズ最高投資責任者(CIO)。投資啓発活動にも注力し、JPXアカデミーフェロー、東京理科大学上席特任教授、早稲田大学政治経済学部非常勤講師、叡啓大学客員教授を務める。一般社団法人投資信託協会理事。近著に『投資家みたいに生きろ』(ダイヤモンド社)、『14歳の自分に伝えたい「お金の話」』(マガジンハウス)。
■実業之日本フォーラムの3大特色
実業之日本フォーラム( https://jitsunichi-forum.jp/ )では、以下の編集方針でサイト運営を進めてまいります。
(1)「国益」を考える言論・研究プラットフォーム
・時代を動かすのは「志」、メディア企業の原点に回帰する
・国力・国富・国益という用語の基本的な定義づけを行う
(2)地政学・地経学をバックボーンにしたメディア
・米中が織りなす新しい世界をストーリーとファクトで描く
・地政学・地経学の視点から日本を俯瞰的に捉える
(3)「ほめる」メディア
・実業之日本社の創業者・増田義一の精神を受け継ぎ、事を成した人や新たな才能を世に紹介し、バックアップする
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「これまでは、スタートアップといえば野武士のように強く特殊な人がつくる時代でした。しかし今は、東大生が普通に人生の選択肢として卒業後の起業を選ぶ時代になっています。日本のスタートアップ・エコシステムもこの5年間で急激に立ち上がっており、数字で見ると2020年だけでスタートアップがおよそ4600億円(※1)も資金調達しているんです。アメリカや中国に比べればけた違いに小さいものの、5~6年前はほぼゼロだったと考えれば、著しい成長を遂げているといえます」(千葉さん)
千葉さんが初めてエンジェル投資をしたのは2015年、東証一部上場企業であるオンラインゲーム開発・運営会社のコロプラの副社長だったときのことでした。その当時は「エンジェル投資家」という言葉そのものが日本ではまったく知られていなかっただけでなく、日本では上場企業の経営陣は自社の経営に専念すべきだという考え方が「常識」だったといえます。「個人での投資活動に対する理解はまったくなかった」(千葉さん)のです。しかしそれから6年が経った今、経営者がエンジェル投資をすることは日本でも当たり前になっています。このような「常識」の変わりようからも、スタートアップ起業家を取り巻く環境の変化を強く感じ取ることができるでしょう。
【日本のペイパル・マフィアに聞く6つの質問】
1. 日本にも、米国のようにベンチャーのエコシステムが発展していくと思いますか?
はい。遅ればせながら、かつ規模も小さいながらも、着実にこの10年でも激変してきてます。単なる後追いではなく、日本独自の進化もしている実感があります。
2. 日本のベンチャー市場の発展にエンジェルが果たしていくべき役割をどう見ていますか?
とても大きいです。事業などで成功された個人が、もっとたくさんエンジェル投資家としてスタートアップを支援していき、その裾野がどんどん広がる近未来を期待しています。
3. 今後、米国のペイパル・マフィアのような、起業家とエンジェルを横断する勢力は形成されるでしょうか?
千葉道場コミュニティ及び千葉道場ファンドが、日本版の一つの形になっていけたらうれしいですね。
4. ベンチマーク、もしくは注目している人や組織、団体を複数教えて下さい。
イーロンマスク、ヘンク・ブラウアー・ロジャース、ジェイソン・マッケイブ・カラカニス、ユーグレナ社、リバネス社。
5. あらためて伺います。エンジェルやベンチャー投資の魅力は?
まだ見ぬ幸せな未来の実現。
6. 今後の抱負を教えて下さい。
「Catch the Star」を千葉道場のミッションとして、それぞれの産業分野でのコロナ禍なDXを促進させ、来るべき未来の幸せを追求していきたいです。
※1:https://www.uzabase.com/jp/news/japan-startup-finance-2020-digest-report/
【千葉功太郎さんプロフィール】
千葉道場ファンド ジェネラル・パートナー/Drone Fund代表パートナー/慶應義塾大学SFC特別招聘教授/航空パイロット
1974年5月11日、東京都生まれ。慶應義塾大学環境情報学部卒業後、株式会社リクルート(現リクルートホールディングス)入社。株式会社サイバード、株式会社ケイ・ラボラトリーを経て、2009年株式会社コロプラに参画し同年12月に取締役副社長。2012年東証マザーズIPO、2014年東証一部上場を果たし2016年7月に退任。その後、国内外のインターネットやリアルテック業界でのエンジェル投資家(スタートアップ60社以上、ベンチャーキャピタル40ファンド以上に個人投資)として活動。2017年6月にDRONE FUNDを設立。個人投資先、DRONE FUND投資先の起業家コミュニティ「千葉道場」を運営。2019年4月、慶應義塾大学SFC の特別招聘教授に就任。2018年12月に、堀江貴文氏らと共に国産旅客機「HondaJet Elite」の国内1号機を共同購入。2020年6月1日、自家用操縦士のパイロットライセンス取得を発表。
藤野 英人(ふじの・ひでと)
レオス・キャピタルワークス株式会社
代表取締役 会長兼社長 最高投資責任者(CIO)
国内・外資大手資産運用会社でファンドマネージャーを歴任後、2003年レオス・キャピタルワークス創業。「ひふみ」シリーズ最高投資責任者(CIO)。投資啓発活動にも注力し、JPXアカデミーフェロー、東京理科大学上席特任教授、早稲田大学政治経済学部非常勤講師、叡啓大学客員教授を務める。一般社団法人投資信託協会理事。近著に『投資家みたいに生きろ』(ダイヤモンド社)、『14歳の自分に伝えたい「お金の話」』(マガジンハウス)。
■実業之日本フォーラムの3大特色
実業之日本フォーラム( https://jitsunichi-forum.jp/ )では、以下の編集方針でサイト運営を進めてまいります。
(1)「国益」を考える言論・研究プラットフォーム
・時代を動かすのは「志」、メディア企業の原点に回帰する
・国力・国富・国益という用語の基本的な定義づけを行う
(2)地政学・地経学をバックボーンにしたメディア
・米中が織りなす新しい世界をストーリーとファクトで描く
・地政学・地経学の視点から日本を俯瞰的に捉える
(3)「ほめる」メディア
・実業之日本社の創業者・増田義一の精神を受け継ぎ、事を成した人や新たな才能を世に紹介し、バックアップする
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